軽井沢コルネ 弦楽四重奏コンサート:軽井沢コルネ音楽堂 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

朝まで草津温泉で温泉三昧♨️
肌がピチピチ!

今日は旅館でのんびりのスタート。

10:10発の草軽交通のバスで軽井沢へ。草津温泉~軽井沢のバス代、2200円は高い? 適当?
途中下車ができるので、白糸の滝で…と思うも、道路の混雑がひどく30分以上も遅れているので、このあとのことを考えて、軽井沢駅へ直行。
途中の旧軽井沢の様子を見るに、湯布院以上のチグハグ感があり、私には絶対に合わない。

初の軽井沢は駅まわりを丹念にまわるも、すっごい混雑。


早いけど13時すぎに軽井沢から中軽井沢に移動。


昼食のお店で時間を調整。


軽井沢コルネ 弦楽四重奏コンサート

15時30分~
軽井沢コルネ音楽堂



楽遊会四重奏団
第1ヴァイオリン:若松夏美
第2ヴァイオリン:竹嶋祐子
ヴィオラ:成田 寛
チェロ:鈴木秀美


今日はハイドンの作品1の弦楽四重奏曲全曲(6曲)のプログラム。
このプログラムならばガラガラでしょう…と 思っていたら、主催者が椅子を持ってバタバタ。演奏会後のお話では90人もの来場者での大盛況とのこと。
首都圏から来た方々はそろって2階で聴きました。


教会に似た構造だったので、私の座った2階に音が綺麗に降りてきました。ついでに目の前に小さなテーブルがあったので、持参したスコアも置けて、ゆっくり聴けました。

最初の曲は
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品1-1『狩』
6/8拍子の第1楽章が『狩』の音楽。今日は勇壮な狩というより、繊細なpを生かした、ヴァイオリンが鳥の囀ずりをかわすようなが ここ、軽井沢の自然の風景を感じられる音楽。『狩』がこんなにも変わるのかと驚かされました。
第2楽章は規模の大きなメヌエット。トリオはピチカートの乾いた、可愛い響きの対比が鮮やかでした。
4小節の序奏のついたアダージョの第3楽章。反復のない通作形式。第1ヴァイオリンのセレナードを3つの楽器が16分音符で支える単純な構造。そして後奏が6小節ついている点が 他の曲と大きく異なるところ。今日はこの前後の部分、響きを抑えた演奏でとっても綺麗でした。
メヌエットの第4楽章は、明るくカノン風に開始されるところで聴く人の耳をつかみました。そのあとは単純なんだけど… 同じ響きの小さなトリオも楽しめました。
プレストの終楽章は第1ヴァイオリンと他との対話がはっきり聴けました。

秀美さんのお話が入ったあと
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品1-0
この作品、作品1に組み入れると、熟達した響きに感じられるのは私だけ?
プレストの第1楽章は響きが豊かに聴こえたのは、ホールのせい?
第2楽章のメヌエットも旋律とハーモニーがしっかりと融合した安定さを感じました。
アダージョの第3楽章は 第1ヴァイオリンの重音の響きがゾクゾクしちゃいました。セレナードの美しい楽章が聴けました。
メヌエットの第4楽章は第2楽章にそっくりの主題。トリオは短いながら動機をしっかりと利用した曲作りが聴けました。
ソナタ形式で安定感のあるプレストの終楽章。しっかりと締めました。

 続いて
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 ト長調 作品1-4
3/8のソナタ形式のプレストの第1楽章。竹嶋さんの第2ヴァイオリンの16分音符の動きが何かを訴えかけてくる様に響いたのが印象的。
メヌエットの第2楽章。後半での第2ヴァイオリンとヴィオラの掛け合いが楽しかったです。同名短調のトリオの色の対比が鮮やかでした。
アダージョの第3楽章は第2ヴァイオリンの相槌を受けながらのセレナード。エコーのような掛け合いは、若松さんと竹嶋さんの音色の違いがはっきりと出ていて、楽しめました。
メヌエットの第4楽章は、メヌエット後半の流れるような旋律の美しさが際立っていました。短調のトリオでは第2ヴァイオリン以下が重なってきた時の旋律の肌ざわりの柔らかさが格別。
プレストの終楽章はソナタ形式と思いきや、そのあとに前後半に反復記号を置いた短い中間部をもつ複合3部形式。 なので、終わりか…と思うと 中間部が続く楽しい曲。4つの楽器が軽快に駆け回りました。

ここで休憩。満員のホールは 蒸し風呂状態👕💦
外のデッキに出ると、高原の風が とってもキモチ良く、「後半のプログラム、野外でやればいい」との声多数でした。

室内に戻って(家庭用のクーラー1台←それしか設置していない!を動かして)後半は
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 作品1-3
第1楽章は通作形式のソナタ形式のアダージョ。最初に第1ヴァイオリンの長い旋律を歌ったあと、それを第2ヴァイオリンが繰り返しはじまる。そのあと 2つのヴァイオリンが極めて美しい掛け合いが絶品でした。そしてヴィオラとチェロが低音で掛け合いをするところでのコントラストも最高でした。
メヌエットの第2楽章。後半でカノン風の流れるところがおしゃれ。トリオでは主題の小節のあたまの音を左手のピチカート。その音色の新鮮なこと!
プレストの第3楽章は、第1ヴァイオリンとヴィオラ、第2ヴァイオリンとチェロの組み合わせで交互に語られる忙しない3部形式の音楽。中間部の後半でのなめらかな動きが良いアクセントに聴こえました。
メヌエットの第4楽章。単純な主題と展開のメヌエットに続く、水彩画のような滲みが美しい同名短調のトリオが素敵でした。
通作形式のプレストの終楽章。よーく見るとこれも3部形式。つまり同じ形式の楽章が4つという、ユニークな組み立て。
この作品では秀美さんの生き生きとしたチェロが冴え渡っていました!

続いて
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品1-2
温かな主題で開始される第1楽章。
展開部での第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとの対話が(特にトリルで返す第2ヴァイオリンが)可愛かったです。
スキップするような符点のリズムが印象的なメヌエットの第2楽章。第2ヴァイオリンからヴィオラに刻みが交代したり、逆符点とリズムが変わったり、注意深く聴けば聴くほどに面白さがみえてくる楽章でした。
アダージョの第3楽章。単純な伴奏をもつ第1ヴァイオリンが歌うセレナード。若松さんの歌をたっぷり聴いたあと、提示部と再現部の最後の2小節、4つの楽器が揃ってのピチカートがとっても愛らしく決まりました。
第4楽章はバリトントリオで聴いたことのあるような元気いっぱいのメヌエット。それに対して短調に傾くトリオ。ちょっぴりシリアスなハイドンが感じられました。
プレストの終楽章は、ホフシュテッター作が確定した作品3にメロディーが似ていると思うのは私だけ? それは軽快にサッと走り去っていきました。

最後の曲は
🎵F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調 作品1-6
6/8拍子のプレストの第1楽章。美しい瞬間にハッとさせられるソナタ形式の短い楽章。
メヌエットの第2楽章。お洒落に着飾った淑女の舞踊が目に浮かぶ音楽。シンコペーションを逆にしたのを1つ組み入れたりと ハイドンのお茶目さがここにも感じられました。それに対してリズムが際立つトリオでは、第2ヴァイオリンが旋律として出る時の色の違いがくっきり。
アダージョの第3楽章は ピチカートの伴奏に乗って、弱音器をつけた第1ヴァイオリンのセレナード。若松さんのヴァイオリンの優しい音色の美しさは絶品!
第4楽章のメヌエットは これぞハイドンという、きっちりとしたリズムが際立つメヌエット。それに対して哀愁を帯びた短調の旋律とダイナミックな対比がじっくり聴ける それまでに比べると大規模なトリオ。今日12曲目のメヌエットでもまったく飽きません。
プレストの終楽章は小さなソナタ形式。ハイドンらしい4つの楽器がしっかりと組み合わせられたがっちりとした音楽。最後の締めにはピッタリでした。

今日のこの独特のプログラミングの演奏会、実は 前日までの3日間、同曲をここでレコーディングしていたため。
なんと1日のコンサートで6曲演奏という(長時間の)贅沢な、演奏者には酷なプログラム。今回 ソナタ形式の緩徐楽章の後半の反復は省略したものの、速い楽章は完全反復。レコーディングでは緩徐楽章も完全反復したとのこと。ハイドンビギナーの今日の聴衆とその量を考えれば、それは適切。そんな中、若松さんは緩徐楽章やメヌエット楽章での反復後の装飾やトリルの積極的な演奏が魅力をは倍増させてくれました。

そんなお話をしてホールで待っていると、今日、普通にお客様として聴きに来られていた 今井奈緒子先生が なんと、パイプオルガンを弾いてくださるということになりました!


🎵N.de グリニーの楽譜を出してきて数曲
ストップを多彩に選択、操作して、愉しい演奏を聴かせてくださいました。

今日はその後、拝鈍亭の住職さんからのお誘いで、首都圏から聴きに来た5人でそのまま宿泊。
ホール隣の別荘のお部屋をお借りして、楽しい会が持たれました。
鈴木秀美さんを囲んでのいろいろなお話は、夜遅くまで。鈴木美登里さんが厨房に入って、たくさんの料理を作ってくださいました。