オーケストラ・リベラ・クラシカ第34回定期演奏会:上野学園石橋メモリアルホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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秋の爽やかな空気に包まれた首都圏。山に紅葉を見にお出掛け日和なんですが、しっかりと音楽会が入っている週末です。

今朝は床屋に行き、頭をサッパリしてから上野へ。公園方面はかなりの混雑ですが 私は逆方向。

上野学園石橋メモリアルホールで
15時~
オーケストラ・リベラ・クラシカ第34回定期演奏会
指揮:鈴木 秀美
フォルテビアノ:上尾 直毅


という、お馴染みの方々。

昨夜は珍しく 3曲ともスコアを読みながらCDを聴いて予習。交響曲はともにヴァイオリンの掛け合いが楽しい曲。滅多に聴けない曲だから 期待度はかなり高め🗻

フォルテピアノを中央に配置したまま、最初の交響曲の演奏。今日は4-4-3-2-2の両翼配置。ハイドンのこの時代の曲の理想的編成。
今日の席は恒例、2列目ど真ん中。

まずは
🎵モーツァルト:交響曲第28番 ハ長調 K.200
4つの楽章からなる曲。昨日、予習したベーレンライター版のスコアには、ハ長調でトランペットが入っているのに、ティンパニが無い!序文にはそのパートは失われたとあり、今ではモーツァルトが考えた響きとは違うかたちで聴かれることが多くなってしまった曲。
今日は上記の事がプログラムにも記載されており、その上で ティンパニを鈴木さんが復元して演奏します!と。これは楽しそうフラッグ
結果的に やっぱりティンパニが加わると音楽が引き締まる。ハイドンではティンパニとトランペットがほとんど一緒に鳴ることが多いのですが、鈴木さんはそれには拘らない 落ち着いた使用になっていました。
第1楽章、両翼に配置された第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがそれは素晴らしい掛け合いの効果を上げていましたてんびん座
第2楽章は弱音器をつけたヴァイオリンの音色が柔らかく、曇った日の光のような感じに、弦の32分音符に管楽器が16分音符で下降するところでの 打ち上げ花火が光って降り注ぐような それぞれの効果はあまりに素敵でした。
メヌエットでは後半にあるシンコペーションで上昇する堂々としたフレーズが印象的でした。後半のメヌエットも繰り返ししましたが、そこでの微妙な表情の変化は玄人好み。もう少し大胆に変えても良かったかも。
第4楽章に一気に突入。爽やかな風で颯爽と駆け抜けました波
素敵なモーツァルトが楽しめました。

続いて
🎵モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K.459
一度聴いたら忘れられないえらい単純な第1主題の第1楽章。通奏低音のフォルテピアノがハッキリ聴こえる席。私には嬉しい。現代のモーツァルトに慣れた耳には邪魔に感じるかもしれない。
ソロが出た瞬間、私の耳は幸せいっぱい。やっぱりフォルテピアノとオーケストラの音色の掛け合いほど素敵な組み合わせはない。もっともっとフォルテピアノで古典派の協奏曲を聴きたいですが、まだまだ日本での公演は少ないですね。
第2楽章の前のインターバルでは上尾さんがフォルテピアノを調律。天国的な響きだった箇所を 地上に降ろして安定させましたレンチ
そして管楽器との会話が美しい第2楽章のあと 続けて 表情豊かなフォルテピアノにピリオド楽器とは思えない強力なエネルギー溢れるオケとのやり取りが愉しい第3楽章が素敵でした。
さてさて そんな中、第1楽章のアレグロの『タッタッタタッター』という行進曲風のリズムのFの音を同音反復する主題。とっても明るく、堂々とオケが入り、フォルテピアノに主題を渡す。すると シンコペーションのリズムのあとの音が極端に弱い。つまりはハンマーが十分に戻り切らない様。意外なところでフォルテピアノの脆さを感じてしまいました。

休憩中に昨年の10月の演奏会のCDが発売されていたので購入。
そしてメインは なんと無名な
🎵ハイドン:交響曲第74番変ホ長調 Hob.I-74
40年間、好きでたまらなかったこの曲。実演は新日本フィルとの全曲演奏会で聴いただけ。本当に演奏会に乗らない曲。しかし、響きがどこに行くのかわからなくなる面白さや ファゴットが活躍するオーケストレーションやら、聴きどころ満載なのに…ドキドキ
第1楽章と第2楽章では ロマン的で幽玄な響きがとても魅力的。ハイドンの真骨頂が遺憾なく発揮されているのですが、ロマン派以降を知る現代の耳には そのインパクトが強いとはいえないのが惜しい💦
爽やかな第1楽章。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとの旋律を交互に弾くことによる音の広がりのあと、2つがユニゾンでまとまる時の音の明るさと強さは 目覚めるような光を感じさせる効果がありました。
弱音器つきの第1ヴァイオリンとチェロの2声部だけで主題が呈示される(私はソロでもいいと思うのですが 勿論今日は合奏でした)第2楽章では、ヴァイオリンの運指が目覚めるような効果をあげていました。ある箇所でのみ 同じ指で上昇音を繋げるため ポルタメントの効果が顕著になっており、それがとても新鮮でした虹
速めのテンポの第3楽章。トリオもスコア通りに合奏。私はこの部分こそソロにして欲しかった❗

などなど 色々書きたいことが満載なんですが、今日の演奏は本当に素晴らしく、大満足。録音のセットがされていたので 来年あたりにCD化されるかも。でも実演の素晴らしさがどこまで録れているか ちょっぴり不安だけど期待しちゃいます。
今日の3曲には何かしらの共通点が見出だせ、興味深かったです。シンコペーションや逆付点のリズム。弱音器つきの第2楽章の響き。少なくとも 交響曲においては ホグウッドのCDを遥かに凌駕する出来映えでしたキラキラ

アンコールは先頃亡くなられた、ブリュッヘン氏(とホグウッド氏)に捧げるとのお話しのあと、
🎵ハイドン:交響曲第44番~第3楽章
それはしっとりと 弦楽器の美しさ極まる演奏でした。また、管楽器が加わった時の鮮やかな色彩感は絶品でした星空

終演後、鈴木さんに購入したCDと74番のスコア(指揮者用のでかいのしかなくて…)にサインをいただいて帰りました。

帰宅したら「花子とアン」の続編をやっていて 真剣に見てしまいました。この朝ドラは私の感性にピッタリ。甲州弁の可愛さも抜群!山梨に行きたくなりました。