山形交響楽団 第239回定期演奏会:山形テルサ ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして 山形駅前に山形テルサへ。

山形交響楽団第239回定期演奏会

山形テルサ ホール
16時~

山形交響楽団
指揮:鈴木秀美


テーマは『弁証法の到達点』
と、なにやら難しいタイトル。その内容は最後にコピーしますが、ハイドンもシューベルトも、古典派様式のひとつの形式の中で書かれた、その技量を最大限に発揮した作品 ということ!

第1、2ヴァイオリン8を両翼に分けた配置。ティンパニが雛壇中央の一番上。ホルンとトランペットはピリオド楽器で どちらもバルブのついていないもの。
私は今回、中央の左ブロックでスコア持参で聴きました。

前半は
🎵ハイドン:交響曲 第103番 変ホ長調 Hob.Ⅰ:103「太鼓連打」
イントラーダのティンパニは 思った通り リズミカルに長めに叩かせて開始。コーダでの連打は普通のトレモロでした。
変奏曲の第2楽章では、ソロのヴァイオリンの音色が渋くて良かったです。ただ16分音符の細かい動きだったため、反復時の装飾はなく、そこは残念。また 注意深く聴けば ヴァイオリンの掛け合いのステレオ効果が楽しく決まっていきました。
第3楽章ではトリオの木管楽器のソロがバッチリ。1小節ごとに楽器が変わる場面も まるでひとつの楽器が演奏しているかの如くでしたから!
圧巻は第4楽章。短いテーマが様々な楽器を渡り歩いていくところの立体感やアクセントを2拍目にずらすあたりでの一体感は それは見事でした。
ザロモンセットでも地味すぎるこの曲をしっかりと引き締めて 楽曲の組み立ての安定感がはっきりとわかる演奏を聴くことができました。

休憩後は
🎵シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D.944「ザ・グレート」
私的には 大満足の実演を3つも聴いている この曲。ホルンとトランペットはハイドン同様、ピリオド楽器。楽器配置が、ティンパニを雛壇中央から上手後方にして、ハイドンをそこで弾いていたコントラバスを雛壇中央にと 入れ替え。これがとても効を奏していました。

まず、冒頭のホルン。音の高さによる音色の違いが強烈👊 即 ノックアウト状態。
主部以降は 速めのテンポで 一気呵成。その中で ハイドンと同様に、楽器間をまたぐように駆けずりまわる動機の繋がりが、とても解りやすく組み立てられていきました。
繰り返しは第3楽章の2回目のスケルツォだけはカットしたものの、他はすべて実施。その中で、第3楽章のトリオの後半の反復では 管楽器のバランスが強くなった感じが 素敵に輝きました。

演奏会後に聴衆との懇談会がロビーであり そこで鈴木さんは、
「シューベルトは間違いなく古典派だ」
と 言い切りました。

それは古典派音楽のひとつの定義、枠組み、がシューベルトにはきわめてしっかりと当てはまる、とのこと。

今日のグレート交響曲は まさにそれが良くわかる演奏になっていました。

今日は2日分の充実した内容になりました。
あとは新幹線で 一気に横浜へ! やっぱり新幹線は楽でいい😉

最後に山形交響楽団のチラシにあった難しいタイトルの説明をコピーしておきます。
『弁証法の到達点』
西洋音楽の成立には様々な文化が関係していますが、特に交響曲においては哲学的思考との関係抜きには語ることが出来ません。ハイドンやシューベルトは生涯に渡って交響曲を創作し続けました。今回はその到達点と言っても過言ではない最後期の交響曲を聴いてみましょう。古典音楽に造詣が深い鈴木秀美が鮮烈に音楽に命を吹き込みます。