東京シティフィル 第280回定期演奏会:東京オペラシティ コンサートホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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梅雨 真っ盛りっていう雨。お昼前には小雨になったにもかかわらず、電車の徐行運転は続いていました。この頃の列車の運行の慎重さは 数年前の状況とは一変しちゃって こちらが焦ることしばしば。

そんな中、今日は新宿 初台へ。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第280回定期演奏会
≪ダイナミックに、そしてエレガントに≫

東京オペラシティ コンサートホール
14時~

指揮: 藤岡 幸夫
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ: ハオチェン・チャン


プログラムに指揮者、ソリストと あまりに地味すぎるので ガラガラを予想して、今日は当日券。C席3200円で聴いてきました。

最初の曲は
🎵J.ハイドン:交響曲第49番 ヘ短調「受難」
今日の目的は もちろんこの曲。武蔵野のホールで行われた 古楽器ファミリーの来日演奏会と天秤にかけて、やっぱりハイドンを選んだ次第。
この曲は昨年 Kフィルで あまりに酷い演奏を聴いたので、その口直し。因みに 今日の藤岡さんは そのKフィルの首席指揮者。
今回はチェンバロを入れた10型編成。

第1楽章の冒頭の主題の弦の美しいこと。昨年の厄払いだ!
演奏は繰り返しを省いてインテンポを貫いた実直なもの。そして第1楽章の最後を一斉に音を切るのではなく、低弦だけが半拍残るように書かれているスコア通りに弾かせるなど、実際の印象よりたくさん、楽譜に従ったもの。
第2、4楽章ではfとpの対比を明確に出していましたが、クレシェンドで繋いでいくことはなく、急激な音の変化が印象に残りました。また、最後の1音まで テンポを緩めることなく、一気になだれ込む あっさり型。
メヌエットでは、トリオでチェンバロがバスのリズムから外れて軽やかに転がった部分が、キラキラ輝いて素敵でした。

🎵S.ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
どうにも苦手な曲。スコアを見ながら聴かないと、私には理解不能。
オケの音とピアノの音が バランス良くブレンドされた 耳に優しい音となっていました。
私は チャンさんがアンコールで弾いた、プロコフィエフのトッカータの方が楽しめました。
拍手の圧力は、聴衆の入りに比べてかなり大きかったです。

休憩後
🎵R.ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 ニ長調
日本では滅多に耳にしない この作曲家。横浜市立図書館に交響曲のスコアとCDがあり、昔、スコアを見ながら聴いた覚えがある。
弦の美しさが際立った第1楽章。旋律がきれいで大戦中の作品とは思えない。
かわいい第2楽章は舞曲みたい。楽器ごとの掛け合いが楽しそう。
ゆっくりとした第3楽章はコールアングレの響きが印象に残りました。
第4楽章もそれほど大きな音で怒鳴ることなく、朴訥とした表情でしっとりとした音楽でした。

この曲では ハイドンと違い、表情豊かな音楽が聴けました。

決して 見栄を切るようなところの無い、実に素朴な作品でした。全体に広がるなだらかな田園風景のような、目立つことはないけれど 全体でみると素敵な景色ができている って感じの作品でした。

日本では イギリス音楽を聴く機会が少ないのが残念。そして 演奏されるのはエルガーなど一部の作曲家ばかり。
このようなプログラムの演奏会は本当に貴重。1階席の後ろがガラガラだったのが本当に残念でした。

帰りに外に出ると 冷たい雨。梅雨の寒暖差にビックリ。そして小雨なのに電車のダイヤが依然大混乱で、なんじゃこりゃ の行き帰りでした。