古典四重奏団 -ハイドンの部屋- ハイドン弦楽四重奏曲全曲演奏会 第9回:松明堂音楽ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~4つで飽和~

夏山登山の服装で大丈夫だろうと お昼前に外出したら、ちょっぴり寒い。予定した公園散歩は中止
して 室内で時間調整、といえば 新宿で中古CD屋。小さな紙袋が増えて、西武新宿線に乗って新所沢へ。


古典四重奏団 -ハイドンの部屋- ハイドン弦楽四重奏曲全曲演奏会 第9回

15時~
松明堂音楽ホール

古典四重奏団


最初の曲は
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 ト長調 作品33-5
How do you do?というあだ名がついているこの曲。冒頭 第1ヴァイオリンがチョロッと弾く旋律がそう聴こえるため。ところが、そのHow do you do? を訳して『ご機嫌いかが』という日本語の名前をつけているのを目にする。これって絶対におかしい。タイトルを訳したら、その意味がまったく伝わらないのだから。
その冒頭、滑っておりました。最初って難しいですからね。聴いていて ちょっぴり焦りました。
今日はホールの後ろの方、といっても5列目、なので、前回の一番前より格段にバランス良く聴くことができました。
この曲では第1ヴァイオリンが華やかに主旋律を奏で、他の3つの楽器がまとまって色づけしていくスタイル。
訴えかけるような第1楽章がもう少し熱くなって欲しかったかも。調子が上がったのが第2楽章からだったのが残念。
ちょっとした『語り』の入る第2楽章。音のまとまりは良かったのですが、語りで語りきれなかったのが残念。音楽的といえばそうなのですが…
変奏曲形式の第4楽章は民俗舞曲を聴いているみたい。しっかり繰り返しをしてくれましたが、欲を言えば、反復時に もう少し装飾を加えるなりの「遊び」が欲しかったなぁ~

次に
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 二長調 作品33-6
ト長調と同じ形式で書かれた作品。
第1楽章の冒頭、テーマを2回繰り返すところで2回目に装飾を入れるなど、表現を積極的につけてくるあたりは、すでにロマン派への方向性を見据えたスタイル。
メランコリックで美しい第2楽章は、霧に包まれた都会の朝の静けさの様。4つの楽器の響きのまとまりが絶品でした。
この終楽章も変奏曲。おどけた長調と、そこに挟まれる短調部分のコントラストがはっきりして、良かったです。
作品33っていうと『鳥』や『冗談』ばかりが演奏されがちですが、規模や充実度では、この2曲の方が上かもしれません。
ただ2曲並べると『似ているのでは』ということは否定できません。

休憩後
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 嬰へ短調 作品50-4
作品33から6年後の作品。
その間の進歩、スタイルの変化がよくわかりました。
第1楽章の前半で、チェロがソロで旋律を受け持ったりと、それまでの第1ヴァイオリン主導から 楽器ごとに旋律を渡したりと、巧みな技や 緻密な組み立てが出始めてくる。
短調の暗めの色合いも第1楽章の最後には、イ長調に転調して爽やかに終わるのは F.J.Haydnらしい。
ユニークなのは終楽章。こじんまりしたフーガで書かれています。今日は4つの楽器の緊密な呼応が見事に編まれました。

ここ 所沢の松明堂は小さいホール。現代楽器4本で音が飽和しちゃうくらいの贅沢な空間です。
家から所沢って 大阪のいずみホールくらいの距離感があるのですが、プログラムと良心的すぎる料金なので、文句なく行っちゃいます。

今 帰宅をして、今日の掘り出し物の買い物、ソレールの2台のオルガンのソナタ(協奏曲)を聴いてます。90年代前半に日本盤で出ていたなんて知らなかった。岩手に住んでいた時代。レコード芸術をしっかり買っていたのですが… 爽やかで素敵です。