横浜古楽の秋-Ⅰ山手プロムナードコンサート第27回:神奈川県立音楽堂 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~多彩な…秋~

台風は南にそれてくれた。
深夜の地震に続いて、朝方 激しい雨。明るくなってからは小雨模様で 静かになった。
おやつの時間までおとなしく家でのんびりしてから、雨上がりの空気の中をゆっくり歩いてお出掛け。

横浜古楽の秋-Ⅰ
山手プロムナードコンサート第27回

16時~
神奈川県立音楽堂

指揮とチェンバロ:渡邊 順生
ザ・バロックバンド


日本の古楽界の錚々たるメンバーが集まりました。

今日のプログラム
🎵J.Sebastian Bach:ブランデンブルク協奏曲 全曲

16時開演ですが、プレトークが15時15分~というので 早めに到着。プレトークは朝岡聡さんかと思いきや、今日は安田和信さん。9月の下野楽遊でもお話された安田さん、古楽系ではわかりやすい説明がいい。今回は ソロで出てくるオリジナル楽器のお話。実際に奏者が演奏して、音を聴けたのは良かったのですが、せっかく舞台に出るのだから、演奏者のひとことも欲しかった。そしてチェンバロの説明がなかったのが残念。ジャーマンとイタリアンらしき2台の楽器が舞台があったのだから、音色や構造の違いなども…

多彩なソロが楽しい、ブランデンブルク協奏曲全曲演奏会は、先々週、いずみホールでの素敵な演奏を聴いたばかり。比較はいけない、と 思いつつ、どうしても比較してしまう。

今日の曲順は
1→3→4→5→6→2
座席は6列目 やや右手。前の席の傾斜が急なこのホールでは、この位置は舞台より高く、私的にはベストの列。またまたスコア持参で行きました。

🎶ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調
ピッコロヴァイオリン:竹嶋 祐子
オーボエ:尾崎 温子
ホルン:下田 太郎、藤田 麻理絵
ヴァイオリントップ:山口 幸恵
ブランデンブルクの中では 私が一番聴かない曲。
第1楽章から安定したホルンの 充実した響きが素晴らしかった。
第4楽章ではポロネーズでの浮き立つようなリズム、第2Trioのホルンの美しい響きが絶品でした。
オリジナル楽器の不安定さを感じさせない演奏が見事でした。

🎶ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調
先々週に続いて 弦楽合奏の魅力を堪能させてもらいました。今回のメンバーの3人×3パートとバスとの全員の呼吸がバッチリ。楽器毎の掛け合いが面白いくらいに立体的で、この曲の魅力を存分に描き出していました。
第2楽章はヴァイオリンを中心としたカデンツァを挟んで、鮮やかな明るい音色のヴァイオリンが駆け回る第3楽章。完璧なアンサンブルに圧倒でした。

この曲では ヴァイオリンの弦が切れるハプニングがありましたが、手際よいリカバーで 演奏が止まらずにすんで ホッとしました。

🎶ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調
リコーダー:太田 光子、江崎 浩司
ヴァイオリン:山口 幸恵
この曲集の中で一番好きな曲。なんといってもリコーダーが2本 メインで入る曲なんですから。
古楽器の温かい音色にリコーダーが美しく溶け合い、リコーダーとソロヴァイオリンの呼吸もピッタリ。一体感のある演奏は爽快でした。
第1楽章はインテンポで天翔けるような演奏で進みましたが 、第3楽章では フレーズ毎にそれぞれを濃い表情で描き分けていました。

休憩後は
🎶ブランデンブルク協奏曲第5番 二長調
各パート1の7人編成。
フラウトトラヴェルソ:菅 きよみ
ヴァイオリン:渡邊 慶子
チェンバロ:渡邊 順生
ソロを生かすというより、7人のアンサンブルがしっかり決まった演奏が聴けました。
フラウトトラヴェルソが抑え気味だったことと、ソロヴァイオリンの音が 安定しなかった感が残念でした。

🎶ブランデンブルク協奏曲第6番 変ロ長調
ヴァイオリンの抜けた弦楽合奏の地味な曲。こちらも各パート1の8人にチェンバロの渡邊さんが入った編成。ガンバはヴィオラの深沢美奈さんとチェロの武澤秀平さんの持ち替え。
ここでも 第3番の協奏曲と同様に、緻密なアンサンブルが聴けました。特に、持ち替えのガンバが見事でした。
ただ この曲でも 一部のパートでちょっぴり音程が不安定だったのが 惜しかった。

最後に
🎶ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調
トランペット:ガブリエーレ・カッソーネ
リコーダー:太田 光子
ヴァイオリン:山口 幸恵
今回はもちろん ナチュラルトランペットを使用。超高音域が求められているこの曲を、ナチュラルトランペットで正確に吹くのは大変。
しかし カッソーネさん、それは安定した音でこの曲を吹ききりました。第3楽章でちょっぴりお休みした箇所がありましたが、お休みしても耳にはまったくわからない箇所だったので、そのような扱いにしたのかもしれません。
素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれた第1、第3楽章。3つのソロ楽器の美しい綾がつづられた第2楽章。プログラムの最後にふさわしい、明るく派手な曲を とても緻密な演奏で締めることができました。

今回 すべての曲で舞台に出た、チェロのエマニュエル・ジラールさん、コントラバスの諸岡 典経さんは、ともに表情豊かで アグレッシヴな演奏が 最高でした。

帰宅したら楽天が日本シリーズ対戦中。もちろん最後まで応援。優勢だったのに負けてしまい、残念。
明日は仙台で、大学女子駅伝と日本シリーズ。
芸術の秋スポーツの秋。
あとは 食欲の秋。