大阪フィルハーモニー交響楽団 第454回定期演奏会:シンフォニーホール  | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~真逆の代役~

冬晴れの首都圏。
15時30分発のJALで伊丹へ。
今日は北からの雲が多く流れ込んでいましたが、富士山と富士川がきれいに見れました。その後 雲が切れた瞬間、下に見えたのは 法隆寺。
時間通りに着いたのは、JALだから。

久しぶりに伊丹市内を散歩。
その後、大阪市内でカレーの夕食。


大阪フィルハーモニー交響楽団 第454回定期演奏会

19時~
シンフォニーホール 


この演奏会、当初は ゲルハルト・ボッセ先生が指揮される予定でしたが、体調不良ということで 残念ながら半月前に、大植 英次 音楽監督に変更。
それに伴い、メインの曲が F.Mendelssohnの『スコットランド』からL.van Beethovenの『英雄』に変更になってしまいました。

オケのメンバーが入って来て驚き。配置がユニーク。
『内側2プルト』が『すべてヴァイオリン』。下手側が第1ヴァイオリン、上手側が第2ヴァイオリン。つまり指揮台をヴァイオリンが囲んでいるかたち。
ヴィオラは『左右の』ヴァイオリンの後ろの手前側、舞台寄り、(つまり普通なら第1ヴァイオリンの3、4プルト目)に3人ずつ。
チェロとコントラバスは『左右の』ヴィオラの内側に2-1で配置。つまりヴィオラ以下を、左右分けて配置したかたち。
第1ヴァイオリンの多くなっている2人を木管楽器の位置に置いた 10-8-6-4-2。

最初は予定通りのプログラムで
🎵F.J.Haydn:交響曲第92番 ト長調『オックスフォード』Hob Ⅰ.92

速めのテンポでサバサバいくのかな~ と思いきや、配置を変えるだけあって なかなか凝ったものとなっていました。
左右から響く低弦で弦楽器の響きが安定する。ヴァイオリンは第1と第2を同等に扱うので、響きが鮮やかになります。
第1楽章では再現部の真ん中あたり、オーボエとファゴットが2回下降音型を吹くところ、そこまで全休符での多少のテンポの弛緩があっただけのインテンポで走ってきたのに、ここを「Adagio」。
意味不明でしたが、楽しめました。
第3楽章 メヌエットは 後半も反復する律儀さ。私は対称的構成の面から、繰り返し賛成派ですが、同じ繰り返しを演奏にするのはイマイチ。
第4楽章は冒頭、チェロの伴奏がソロの部分をfで アンサンブルとの音色を強調したのはさすが。 コーダの直前、ホルンの長い持続音に 意図的に割れる音を使ったりと、音色のこだわりを楽しめました。

F.J.Haydnとしてはボッセ先生と対照的な異端児的解釈でしたが、堂々とした自信を持った演奏で聴くと、納得させられちゃいます。

後半は
🎵L.van Beethoven:交響曲第3番 変ホ長調『英雄』作品55
オケの配置を 普通の両翼配置に直しての18型。
弦楽器にダイナミックな表現を要求していく。
第1楽章は速いテンポで颯爽としたスタイル。提示部を繰り返し。
第2楽章がビックリの遅いテンポ。オケの綾織りを明瞭に聴かせてくれました。
そして第4楽章。私のちょっぴり苦手な楽章なのですが、1つ1つの変奏曲で思いもよらないバランスでの 弦楽器の音のリレーにゾクッとさせられっぱなしでした。

大植さんの音楽を初めて聴きました。ちょっぴりアクが強めですが、そこを楽しめれば なかなかイケる指揮者って感じです。

ボッセ先生、もう一度 指揮台に立って F.J.HaydnやJ.Christian BachやF.Mendelssohnの 温かい音楽を聴かせて欲しいです。

大植さんの代役、楽しめましたが『スコットランド』を変更するのは…