古典弦楽四重奏団 F.J.ハイドン弦楽四重奏曲シリーズ:松明堂音楽ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~冗談じゃない~

今朝の神奈川新聞に 写真入りで ミューザ川崎の天井大崩落について、かなり重症とのこと。その原因が グルグル螺旋形の客席で、揺れの歪みが不均一になるから… とか。それらをしっかり分析してから、公演中だったら大惨事になったのですから、工事開始になるので、12年度いっぱい、再来年の3月 まで、お休みとするらしい。
音はもちろん大切ですが、おしゃれな感覚を優先した設計が仇になったのでは。おしゃれでも事故が起こったら冗談で済まされませんから…
安い席でも音が良いホールだっただけに残念。

今日1日暑かった首都圏。
電車が節電で軒並み空調ストップ。冷蔵庫みたいな電車より、窓を開ける方が好きですが、今日 長袖を着てしまった私には誤算。
西武線に乗って、新所沢へ。


古典弦楽四重奏団 F.J.Haydn弦楽四重奏曲シリーズ

15時~
松明堂音楽ホール


前回までの珍しい作品のワクワクから変わって、今日からはF.J.Haydnの充実した、比較的知られた作品群に入ります。

前半は「ロシア四重奏曲」と呼ばれている曲集から
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 ロ短調 作品33-1
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 変ホ長調 作品33-2『冗談』
これら2曲は 明るく楽しい旋律と、躍動感いっぱいのリズムが魅力。
第2楽章がスケルツォで短く簡略な楽章。ゆっくりな曲が第3楽章に配置されているのがこの曲集。演奏時間が 長-短-長-短と良いバランス。
変なおふざけで有名な『冗談』は、変ホ長調の柔らかい響きが美しい。ただ 今回の演奏は、何回も終わるようにみせながら 肩透かしをくわせる 最後の場面の演出が まだまだ。肩の力を抜いた作品は 肩に力を入れちゃあつまらない。『冗談じゃない』冗談では…
もちろん演奏「そのもの」は文句なく素晴らしかったのは言うまでもない。
この曲集は どうみても演奏者4人でおしゃべりしながら演奏する楽しみを表した作品って感じ。

後半は「プロシア四重奏曲」と呼ばれている
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品50-1
🎵F.J.Haydn:弦楽四重奏曲 ハ長調 作品50-2
こちらは「作品33」に比べて響きが充実。そして第2楽章がゆっくり、第3楽章がメヌエット。
今日はホール後方(と言っても90人しか入らない小さなホール)だったので、前半との響きの差が歴然。ハーモニーの素晴らしさを感じることができました。
特にどちらの2曲も、ゆっくりした夢みるような第2楽章が特にきれい。そして終楽章のユーモアあふれる掛け合いは、作品33を彷彿させる。
ゆっくり のんびり聴くのには最適。でも あまりに地味で、実演はもちろん、CDでもお目にかかりにくい作品。噛めば噛むほどに味が出てくる作品。このように作品33と比較して聴くと 充実さは際立っているのに、知名度はまったく逆。やっぱり表面的なものが優先するのでしょうね。

帰りの西武新宿線で、高田馬場で降り損なって 新宿まで行ったために、寄り道してしまい 散財しちゃいました。古典派のCDレパートリーが更に充実しました。