~お気楽 ではなかった~
19時~
東京オペラシティ 近江楽堂
オーケストラ・リベラ・クラシカのトップ奏者3人の小さな音楽会
フルート:菅きよみ
ヴァイオリン:若松夏美
チェロ:鈴木秀美
曲は
🎵F.J.HAYDN:フルートトリオ全6曲
小さいホールでアットホーム。
曲は6曲のセットを順番に全曲演奏。
貴族が「弾く」目的のために書かれた作品。
半分以上が、以前に書いた オペラ『月の世界』や バリトン三重奏曲からの編曲。その他の転用の由来がわからない曲も、新たな作品というよりは、紛失した作品からの転用の可能性が考えられる、というか、その方が自然。当時の宮廷での人気の楽曲を気軽に演奏できるように、ハイドンが?、編曲したのであろう曲集です。
そんなお気楽な作品。
旋律もはっきりとした長調中心で、睡眠不足で聴いたら一発で寝そうな曲たち。
ところがどっこい、今夜は違った。
極めて充実した演奏でした。
フルートが完璧。キーが6つの、断面が円形(4本からなる)の古典楽器を使用。柔らかい息遣いはメリハリがきいて、でも 音がキツくならないから、非常に耳に心地よい。
ヴァイオリンはここでは中音域を担当。D線やA線で、楽器全体から地味な音が良く鳴る。 これぞバロックヴァイオリンの音色って感じで、私はゾクゾクしちゃいました。キンキンの高音を鳴らす現代楽器とは、まったく違った音色。
チェロは鈴木さん。リーダーでまとめていました。しっかり支えながら楽器の会話をしっかり受けとめていました。それは司会の役割でした。
その様な演奏を聴くと、このお気楽作品が、芸術の薫り高い作品に変貌しちゃいます。
アンコールは「皆さんどれを聴きたいですか~」ってリクエストを受けて演奏してくれました。
私も5つ程度のCDを持ってますが、こんなに充実した演奏は聴いたことがなかったです。否、私が真剣に聴いてなかったのかも。
なおこの3人は、このF.J.HAYDNのトリオを録音しています。私も持ってます。もう一度 真剣に聴いてみます。
今夜は本当に素晴らしい音楽会。F.J.HAYDNを真剣に聴くべしと、3人からパンチを食らった気分でした。