草津夏期国際音楽アカデミー&フェス:オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャと仲間たち | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は朝、ちょっぴりゆっくり出発して、都内へのラッシュ時間より微妙に遅らせたタイミング。なのでグリーン車で武蔵小杉から座れました。高崎線直通電車に乗って、高崎へ。
高崎駅の待ち時間で朝食。駅構内でイートイン対応のパン屋さんが、ちょっぴり高いけど、なかなか美味しい。『上州名物』にひかれて買ったソースカツサンドは甘めのソースが絶妙でした。
高崎から、吾妻線直通電車で長野原草津口。バスに乗り換えて草津温泉へ。

今日(明日)の宿は昨年も泊まった、バスターミナルから近い 格安温泉旅館。荷物を置いて 温泉とお昼。両方を一気に。

曇ってはいるものの、雨が降っていないので、2つを一緒に満足できる、大滝の湯へ。

ゆっくり露天風呂につかって、お昼に(また『上州名物』にひかれて)ソースカツ丼。名物に弱い私のお腹は大満足。

シャトルバスに乗って、コンサートホールへ。


第39回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル


オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャと仲間たち
≪バロック音楽は自然のめぐみ≫

16時~
草津音楽の森国際コンサートホール 


紹介文は
『ヴィヴァルディをはじめとしてイタリアのバロック音楽の表題は自然を写したものが沢山です。毎年楽しみのペルージャの室内オケと草津のソリストたちの共演になる夕べです。』

弦楽合奏:オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャ

開場のあと、ここでのコンサートは毎回、アルプホルンの演奏で迎えてくれます。今日は小雨が降ったり止んだりだったので、ロビーのドアを開放するスタイルでした。


コンサートは3列目の中央で聴きました。3列目まで平坦なので、来年は4列目より後ろで選ぶことを忘れないようにしないと…

最初に 恒例、(事務局長の)井阪さんのお話。ペルージャのオケが一昨日に来日して、前半の外部のソリスト(講師)との合わせの曲のリハは1日だった…等。裏話系。

その講師として来られている先生方のソロが聴ける前半。最初の曲は
🎵A.ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ長調 作品10-3 RV.428「ごしきひわ」
フルート:ディーター・フルーリー
チェンバロ:クラウディオ・ブリツィ
フルーリーさん、冒頭からオケと一緒に吹きはじめました。オケの落ち着いた音色の中に溶け込ませ、ソロの箇所で突き上げるように現れる瞬間の鮮やかなこと!
その後のフルーリーさんのソロは、きわめて描写音楽的な自由な表現。2羽のゴシキヒワが舞台の上を飛び回っていました。なので、演奏する機会の少なくない作品なのに、オケが合わせるのに苦労している様子が…
井阪さんのお話を聞いていて良かった?
フルーリーさんを聴く演奏。

続いて
🎵A.ヴィヴァルディ:ファゴット協奏曲 ホ短調 RV.484
ファゴット:岡崎耕治
チェンバロ:C.ブリツィ
私の記憶に無い作品でした。
第2ヴァイオリンが主題提示をしっかり確立させて音楽を作っていく第1楽章など、よーく聴く(見る)と、意外と発見がある作品。でも、音楽じたいが どうにも地味。ファゴットの岡崎さんも安全運転系で、ヴィヴァルディの作品でジェットコースター的なスリリングさを求めてしまう私には、ちょっぴり…

続いて 今日一番期待をしたのが、これ!
🎵S.B.ポラドフスキ:フルートとハープのための協奏曲(1959)
フルート:D.フルーリー
ハープ:篠﨑史子
20世紀の ポーランドの作曲家(1902~67)。井阪さんのトークでは、前衛とは無縁の聴きやすい曲で、日本初演とのこと。
フルートとハープなので あまりに突飛なことにはならないだろうと思っていましたが、その通り。現代的な響きが組み入れられるも、全体的には 新古典的な響きと旋律が 今日のプログラムには新鮮なコントラストで良かったです。
ちょっぴりオケが、冒頭のヴァイオリンの揺らめきから始まって、あたふたするような感じがしたのは、気のせい?
でも、楽しく聴けました。
古典派中心に聴く私には、それ以上のコメントはできません😅

前半最後は
🎵A.マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調
オーボエ:トーマス・インデアミューレ
チェンバロ:C.ブリツィ
この有名な作品、私は関西方面で10回以上聴いている実演でもお馴染み。私にはその演奏が刷り込まれているので、全く異なる今日の演奏がとても面白かったです。
それはオケの色合いの違い。関西のオケは、水の都 大阪らしい 水平に揃ったオケの響きですが、今日のオケは、それぞれの楽器毎にうねうねとした波、それは水ではなく、ブドウ畑のような丘陵を思わせる生き生きとした音。
そしてインデアミューレさんのソロは、自由闊達な装飾をどんどんと付加した華やかなソロ。
愉しく、めちゃ楽しい、マルチェッロが聴けました。

ここで休憩。チケット売り場で27日のチケットを訊くも、完売で当日売りも出さないとのこと。その日は『鉄』に決定。

後半はオケの団員のソロを聴く作品が2曲。つまりリハがしっかりできているであろう曲。まずは
🎵A.ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ短調~合奏協奏曲集『調和の霊感』 作品3 第11番 RV.565
ヴァイオリン:パオロ・フランチェスキーニ
ヴァイオリン:大西 梓
チェンバロ:C.ブリツィ
これは聴いたことのある作品。
最初から 前半とはまったく違う、弾力のある音。ソロの2人の音がヴィヴァルディの音楽の特徴の、畑(オケ)から元気に芽を出した植物(ソロ)ってイメージがぴったりな一体感。ピリオド楽器とかモダン楽器とか、余計なことを忘れさせるような生き生きとしたヴィヴァルディが聴けました。文句なく 今日の白眉はこれでした。

そして今日のメインが
🎵A.ピアソラ(L.デシャトニコフ編曲):ブエノスアイレスの四季(春-夏-秋-冬)
ヴァイオリンのソリストはオルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャのメンバーからの4人が、シーズン毎に順番に分担しながらの アットホームな演奏で聴けました。
この作品、プログラムの解説によると、四季をどの順番に並べても良いらしく、秋から、冬から、それぞれ開始するという理由もあるらしい。今回は春から。
この曲、夏や冬にはヴィヴァルディの『四季』の断片が見え隠れするのが面白い。またパッヘルベルの『カノン』も聴こえてくる。
そんな有名なバロック音楽の風を感じる作品、私は『春』の最も現代的な響きが愉しく感じました。春は植物が芽吹く季節。たくさんの植物が一気に 無秩序に芽吹く瞬間のカオスそのもの。それがだんだんと強い種や個体だけが 必要な太陽の光を得て、成長することができ、そこで無秩序から秩序の形成が確立。それが夏の風景。だから、この作品の『春』のカオスは なかなか魅力的に響きました。ヴァイオリンが駒の反対側の弦を弾いたりと、なかなか衝撃的でした。
4人のソロもオケと愉しく音楽を作っている様が感じられました。そんな中、最後の冬を弾いた コンマスのフランチェスキーニさん。途中で音楽を止めて、やり直しをする場面が!私にはなぜかはわかりませんでしたが、演奏をし直す番号を指示して弾き直し。もしかして CD用のライブ録音のため?
でも そんなことは些細、否、しっかりとした演奏を届けるという姿勢とも感じられました。

終演後は大きな拍手に包まれました。

コンサートホールからシャトルバスで草津温泉バスターミナルまで。


なんと今年は このバスターミナルまでのシャトルバスが長野原草津口駅まで行く設定になりました。これなら確実に当日中に横浜まで帰宅できるじゃないですか!嬉しい設定ですが、月曜日のチケットが取れないので 今年は利用することが無さそう。来年以降も是非 設定して欲しいです。

草津温泉バスターミナルに着くと、日暮れのあとの夕焼けが綺麗。せっかくなので湯畑が見える温泉神社まで行くと、ちょっぴり方角がずれていて夕焼けは見えませんでしたが、ライトアップされた湯畑がキラキラ光っていました✨


旅館はクーラー無しですが、窓を開けて 扇風機をかけたら、小一時間で涼しすぎて扇風機止めました。掛け流しの酸性温泉にもう一度入って温まり 布団を掛けてゆっくり休みます♨️