上岡敏之指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団:三重県文化会館大ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

3.11
7年が経ちました。
日本は造山帯なので、地震や火山災害、土砂災害はあって当然。それを無いかのように伝える方がおかしい。阪神淡路大震災は 六甲山ができたことを考えれば あって当たり前。
東日本大震災で、やっと 大きな災害について、適正な情報を伝えるようになってはきたものの、時間軸の違いについてはまだ『人』中心。『地球』の時間の進み方を知る必要があるのでは… 高度経済成長からの学習を省みる必要があるのでは?

そんな今日は 天王寺から。床屋で頭を軽くして、18きっぷで関西本線を東へ。目的地は、津。途中で日本屈指の月ヶ瀬梅林が見頃だったことに気がついた のですが、すでに梅林まで往復する時間は無く、来年以降の課題に…
柘植から先、暮れには路盤が崩れて不通だった区間。災害復旧も完了して、加太隧道

↑加太隧道 亀山側 隧道幕のあとがあります

中在家信号場あと

↑中在家信号場のホーム跡とスイッチバック跡

気動車の最後方で確認しながらの楽しい鉄の旅をしました。
時間が少し余っていたので 関で途中下車。街並み散策と お昼。


お昼に入ったお店で、わらじかつ重。


ここは記憶にあるお店でした。関宿は少なくとも3度目の訪問ですから…

亀山ではいつも(名古屋方面)とは逆の気動車に乗り換えて、津へ。


上岡敏之指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団

16時~
三重県文化会館大ホール

指揮:上岡 敏之
ヴァイオリン:大江 馨
新日本フィルハーモニー交響楽団


HPの紹介文は
『2016年の9月、第4代音楽監督に就任した上岡敏之が再び三重へ。
ドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲のソリストには、第82回日本音楽コンクール第1位など様々なコンクールで入賞歴があり、現在、日本の若手ヴァイオリニストで最も注目を集める大江馨が三重県初登場。
メインのブラームスの交響曲第1番はベートーヴェンの交響曲の正統後継者と言われるが、上岡と新日本フィルがどのようなブラームスを聴かせてくれるのかこうご期待。』

今日は3列目の中央やや左手、ソリストの前の位置で聴きました。

オケは上手手前にヴィオラを置く通常のスタイル。
コンマスは崔さん。

前半は
🎵ドヴォルジャーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53 B.108
第1楽章冒頭、大江さんのヴァイオリンが なんと温かみのある音なんだろう。そのひなびた感じはドヴォルザークにピッタリ!最初の1音で惹き込まれました。オケもそれほど主張することなく、ヴァイオリンにつく感じがいい。とっても優しい音楽。どうにもシューマンのヴァイオリン協奏曲に似ているように感じてしまうのは、私岳でしょうか?

続く第2楽章に入ると、ソロヴァイオリンが木管楽器の暖色系の色合いに柔らかに絡まりながらの綺麗な音楽。ホルンの田園風景を彷彿とさせられる響きもきれいでした。

そして明るいロマ風の私の大好きな第3楽章。民族色濃く崩すこともなく、楽譜を真正面から見据えたような堅実な音楽づくり。若々しくて好感の持てる演奏でした。

ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の実演って記憶にない。初めて聴いたのかもしれません。

アンコールは
🎵バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番~ラルゴ
3.11に合わせたかのような 祈りの音楽として響きました。仙台出身の大江さんだからは詮索し過ぎ?

休憩時間はロビーで上岡さんのファンの方々とご挨拶。首都圏から三重まで来ちゃう方、私以外にもいるんですね。

🎵ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
この交響曲はブラームスで最も親しくしている作品。中学生の時、ベーム/ウィーンフィルのテレビ中継で感動し、それをFMでカセットテープに取って何度も聴いていたのですから。
第1楽章では、チェロやコントラバスの低音重視のバランスがユニークで、かつしっかり決まりました。私的にはこれならコントラバスを後方雛壇上正面に並ばせた方がいいかも、と思うくらいのコントラバスの響かせ方。
上岡さんの今日の演奏は、新しい発見があとからあとから… 
まるで集中力を試されているかのようなブラームス!
目から鱗のブラームス!

第2楽章になると弦の音色が冴え渡る!上岡さんの指揮だとちょっぴり縦の線や音の膨らみが揃わなくなることが ちょっぴり気になることもあったのですが、この楽章(から)は弦が大きなひとつの楽器のようにまとまって響いてきたのには、驚きました。
ここからは上岡さんの響きのブラームス!

第3楽章も速めのテンポで流れるよう。中間部もそれは同様。もっとコントラストをつけてもいいのに…とも思うくらい。
美しすぎるブラームス!

しっかりと間を取ってから入った第4楽章も上岡さんの語法がいっぱい。
序奏の荘厳さ。弱音の美しさがピカイチ。
アンダンテのホルンも伸び伸びとした響きでホールをアルプスの牧場にしてしまう。思わずカウベルを鳴らしたくなるくらい(アルプス交響曲じゃないけど…)。
アレグロの有名な主題もとても丁寧な表情づくり。主題の3~4小節目をpにするのは上岡さんらしい。1回目の主題は遅めのテンポですが、展開部で2回目が出てくるところからはテンポアップして畳み掛け、楽器ごとの掛け合いの応酬を明確に聴かせてくれました。この緊張感が この楽章の内部だけでも とても良いメリハリとなりました。コーダまで一気にブラームスのオーケストレーションを丸裸にするように突き進みました。
骨組みの頑丈なブラームス!

今日の新日本フィル、本当に素晴らしかった✨
と、ここで満足してちゃいけなかった…


アンコールはなんと
🎵ベートーヴェン:交響曲第9番~第3楽章
3.11に合わせたかのような選曲。
速めのテンポですが、こちらもアンコールとは思えないくらいの細かな表情がつくられた演奏。特に上岡さんの第1ヴァイオリンへの指示に対する的確な第1ヴァイオリン全体の音のまとまりは、このオーケストラをしっかりと掌握したからこその反応。
音のかたちを丸くするホルンが素敵で、さらに古部さんのオーボエの 弦の中に刺繍のように差してくる美しい表情は、絶品で新鮮。
ファンファーレのあと、弦が美しい旋律を奏でるところ、特に2回目のあと、上岡さんはフワッとした指揮をされて、見ている私が「これではテンポがわからない!」と焦ってしまうも、ピチカートでテンポを決めるチェロが 完璧に揃ったところで、ブラームスに続いてオケと指揮者の相性の良さがしっかりと感じ取れました。

最期の上岡さんの平安を願う音楽、心に沁みるものがありました。これ、アンコールを超えるレベルでした。

終演後、新日本フィルの事務局の方に 感動のお礼だけ申し述べて、津駅へ。

津から名古屋に移動して新幹線で帰ろうとすると、新幹線前のコンコースが大混雑。レジャーシートを敷いて飲み食い始めているグループも!<1ヶ月早い花見か?>

前回、名古屋から新幹線に乗ろうとしたら 30分くらい遅れていて… でしたが、今日はレベルが違いそう!

指定席は絶対にためなので今日は自由席の回数券を地下の金券屋へ買い出し。夕食はホームのきしめんに決めてホームに上がると、自由席のあたりはホームに人が溢れている!ついでにきしめん屋も並んでいる状態。どうしようか…と思っていたら、発車を待つ『のぞみ』のあと『こだま』の表示があったのですが、ホームの放送で『こだま』のあとに小田原停車の『ひかり』が入るとのこと。きしめんに並ぶより、これは5号車に並ばなくては…と、そこに並と すぐに『こだま』が到着。みんな『こだま』に乗ってくれて、私はが一番前。
21時少し前に90分遅れの『ひかり』に余裕で座って新横浜へ。ただ、あまりに順調だったので、きしめん食べる時間が取れなかったのが、残念。

それにしても、名古屋から新幹線に乗る時、良く遅れるなぁ~
新横浜、到着!