仙台フィルハーモニー管弦楽団 第317回定期演奏会:2日目 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日は音楽会で悩んだ日でした。なぜなら、OEK定期は私には絶対に外せないプログラム。さらに仙台フィルでも常任のヴェロさんの最終公演に、私の聴きたい曲が重なっている。この2つの地方オケが手招きしているにもかかわらず、首都圏では、『ノルマ』と神戸市室内合奏団の公演。ついでに中京圏でも北欧プログラムの公演もあったりと、半年前は どうチケットを取っていこうか、本気で悩んだ日なのでした。
で、結局、月曜日、上岡さんのピアノリサイタルを泣く泣く諦めて サントリーホールのOEKに行くことにして、今日は 結局、仙台フィルにしました。

新幹線で仙台に到着。青春18きっぷで向かう時間が取れなかったのは 仕方のないところ。まずは10時から、チケットぴあでLFJの一般発売のチケットを取ろうとしたのですが、並んだ順番が5番目だったので 小さなホールで取れなかったコンサートはやっぱりダメ。

お友だちと合流し、まずは仙台駅前で楽天の梨田監督と記念撮影📷


そして仙台なのに コメダ珈琲へ移動してモーニング。ランチの時間になったので、シロノワールとミルクセーキで締め🐮


地下鉄で旭ヶ丘へ。


仙台フィルハーモニー管弦楽団 第317回定期演奏会(2日目)
 
15時~
日立システムズホール仙台・コンサートホール

指揮:パスカル・ヴェロ
ピアノ:横山 幸雄


この公演は、仙台フィル常任指揮者、ヴェロさんの最後の演奏会。ヴェロさんは昨年、東京公演を率いて大成功に導くなど、仙台フィルとは相性抜群。初めてのヴェロさんの定期演奏会から 何度も外れなしで楽しませてくれる最高の指揮者。

今日の仙台フィルは12型で、ヴィオラを上手手前の通常配置。
コンミスは神谷未穂さん。サイドには西本幸弘さんというコンマス2人体制。

そのため、今日のプレコンサートは弦の首席による弦楽アンサンブル。
🎵サティ:ジュ・トゥ・ヴ
花卉市場コラボ企画の「くらしに花を、そして音楽を」
の今月は桜のオブジェの前。めちゃ豪華で芳醇なサティからスタート。



今日は早めにチケットを取ったので、前から2列目の中央ブロックの上手寄り。ヴィオラトップより内側の位置だったので、前よりではあるものの、問題なし(仙台フィルの定期会員だった時の席が前から2列目だったので!)。

前半は間に休みを置かずにまとめての演奏。そしてピアノソロもあったので、ピアノが協奏曲のように置かれてしまいました(2列目だから横山さんのお顔も見えて、ピアノの上からの音もしっかり聴こえました)。ダンディなら、ピアノはオケの中に入ると思っていたので…
🎵サティ:グノシエンヌ第1番*、第3番(プーランク編曲)、第2番*
[続けて演奏]
🎵サティ:ジムノペディ第3番(ドビュッシー編曲)、第2番*、第1番(ドビュッシー編曲)
[続けて演奏]
🎵ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲 作品25*
*はピアノ(横山さん)が演奏。
グノシエンヌ第1番は横山さんのソロ。私のイメージするサティのふにゃふにゃしたというよろしくないプレジュデスを叩き壊すかのような、健康的なサティ。そのあとの2曲のピアノソロ曲も めちゃ面白く聴けました。
オケへの編曲の3曲。こちらは最初のグノシエンヌ第3番を聴いての感想は、私のイメージするサティのオケ曲は、スライムみたいにねばねばしているって感じだったのに、ヴェロさんのサティは、サラサラとした水、そう、瑞々しい音楽。今日のサティは 私のサティの概念を大きく変えてしまうもの。
続くダンディは私が実演で聴きたかった作品。今日の目的の曲がこれ。
第1楽章では山人の歌が霞みがかった遠くから聴こえてくるような音楽。
かがり火に当たりながら山人の歌を聴くような、温かみのある第2楽章。
そして 山人とともにお酒を酌み交わしながら歌うかのような第3楽章。
同じ主題が繰り返されながらつくられていく曲の中でのコントラストが絶妙。そして 全体を通して、ピアノパートをくっきりと浮き上がらせた、ピアノメインの造型、これはピアノに近すぎたためかもしれませんが、ちょっぴり新鮮な音楽とした届きました。

横山さんのアンコールは
🎵ラヴェル:クープランの墓~メヌエット
後半を意識した選曲でしょう。横山さんのラヴェルは、極彩色とは対照的な まるで白黒写真を見ていて その奥にある色が浮かんでくるよう。
楽しめました。

後半も最初の2曲を続けて演奏。
🎵ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
[続けて演奏]
🎵ラヴェル:ラ・ヴァルス
6曲の小品からなる感傷的なワルツ。後半の2曲は ラ・ヴァルスの主題が聴こえてくる、兄弟のような作品でビックリ。
感傷的なワルツでは、木管のカラフルな音色や、弦楽器の繊細な響きが代わる代わる、愉しく聴けました。
そしてラ・ヴァルスの大きな安定した構築感のある音楽、今日、ここで初めてfを耳にできたようにも感じました。これはヴェロさんが強烈に引っ張っての ヴェロさんの音楽、って感じでした。

締めは
🎵ラヴェル:ボレロ
スネアソロは佐々木祥さん。チェロと第2ヴァイオリンの間、2プルト目の間でリズムを刻みました。
ヴェロさん、出の合図をしたあとは、腕を組み、次のパートに移る時に、顔をちょっぴり動かすだけ。最後、リズムが崩れるところで腕を動かしただけ。あの長大なクレシェンドを オケに全部任せたヴェロさんと仙台フィルの集大成の音楽。
完璧さを求めればひとことは言えますが、そんなことは些細。
ひなびたコールアングレのソロ、チェレスタに完璧に重なったピッコロとホルンの幽玄な響き、そして安定したトロンボーンのソロが、特に印象に残りました。


アンコールは
🎵シャブリエ:ハバネラ
ヴェロさんが「大好きな曲」と紹介して演奏しました。
静かでとってもお洒落な曲!
ボレロの高揚から心を穏やかに…

花束贈呈が今月で辞められる方とともに行われました。


指揮台とコンミスの前にマイクがあったので、お話があると思っていたところ、このあと ヴェロさんが袖からストールをかけて出てきたので何かあるぞ…と思っていたら、マイクを取り、神谷さんが通訳(と いうより このあとの説明)。
すると会場は唖然!

ヴェロさんの歌で
🎵『枯葉』
コントラバスの助川さんの伴奏。ヴェロさんはマイクを持っての歌。
有名なサビのフレーズのところでは、会場(とオケのメンバー)のハミングを誘っての歌になりました。


終わったあとは会場全体での、スタンディング オベーション。
感動のヴェロさん 常任最後の仙台の演奏会になりました。

終演後の団員によるお見送りもありましたが、そこにはヴェロさんも。仙台フィルファンの方々の長蛇の列かありました(私も並んでしまいました)。


感動の演奏会のあとは、お友だちと早めの夕食へ。長町一丁目まで移動して、じゃじゃ麺。


大充実の1日になりました。

ヴェロさん、4月からは仙台フィルの桂冠指揮者。
ぜひまた仙台フィルに!

※舞台の写真は、めちゃ面白い、仙台フィルのTwitterからの転載です。