大阪フィルハーモニー交響楽団 第516回定期演奏会:フェスティバルホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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お昼でお腹を満たしたので、花園駅からJRで大阪へ(京都駅で改札を1回出る方が安くなるの 知っていますか?)。


大阪フィルハーモニー交響楽団 第516回定期演奏会

15時~
フェスティバルホール


指揮:井上道義
ピアノ:アレクサンデル・ガジェヴ
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)

毎年恒例の井上さんのショスタコーヴィチ。
前から3列目の中央やや左というピアニストの手もしっかり見える位置で聴きました。

今日のコンマスは田野倉さん(事前に聞いていました)。

前半のプログラムは
🎵バーバー:ピアノ協奏曲 作品38
初めて聴く作品。20世紀後半の作品なので ちょっぴり不安もありましたが、心配不要でした。
3つの楽章からなる作品。
第1楽章の冒頭からピアノが派手に登場。元気いっぱいの音楽ですが、ピアノの休みのところも意外と多く、オケの存在感も十分。
ゆっくりとした第2楽章は、ハープとの対話で始まる。その響きはラヴェルのピアノ協奏曲に似ている感じも。耳に優しい音楽でした。
速い終楽章は5/8というユニークなリズムが面白かったです。このようなリズムは井上さんの独壇場。ピアノのみならず、オケからも生き生きとした音楽が楽しめました。

アンコールは
🎵ショパン:プレリュード 嬰ハ短調 作品45
私はてっきりスクリャービンかラフマニノフの作品かと思いました。私には神秘的で乾いた音楽として聴こえました。ショパンとは驚き!
もちろん私には魅力的な音楽として届きました。

休憩のあと、オケが出てくる前に井上さんがマイクを持って登場。恒例のおしゃべり。
🎤ガシェヴさんはまだ23歳!
🎤このプログラムは他のオケでは絶対にやらない(やれない!)
🎤ショスタコーヴィチの第2交響曲は21歳の時の作品。
🎤社会主義こそが理想と思っていた若いショスタコーヴィチが書いたことを理解して欲しい。
🎤CDで聴いても小さな音、大きな音が再現できない作品。
等々

そのお話のあとに
🎵ショスタコーヴィチ:交響曲第2番 ロ長調 作品14「十月革命に捧げる」
交響曲第3番とともに、なんと歌詞が舞台後方の上に、横書きで字幕が出たのがとても良かったです。
冒頭のpp、低音からヴァイオリンまで徐々に連なる蠢きが凄かった。実演でないとこれこそ耳に正確には届かないという音楽。
その後は各部分とも 速めでキビキビとした演奏。フレーズの中に後年、ショスタコーヴィチの音楽に必ずといってもいいほど出てくる動機が見え隠れ。ショスタコーヴィチの音楽そのものを感じられる。
そして後半、サイレンが鳴ると同時に合唱が参加。それまでの厳しい生活がこれからは豊かになっていくと歌い、最後に『レーニン』とシュプレヒコールを掛けて終わる。
驚嘆!

オケで少しの入れ替わりのあと すぐに
🎵ショスタコーヴィチ:交響曲第3番 変ホ長調 作品20 「メーデー」 
私的には第2番より聴きやすい作品。
こちらも比較的速めのテンポで 生き生きとした演奏。それぞれの部分での性格の変化をはっきり、明暗の対照がくっきりとした演奏でした。
こちらも後半 合唱が加わりますが、第2番と違って 最後までちゃんと歌。こちらの歌詞はメーデーを賛美するもの。
圧巻!

ショスタコーヴィチの15曲の交響曲のうち、最もレアな2曲を一気に聴くことができました。

来年度、井上さんと大阪フィルのショスタコーヴィチが組まれていないのが、残念。首席指揮者の任を降りてしまうからなのでしょうか… あと6曲 録音も残っているので、4~5公演(6番と9番が短い作品なので)続けて欲しいです。

終演後、お友だちと喫茶店でシフォンケーキと紅茶での反省会。お腹の満足度も高い1日になりました。