新日本フィルハーモニー交響楽団 #574 トパーズ<トリフォニー・シリーズ>:2日目 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

金沢は昨日から明日まで『百万石まつり』でしたが、タイミングがまったく合わずに、残念。


今朝9時の香林坊の気温は16℃。涼しすぎる北陸の旅になりました。
高速バスで小松空港へ。今まで気がつかなかったのですが、小松に向かう北陸自動車道って日本海の砂丘に作られたのですね。明るい時間に使っていなかったので初めて知りました。日本海が間近に見えました。

お昼前のJALで小松から羽田へ。
小松空港から羽田へは4回目。もう15年くらい前に 初めて乗った時、左側の窓際から外を見ていたら、なんと 能登半島から佐渡を見た先で右にターン。猪苗代湖上空から羽田にという飛行を楽しんだ記憶があります。私としてはアルプス上空の景色が見たいのですが… そのアルプス上空を通った一昨日は雲の中😥
今日は右の窓側。小松から飛び立った737は雲の上になるも、すぐに雲が切れれば長良川の上流域。すぐに濃尾平野を見ながら南下。来週行く名古屋市内が遠くに見えました。あとは伊豆七島の真ん丸い利島が見えればすぐに羽田。小松からはあっという間。

羽田から錦糸町に移動。

新日本フィルハーモニー交響楽団 #574 トパーズ<トリフォニー・シリーズ>

14時~
すみだトリフォニーホール

🎵ハイドン:オラトリオ『天地創造』

指揮:鈴木秀美
ソプラノ:中江早希
テノール:櫻田 亮
バス:多田羅 迪夫
合唱:コーロ・リベロ・クラシコ・アウメンタート


この数年、お馴染みになった清楚な声が魅力的な中江さんと端正な櫻田さん。そして重鎮、多田羅さん。そして合唱はラ・フォンテヴェルデ中心のソリスト級中心の声楽陣。このレベルならば、ソロも合唱の中に配置して、合唱の中からソロを歌わせるようなかたちでも良さそう。

オケは西江さんがコンマス。12-12-6-8-6のコントラバスが下手後ろの両翼配置。通奏低音はフォルテピアノで上尾さんが担当。どのようにアレンジして弾くかが 聴きどころ。
合唱は各パート15名の60人。

新日本フィルの『天地創造』といえばブリュッヘンの名演奏(だけど鍵盤ソロ奏者のおかげで年間ベスト10から外れた)がありますが、その時は チェンバロとフォルテピアノを弾き分けたものの、アリアの伴奏でのチェンバロが とてつもないことになってしまい、落胆したので、今日はそのリペンジにもなります。

今日は休憩を第2部のあとに置く、天地創造のお話を途切れることなく一気に聴かせるスタイル。私は『第2部と第3部の間に必ず休憩を!』が基本。第1部と第2部の間に休憩を入れて、第2部と第3部を繋げるのは、絶対におかしい!
もちろんハイドン指揮者はそんなことをしないですね(ブリュッヘンもそうでした!)。

序奏の真っ直ぐな弦の音の落ち着きから、いい。混沌ではなく整然としているけど…
今日のオケの合奏精度はとても高く、ビブラートを掛けないppから8分音符の刻みまで、ピッタリと合わせてきて、とても清々しい音で聴けました。

そしてそれを超える見事な音楽を作ったのが、合唱。今回、プログラムにはアマチュアの方も入っている旨も書かれていましたが、そんな感じはまったくしないレベル。第2部終曲の4部の合唱(とオケ)のバランスは完璧。鳥肌が立ちました。

歌手は中江さんは真っ直ぐないつもの清楚な歌唱。ちょっぴりホールがでかすぎたかもって感じ。
櫻田さんは最初は声が暖まりきれてないのかな…と思っていたら、第2部あたりからは伸びのある 明るい声をホールに響かせました。
多田羅さんはちょっぴりお年を感じるところがあり、残念。特にレチタティーヴォでちょっぴり苦戦するところがありました。あとは長い音から入るアリアの冒頭のところで走り気味でハラハラしたりも…

秀美さんの音楽作りは、極めて真面目。描写の音楽などは 大きく崩すくらいの大胆な表現で来るのかな…と思ったのですが、やはり客演だからそこまでは…ってことでしょうか。
ハイドンにしては大きめの編成~ハイドンが最後に公衆の前に出た天地創造の演奏会もこのくらい~なので、細かな表情づけは難しかったし、管楽器もすべての奏者が即興に慣れていないこともあるので、装飾も無しでした。
ただ、即興が自在にできる、やれる、上尾さんのフォルテピアノの音は 反響板が取り外されたため、アリアではほとんど聴こえず(アリアでも積極的に弾いていました)残念。フォルテピアノ聴くなら2階席が良かったかも。

曲についてひとつひとつ書いていくと きりがないのでそちらは省略。ppからfまでの幅で、天地創造の物語を聞くような前半(第2部まで)と、音楽の温かさを存分に感じられる後半との対比が際立っていました。
思い切ってアダムとイブは演技を入れての歌唱なんていうのも… それならアダムは若手がいいかもね。中江さんは後半、落ち着いた衣装に着替えての歌唱だったので、そんなことも考えてしまいました。

真面目にハイドンと真正面から対峙した天地創造が聴けました。
終演後、お友だちとロビーでお話をしていると 新日本フィルのスタッフさんが来て「会場が暗くて 字幕が欲しかったですかね…」と言われたので、私は「両袖に歌と同時にその歌詞を出すのではなく、ホールの背面に1曲の歌詞全文を投影してくれた方がいい」との提案をしました~テレマン協会の教会音楽はこのスタイルで とてもわかりやすい~

ということで、今回のお出掛けの締めは 天地創造でした。

今夜はゆっくり寝て 疲れをとらなきゃ💦