東京交響楽団東京オペラシティシリーズ 第96回 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は都営線乗り放題のフリー切符で都内へ。
有楽町でGWの音楽祭のチラシをもらいに行けば、まだみたい。仕方なく北海道プラザで今日の飲み物、ガラナを仕入れて、神保町界隈へ。珍しくスキー屋さんを冷やかしながら、CD屋さんで中古でバッハのスコアを購入。すると時間いっぱい💦
初台へ移動。

東京交響楽団
東京オペラシティシリーズ 第96回

東京オペラシティコンサートホール
14時~

指揮:秋山和慶
フルート:相澤政宏
クラリネット:エマニュエル・ヌヴー
ヴァイオリン:水谷 晃


当団が東宝交響楽団時代に日本初演したショスタコーヴィチのシンフォニーをメインに、桂冠指揮者秋山が「70」にかけた曲目で、創立70周年を楽員と共に祝う。長調で揃えられた曲は作曲家たちのお国柄が反映されている。

今日の座席は舞台裏のP席。秋山さんの指揮姿がよく見える位置。

まずは目的の
🎵ハイドン:交響曲 第70番 ニ長調 Hob.I-70
秋山さんのハイドンって、聴いたことがあっただろうか?新日本フィルのハイドン交響曲全曲演奏でもいなかったし…
3/4拍子の第1楽章。この頃はめちゃ速いテンポで耳にすることが多いのですが、今日はいい感じ。細かなニュアンスまでもしっかり整えた音楽に仕上げていきました。
第1楽章の後半の反復を省略、そのまま第2楽章へ続ける指示には従わず、少しの休憩を置いて第2楽章へ。
指示通りの反復は完全実施。反復前後でニュアンスの変化を持たせることがなかったのは残念。しかしニ短調とニ長調の部分の描き分けはしっかり。
元気な第3楽章はメヌエットとトリオともに真面目な音楽づくり。トリオでちょっぴり遊んで欲しかったは言い過ぎでしょう。
フーガの第4楽章。緻密な糸をほぐすように見通しの良い音楽づくりは、流石と言うしかない。
硬い撥でモダンティンパニから古典的な音を導いていた、東響の奏者にも拍手です。
この数年、ランドンが高く評価して注目を浴びたこの作品が 日本で演奏されるようになったのは嬉しいこと。予想以上の仕上がりにビックリでした。

続いて
🎵クロンマー:フルート、クラリネットとヴァイオリンのための協奏交響曲 変ホ長調 作品70
この作品、ディヴェルティメントと同様のメヌエット(とポラッカ)を2つ含んだ5楽章形式。冒頭、ヴァイオリンのそろから始まるという当時としてはあっと驚く開始は、当時のソロはソリストではなくコンマスが担当していたからでしょう。
管楽器の作品が多いクロンマー。ウィーンでの活躍もありますが、この作品のようにボヘミア色の系統の作品も魅力的です。
アレグロの第1楽章は 充実した構成。3つの楽器の柔らかな掛け合いだけでも十分。
メヌエットをはさんで唯一の緩徐楽章はアダージョの第3楽章。ひなびた美しさがいい。
アラ・ポラッカの第4楽章は、管楽器の明るい音色がピッタリ。舞曲の楽章ですが長い構成でじっくりと楽しめたのが良かったです。
アレグロの終楽章も愉しげに進み笑顔で終わる 天真爛漫な明るい作品でした。
東響の息の合ったソロと合奏が緻密な演奏を繰り広げてくれました。

休憩のあとは
🎵ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 作品70
今年に入ってショスタコーヴィチがたくさん聴けています。今回はハイドンしか見ていなかったので、ホールでプログラムを開いてから気づいた次第。もちろん準備などしていない。
もちろん期待ゼロで行きましたが 落ち着いた演奏は目から鱗。「楽譜に忠実に音を出すとこうなるんだ!」みたいな…
軽快な第1楽章のあと、木管が沈鬱なソロが続く第2楽章も 落ち込むほどではなく、美しい仕上がり。
終楽章のドタバタも端正にまとめて、スッキリ爽やかな締めになりました。

今日はしっかりと作品に真正面から取り組んだ演奏ばかり。そこで私のお気に入りのハイドンがベストの演奏で 満足度が高くなりました。
協奏曲はソロが3つなので、ソロどうしの遊びが欲しかった部分もあり、ショスタコーヴィチはもちろん 羽目をはずす直前までの面白い演奏が理想なので、ちょっぴりおとなしい感じを受けました。

久しぶりの秋山さんの演奏会でしたが、ハイドンがことのほか良かったので、次回、6月の定期演奏会も期待しちゃいます。

帰りにまた神保町で、今度は山屋さん。来年の冬用と夏用の(お安くなった)ウェアーを探すも 今日の掘り出し物は無し。向かいの一番の危険地帯『鉄』の本屋にハマってしまい散財。今日はリュックがやたら重くなって帰りました。