神戸市室内合奏団(第138回)定期演奏会 東京公演「春。ロマン派交響曲の誕生」:紀尾井ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は3月11日。11時前に 宮城県のお友だち2名と有楽町で待ち合わせ。早めのお昼をとりながら、6年前のことを振り返りながらの回想をしたあと、四ッ谷へ。

神戸市室内合奏団(第138回)定期演奏会 東京公演
「春。ロマン派交響曲の誕生」

14時~
紀尾井ホール

神戸市室内合奏団
指揮:石川星太郎
ピアノ:ソフィー=真由子・フェッター


自由席の公演。前から3列目の中央で聴きました。
オケは両翼配置の10型。

1曲目は
🎵R.シューマン:交響曲 ト短調 WoO 29「ツヴィッカウ」(前田昭雄編)
これはかなりのマニアでないと知らない作品でしょう。私もうっすらと そのタイトルを目にしたことはあるものの、聴くのは初めて。
2楽章からできている作品。若いときの習作で 途中で放棄したものの様。
第1楽章は序奏つきの版。
序奏の混沌とした響きの中にオーボエの鋭い音が入ってくる衝撃で始まりました。
その後のアレグロの主部の素材があからさまに重なりあう様は シューマンそのもの。提示部の繰り返しをして 2回聴いても飽きないワクワク度をもった作品。
第2楽章は最初、緩徐楽章かと思いきや、途中からはスケルツォみたいにも聴こえる、魅力的な曲。両翼配置のヴァイオリンのステレオ効果が光っていました。
形式的には中途半端という感じは否めませんが、シューマンらしい音楽が楽しめました。

2曲目は
🎵W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
予習なしでスコアを持参で聴きました。
両ヴァイオリン6に刈り込んだオケは爽やかな響きに変わりました。
この作品は3つの楽章とも主題の提示がオケで行われるという構成。
ピアノのフェッターさんは初めて聴く方。ピアノの入りの左手のドソミソがバッハの音楽みたいな直線的で輪郭のはっきりした音はユニーク。主題提示のあとのピアノの音楽は、硬さも少なくなり、楽譜通りの端正なモーツァルトを聴かせてくれました。ただ第3楽章での同じフレーズを2回繰り返すところでは とてもセンスの良い装飾を加えていたのが光りました。第1楽章や第2楽章でも積極的な音楽が聴ければ良かったなぁ~と思いました。
第3楽章の終結部のテンポアップするところの爽やかさは見事でした。トランペットの信号音も 出すぎず、かつ華やかで、気持ちよく音楽を締められました。
演奏効果の上がりにくい作品ですが、ソリスト、オケともにしっかりとまとめていました。

アンコールは
♪スクリャービン:左手のための2つの小品~ノクターン 作品9-2
なんと幻想的でやわらかい音楽でしょう。片手で弾いてるとは思えない音楽でした。

休憩のあとは メインの
🎵R.シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 Op.38「春」
有名ですが、私にとっては耳にするのは5年に1度程度のレア度の高い作品。
第1楽章からキッチリと整えられた音づくり。テンポはちょっぴり遅めに感じるも、シューマン独特の詰め込まれた音楽を解きほぐしていくのを確認しながら聴くためには、これより速いと私には追いつかない。つまり、わかりやすい演奏。
砂糖菓子のように、外を固めた第2楽章。
弾むような第3楽章。
そして小編成なりに、緻密な織りがくっきりと見える第4楽章も良かったです。

久しぶりの神戸市室内合奏団。絶妙なプログラムに拍手でした。

紀尾井ホール(四ッ谷)から錦糸町に移動。


もうひとつ オーケストラコンサートが続きます。

レポートは長くなりそうなので、分けますね。