フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2016東京交響楽団オープニングコンサート | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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昨夜は涼しすぎて、掛け布団を出して寝る陽気。ヤマセが止みません。
今日は午後からスタート。涼しいかと思いきや、歩くとちょっぴり蒸すので、ゆっくり歩いて川崎へ。

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2016
東京交響楽団オープニングコンサート

開場時間にホールに行くと、なにやら大勢の人が!

オプニングファンファーレ



人垣の後ろで聴いてから 入場。

ミューザ川崎シンフォニーホール
15時~

東京交響楽団
指揮:ジョナサン・ノット


今日の席は、オケの曲ばかりなので、舞台後ろのP席の4列目ちょっぴり下手。

最初の曲は
🎵ヴィラ=ロボス:ニューヨーク・スカイライン・メロディ
プログラムによると、ニューヨークのマンハッタン街並みの屋根の模様を楽譜に落としたとかいう、なんともテキトーな作品。
3分ほどの短い曲でしたが、出てくる音楽は、テキトーとは正反対の緻密で穏やかな、それはニューヨークの夜の音楽でした。

静かに曲が終わり、拍手がパラパラと出始めるもののノットさんは拍手に応えずに 次の曲へ。

🎵アイヴズ:ニューイングランドの3つの場所
アメリカの作曲家にも好きな人が少なからずいる。コープランドを筆頭にアンダーソンやゴットシャルク… しかしアイヴズは と言えば、まだまだ未知の作曲家。めちゃ愉しい交響曲のCDがあるくらい。
3楽章からなるこの作品。全体的に静かにすすむ穏やかな曲。1曲目から続けて演奏する理由がよくわかる。こちらも夜の音楽っぽい。第2楽章には『聴き慣れた行進曲や歌が出てくる』とプログラムにあり、元気な曲を予想していたら、おっとり系で ちょっぴり3つの楽章の対比が希薄だった感じが 初めて聴く耳には残念。第3楽章の美しさは絶品でした。

休憩のあとは
🎵ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
今回はベーレンライターのデル・マール校訂のスコアを持参。
オケは12型の両翼配置。両翼配置なら1階席にしとけば良かった~ と思ったのは開演前まで。
第1楽章が始まるや、こちらに向いた第2ヴァイオリンの音が それはストレートにしっかりと聴こえてくるではないですか。ちょっぴりステレオ的な効果はイマイチでしたが、対旋律重視の私には大満足。ヴァイオリンどうしのの掛け合いはハッキリ。そして控え目なホルンだったので こちらに向いたベルもそれは私にとっては効果的。
第1楽章の提示部、反復前後で表情を変えてきたのにはハッとさせられました。展開部に入るとヴァイオリンの対話と音色が冴えました。ヴァイオリンが交互に4小節伸ばすところで それはまるで民族音楽のドローンの様。しかしそれは野性的な音ではなく鄙びた『田園』の風景を彷彿させる風景が広がりました。
第2楽章ではテンポを微妙に揺らしながらの丁寧な描き方と それに応える音楽がしっかりと出てきました。特にフルートの鄙びた音色と繊細な演奏が光っていました。
第3楽章は心地よいテンポとオケのバランスの良い響きが聴けました。特に管楽器(木管とホルン)の同音反復が続くところでの柔らかな表情が旋律に美しい彩りを与えていました。
続く第4楽章でのバランスの取れた音づくりは見事。8分音符までしっかり聴きとれる荒々しさとは対極の音楽。『綺麗な嵐~草木に優しい嵐』が通りすぎました。
そして嵐のあとの第5楽章。冒頭、ヴィオラのヴィブラートのない それは泥臭い音色を奏でたあと、ヴァイオリンの主題のヴィブラートをかけた艶やかな音との対比で もうノックアウト!
なんと穏やかで平和な田園なのでしょう。
21世紀基準?では決して速いテンポではなく、その分、丁寧な表情をつけながらの音作りに好感が持てました。

曲が終わったあと、ホルンの譜面台に 薬師丸ひろ子のサインがあったのに 拍手を忘れて目が釘づけ✒私の拍手の力が無かったのは 演奏のせいではなく、サインに気にとられてしまったため👀

素敵な田園を聴くことができました。
今日から2週間 楽しい夏の音楽祭、フェスタ サマー ミューザ。
はじまりました🎊