横浜能楽堂普及公演-横浜狂言堂- | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
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先日、花巻のマルカンデパートが建物の老朽化のため閉店しちゃうニュースが飛び込んできて、驚きを超えたショックは 青函連絡船、急行『礼文』、寝台急行『銀河』の廃止←みんな列車! に続く大きなもの。

それを受けて、さぁどうする?

今日は
横浜能楽堂で
14時~

勝手に決めました、毎月第2日曜日は狂言の日
横浜能楽堂普及公演-横浜狂言堂-


中正面の6列目というまずまずの席。
今日は大蔵流で2曲。

HPからの解説
『結婚したばかりの男が嘘の作法を教えられて妻の生家にあいさつに行く「音曲聟(おんぎょくむこ)」と、盗人が赤子をあやす姿がおもしろい「子盗人(こぬすびと)」の2曲を、毎回好評の山本東次郎の解説でお送りします。』

前半は
🎵狂言「音曲聟」
シテ:山本凜太郎(聟)
アド:山本東次郎(舅)
アド:若松隆(太郎冠者)
アド:山本則孝(教え手)
地謡:山本則重、山本則俊、山本則秀
後見:山本修三郎

初めて観た作品。
会場の反応も良く、楽しめました。聟の服の柄が 藍の地に白い鷺がダイナミックに描かれていたのが印象的。展開も早く舞いも入る とてもリズミックな作品。楽しめました。

休憩のあとは
🎵狂言「子盗人」
シテ:山本則重(盗人)
アド:山本則秀(乳母)
アド:山本泰太郎(有徳人)
後見:山本修三郎
 
こちらは太郎冠者も置かない、盗人の一人芝居がメインとなるような作品。子ども(お人形)が入る分、盗人なのにちょっぴりほのぼのとした雰囲気になりました。

その後 今日の作品の解説等のお話。
山本東次郎さん。
内容は
・狂言は引きの美学。何事も削っていく。
・「音曲聟」は大蔵流では「削られた」やらなくなった作品。でも山本家ではやり続けている。なぜなら「鶏聟」という作品と兄弟のような作品だから…
まず「音曲聟」でなぜ聟が騙されたか、は、聟が教え手に「再々聟に行ったのだから経験豊富…」というくだりで怒って、とのこと。
このあと「鶏聟」の一部分を演じました。こちらは同様に聟入りの作法を訊くと、鶏の真似をせよ、と教わり それを舞う作品。
この2作品の大きな違いは、音曲聟は騙された聟に合わせて舅も一緒に舞いながら下がる。つまり、しきたりの違いもお互いに認めつつ… という締め。それに対して鶏聟も舅が合わせて一緒に舞うのですが、ついに聟は舅を舞いながら蹴り飛ばす。そこで舅は下がってしまう… つまりいい気になってしまうことへの揶揄。と、同じような筋ではあるものの、方向性がまったく異なるので… と。
・「子盗人」では盗人が本当の悪人では無い語りがある。これは「削られない」台詞。狂言は必要最小限の台詞しか語らない。それが狂言を観る人への礼儀としているから。最後、盗人が切られそうになった時に子どもを人質にするのは、ちょっぴり現代の恐ろしい犯罪にも似ている。

20分程度ですが、本当に勉強になる時間です。
今日はそのあとに山本東次郎さんの舞いで、その通り、お仕舞い、となりました。

4月の公演が昨日発売となったので、取ろうかとも思ったのですが 花巻が呼んでいて 決断がつかず、「どうしよう~」
前日の神奈川フィルのチケットを譲って岩手に行くか… 山菜の季節にはちょっぴり早いけど。
そのあとは、信貴山縁起絵巻をあきらめてGW最後の土日。
仙台音楽コンクールを予定している5月最終週と、6月第1週の山形交響楽団で行ってもいいのですが、6月7日閉店なのでこの2週の土日は、食堂はとてつもない行列でしょうね。
どうしましょう…