水戸室内管弦楽団 豊田公演:豊田市コンサートホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今朝は天王寺から一気に移動💨
近鉄を使おうと思っていたら、特急に乗らないと思っていたより遅くなることがわかり、JRで名古屋へ。
名古屋からは地下鉄と名鉄を乗り継ぎ、豊田市へ。以前、豊田へ来たとき、豊田市駅に名古屋市営地下鉄の電車が止まっていた理由がわかりました💡

今日は
水戸室内管弦楽団 豊田公演
豊田市コンサートホール
15時~

水戸室内管弦楽団(各パート50音順)
ヴァイオリン:安芸晶子、植村太郎、荻原尚子、小栗まち絵、久保田 巧、佐份利恭子、島田真千子、竹澤恭子、田中直子、豊嶋泰嗣、中島慎子、中村静香、渡辺實和子
ヴィオラ:川崎雅夫、川本嘉子、篠﨑友美、千原正裕 
チェロ:荒 庸子、上村 昇、原田禎夫、堀 了介 
コントラバス:石川 滋、助川 龍 
フルート:岩佐和弘、工藤重典 
オーボエ:アーメル・デスコット、森枝繭子 
ファゴット:ダーグ・イェンセン、鹿野智子 

ホルン:猶井正幸、ラデク・バボラーク

トランペット:デイヴィッド・ヘルツォーク、若林万里子 

ティンパニ:望月 岳彦


指揮:広上 淳一
ピアノ:児玉 桃


昨日、一昨日と水戸での定期演奏会。それの移動公演。
今回はピアニストの変更があまりにも残念。以下がその告知。

メナヘム・プレスラー(ピアノ)の来日中止に伴い、メナヘム・プレスラーさんから皆様に、下記の通りメッセージが届きました。
「親愛なる日本の皆様
このたびの日本ツアーキャンセルは、私にとってあまりにも深い悲しみです。
日本の皆様のために演奏することを心から愛しているからです。
日々順調に回復しており、すぐにでも日本に戻って来たいと願っています。
メナヘム・プレスラー」

92歳のプレスラーさん、昨年 鎌倉で素晴らしい演奏を聴かせてくれたので、是非とも 次回🙏
今日は前から2列目の真ん中。



このホールは初めて(能楽堂は先に訪問していました)。大きさは仙台の青年文化と同じくらいの中型のホール。水戸よりは明らかに大きな空間。そしてこの席は2ランクある料金設定の下の方という お得な席割りをしっかり享受。
そして今日の指揮者は先週に続いてまたまた広上さんになりました。
古典派の3曲のプログラムにはもちろんスコアを持参しました。

まずは 私の目的ともいえる曲
🎵ハイドン:交響曲 第102番 変ロ長調 Hob.I-102
前回の演奏会から水戸のメンバーとなった竹澤さんが早速のコンミス。またこの曲は第2楽章で常にソロのチェロが大活躍なので宮田さんの参加がないのが、残念。今日は上村さんがソロを弾きました。
第1楽章の美しい序奏、ティンパニのロールが絶妙。そのあとの旋律を速めのテンポで流れるように描いたのは予想が外れました。
主部に入ってヴァイオリン群のちょっぴり音が不安定に聴こえたのは ヴィブラートのせい?
呈示部後半に出てくる2つのfは2回目を柔らかにするなど 細かい部分まで目の行き届いた演奏(と、それをいとも簡単に音にしちゃうオケ!)は さすが。
アダージョの第2楽章は ピアノ三重奏にも転用したハイドンのお気に入りの曲。今日は木管の美しさもさることながら、ホルンとトランペットの安定した、そしてバランスの取れた音が 音楽に絶対的なスパイスを加えていました。
リズミックなメヌエットとオーボエのソロが美しいトリオを持つ 第3楽章。ソロでは反復後に装飾を期待するも、楽譜通りでそれは無く残念。
プレストで駆け回る第4楽章。まさかとは思ったのですが、この曲も最後に聴衆を嘲笑うかのような仕掛けがあるのですが、指揮者が種を撒かないのに引っ掛かりました!今回は引っ掛ける雰囲気を出してはおらず、次の小節のアウフタクトまで待てなかった ただのフライング拍手。それもつられてかなりの人が拍手に入ろうとしたのには驚きました。拍手のあとのからかうようなpでの木管ソロも 今回はインテンポでそれを嘲笑する風もなかったのは、明らかに想定外だった模様。私はこの曲でハイドンのユーモアを楽しめて満足。
だだ 両翼配置ではなかったので第2ヴァイオリンが第1ヴァイオリンの奥で聴こえずらかったのが残念でした。

続いて
🎵モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467
ピアニスト変更に伴い、27番から21番に変更。私は21番の方が好きだから、曲的には歓迎。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのメンバーは総入れ替え。コンミスは渡辺さん。
桃さんのピアノ(音楽)はちょっぴり硬め。ラ・フォル・ジュルネでの色彩豊かな演奏を聴いているので 軽やかなモーツァルトを期待していたので ちょっぴり肩透かし。第1楽章では、音の粒は揃っているものの、繊細な揺らぎは感じられませんでした。80年代の模範的な古典派の演奏っていうのを思い出す様。
第2楽章も一番情感豊かだったのは チェロとバスのピチカートと最後のホルンの3連符。
第3楽章も楽譜通りのしっかりとした演奏でしたが、私的には、ピアノと木管が掛け合いをする時に、もっと楽しい対話を聴かせて欲しかったです。桃さんは代役とはいえ、水戸室内でのソロや水戸芸術館でのリサイタルシリーズを行った水戸に縁のある方なのですから! ちょっぴり期待し過ぎたでしょうか?

終演後、大きな拍手が続いたのですが 3度のカーテンコールのあとステマネの佐藤さんがオケに引き揚げの合図を送るも、コンミスの渡辺さんはまったく気づかず、桃さん4度目のカーテンコール。そうしたらなんと アンコールを弾いてくれました。心の準備、大丈夫だったのかと こちらが心配になっちゃいました。渡辺さん 気づかなくてありがとう!
♪ドビュッシー:前奏曲集第1集~亜麻色の髪の乙女
昨日のラ・サールさんと同じじゃないですか!
まったく昨日と性格の異なる亜麻色の髪の乙女が登場されました。

休憩のあと
🎵モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調 K.551『ジュピター』
ハイドンと同じ第1ヴァイオリンのメンバーで、コンマスは豊嶋さん。
第1楽章の第1主題のヴァイオリンの重音は分奏ではなく重音奏法。そのため少し早めにリズムを取り推進力をアップさせたり… ただ、広上さんがどうにも柔らかな手つきで表現しているところを 熱くザクッと伐るようにオケが演奏したのは??
第2楽章はfの柔らかな音がいい。木管のアンサンブルは絶妙でした。
見事だったのは第4楽章。それぞれの楽器毎の組み上げ方が手に取るようにわかる演奏でした。上手手前のヴィオラのしっかりとした隈取りがしっかり決まり 音楽をギュッと引き締めていました。

ハイドン、モーツァルトともに 楽譜を真正面から見た 正攻法の演奏が聴けました。
日本のトップクラスが集まったアンサンブル。ホールの中より両サイドに空席が多かったのが、残念。オケのメンバーより指揮者とプログラムで見てしまうと7000円はやっぱり高いのかもしれませんね。

今日は東海道本線の各駅停車で東へ東へ…🚃💨