今日は
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 みなとみらいシリーズ 第306回
横浜みなとみらいホール
19時~
指揮:川瀬賢太郎(常任指揮者)
クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー
石田様が第2ヴァイオリンで
🎵チャイコフスキー:アンダンテ カンタービレ
この曲を聞くと どうしても大林映画『転校生』の場面が鮮明に蘇ってしまい、それに合わない演奏はダメになってしまう。困ったもんです… 今日は抵抗なく 瀬戸内の風景に馴染む演奏でした。さて、本プログラム。今日は1階8列中央やや右手で聴きました。私的には最高の位置です。
最初は
🎵ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
初めて聴きましたが 4つの楽章からなる 古典派の交響曲の様な形式の曲。プログラムの解説によると、ウェーバーの原曲をそのままオーケストレーションしたのだという。ただオーケストレーションは20世紀のモダンな装いになって…とある。
第2楽章は 歌劇「トゥーランドット」の序曲から ということで、東洋的な旋律が楽しかったです。
第3楽章は静かで落ち着いた曲。オーケストレーションの変化がいい。
第4楽章は元気でコンパクトにまとまった演奏。
締まりのある力強い演奏が熱かったです。
続いて
🎵ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調 Op.73
クラリネットの音色の美しいこと!一吹きで魅了されました。
実演を聴いたのは 初めてかもしれない!
美しさは第2楽章。ソロにオケの管楽器が絡むあたりは絶品でした。
楽しいロンドの第3楽章。ソロの天衣無縫の躍動感が素敵でした。
大きな拍手に応えてのアンコールは
🎵L.ヴァイネル:2つの楽章~第2曲
弦合奏の伴奏にクラリネットがハンガリー舞曲を歌う歌う!時にはクラリネットを消す勢いの弦合奏の熱い丁々発止が圧巻でした!
後半は
🎵チャイコフスキー:交響曲第2番 ハ短調 Op.17「小ロシア」
珍しい曲の部類に入ると思いますが、私はチャイコフスキーの交響曲の中では、1番、5番に次いで3番目に好きな曲。中学時代に バーンスタインの演奏で親しんだ曲。
ほの暗い民謡を基に作られた交響曲。
第1楽章の冒頭、ホルンのソロで主題が演奏される。相当なプレッシャーがかかりそうですが、安定した音。それはファゴットソロに引き継がれ、あとはチャイコフスキーの音色のオンバレード。
緻密な音楽作りがいい。
ティンパニのソロで始まる第2楽章。これぞロシア民謡って旋律がじっくり歌われました。特に中間部の絡みがはっきりと描かれていました。
スケルツォの第3楽章。走らない落ち着いたテンポが、特にトリオが、それぞれの楽器の動き、絡みがよくわかったのは私好みの演奏。
第4楽章。単純な旋律を組み上げていくようなつくり。
特にコーダ、銅鑼の一撃のあと、聴いていて恥ずかしくなるような単純な音の組み立てと強奏の嵐の曲。そこを陳腐な音楽にならないようにしっかりと纏めていたのは流石。
演奏効果のあがりずらい曲を しっかりと組み立てた満足いく演奏が聴けました。
神奈川フィル、演奏会の最初と最後に全員で礼をするのが 本当に気持ち良いです。演奏会後、仙台フィルみたいにお見送りもあり、聴衆と演奏家との垣根が低くなってきたのも 素晴らしい取り組み。
今日、このプログラムでも1階は9割近い入り。神奈川フィル、頑張っています。
地元のオーケストラ、応援しなくっちゃ!