東北学院大学「時代の音」すべては歌から始まった~単旋律から多声楽曲へ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

昨日の仙石線代行バスのお出掛けは(↓)こちら🎻

 


今日は仙台からスタート。

のんびり出発して お友達2人と本屋で待ち合わせ。
会って早々 昼食のあと 仙石線で多賀城へ。

東北学院大学 多賀城キャンパス礼拝堂
14時30分~

【音楽への招待「時代の音」レクチャーコンサート・シリーズ】すべては歌から始まった
声楽の歴史 単旋律から多声楽曲へ
~グレゴリオ聖歌からポリフォニーまで、ヨーロッパ音楽史における『歌』の変容~

という、レクチャーつきの音楽会。


講師:鈴木 美登里
演奏:ラ・フォンテヴェルデ

(ソプラノ/鈴木美登里, カウンターテナー/上杉清仁, テノール/谷口洋介, バス/小笠原美敬)



今年度は平日が多かったために この回のみの参加になりました。
このシリーズは レクチャーの内容がしっかりしているのが いい。今日はスライドで楽譜を較べたり、見ながら音楽を聴いたりと 充実したものになりました。


レクチャー前半は
1:古代から中世へ
古代から中世へは、8世紀頃が変換点。
初期のキリスト教の聖歌がこれにあたり、歌詞の上に記号が入ったものが残されている。
9世紀になると 楽譜が作られるようになってきた。基準の音が示されたりと発展。グレゴリオ聖歌の誕生。

2:グレゴリオ聖歌
ネウマ譜の発明
🎵「みどりごが生まれた」
同じパターンのリズム、旋律の繰り返しのセクエンティア、言葉の途中に別の言葉を組み込むトロープスの誕生。
🎵「過ぎ越しのいけにえ」
🎵「アレルヤ」
ドレミの始まり。

3:民衆の音楽
自由を求める人たちが、12世紀頃ゴリアールの歌
吟遊詩人たちは、トルヴァドール、ミンネゼンガー。
イタリアではラウダが。
🎵「マグダレーナはほめたたえられよ」
この曲は54節でマグダラのマリアの生涯を歌う。

4:多声音楽の始まり
10世紀を過ぎると 初期の平行オルガヌムが歌われ始める。
四角ネウマ譜から リズムを持って歌われ始める。
🎵「ユダヤとエルサレムの民は」
テノールのメインに他の声部が装飾を加えていく。

ここまで順番に聴いていくと、今まではまったく同じように聴こえていたルネサンス以前の音楽の時代による違いが ハッキリとわかりました。でも まだ響きの単純さが感じられました。

休憩のあとは
5:新しい芸術「アルス・ノヴァ」
世俗的な歌が栄えた時代
新しい音楽の形式が確立。バラードやロンド。
🎵マショー:「終わりは始まり」
ホケットゥスのリズム。知的な遊びが散りばめられている!この曲は冒頭の旋律を逆行しながら終わる!

6:イタリアの「アルス・ノヴァ」
文学との接近。ダンテやペトラルカ。
イタリア語による多声世俗歌曲、バッラータ形式
🎵ランディーニ:「目には大粒の涙」
ここではオルガン伴奏が入りました。

7:知的で高度で難解な「アルス・スブティリオル」
教会の分裂や百年戦争、ペストの流行など、ヨーロッパの不安な時代。
曲はどんどん難解になり、やがて演奏不能になり、それは崩壊してしまう!
🎵「全ては円に」
円形楽譜に書かれた曲!そこまでなぜやる?って感じですが、現代に通じる何かは伝わるものがありました。

中世はこのようにして、終わりを迎えた。

8:ルネサンスの幕開け
多声音楽。3度の響きの発見。充実した和声。
🎵ギョーム・デュファイ「私の顔が蒼いのは」
教会音楽の黄金期。フランドル楽派
システィーナ礼拝堂
🎵ジョスカン・デ・プレ「めでたし元后」
奇跡のカノン。4声部が2つの楽譜。なぜなら 高い声部は半小節遅れで それも4度高い音で追いかける!
🎵「アヴェ マリア」
通模倣書法の傑作。1つのテーマを次々と追いかけていく。

このように聴いていくと、ルネサンス音楽がいかに充実した音楽か、手に取るようにわかる。ただ、耳でルネサンス音楽だけを聴いたらそこまでは難しそう!
ルネサンス音楽は特に美しく、それに浸っているだけで しあわせな気分になれました。

充実したレクチャーとそれをすぐに耳で確かめられる、それも日本屈指のメンバーで!これが2000円なんて、学院大に感謝です。ただ、やっぱり空いていたのは本当に残念でした。まだまだ日本は生涯教育の受容が市民にはまだまだですね。

今日の音楽はまったくの未知の部分だったので ほとんど何も書けませんでした😅

今日はそのまま仙台駅に戻って新幹線で横浜へ。充実した2日間になりました。