避難指示解除準備区域:前編 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

夏の青春18切符の最後の日曜日。残っていた1日分、予定では 飯田線全線乗車を予定していたのですが、先々週に続いての豊橋からの帰りと、雨で列車が止まった時の脱出が厳しいので、予定を変更して、安全な常磐線に。

6月1日に2駅ほど開通が伸びた 福島県は楢葉町の竜田駅までの鉄道旅をしてきました。



竜田駅のまわりは 避難指示解除準備区域で全町避難して、いまだ無人地帯。お隣、まだ開通していない富岡駅との間には 常磐線電化前に使われていた、金山隧道が残っており、草の枯れた頃に訪問をと考えていたのが、このような状況での竜田駅訪問となりました。因みに、その金山隧道を出たところにあるのが、福島第2原発です。

以前、仙台フィルの定期会員だった頃は、良く常磐線に乗って仙台まで行ったものです。また 岩手と横浜を車で往復する際には やはり北茨城あたりから北は 国道6号線を走ったものです。

そんな常磐線、私の好きないわき~原ノ町間が不通になり、もう乗れないのでは…と思っていたところ、早くも楢葉町の竜田駅まで開通と聞いて、これは雪が降る前に行かなくては!と思い、青春18切符で出掛けた次第。
原発事故以降、いわきまでは訪問しましたが、いわき以北の常磐線沿線は初めてになります。

水戸発の竜田行き電車はいわきを過ぎると、ガラガラ。
久ノ浜を過ぎると トンネルが出てくる。常磐線は電化に合わせてトンネルを掘りなおしたから レンガづくりの古いトンネルが海沿いに並んである。それを見ているだけでも楽しくなる。
次は春休みに歩きに行きたい!
山あいの小さな末続駅が 以前と違って 綺麗に整備されていて 驚きました。



末続~広野駅間は、童謡の「汽車」の元になったと言われる区間。
そのため、広野駅には歌の碑もあります。そして広野駅の出発ベルは もちろん🎵今は山中…
今日はそのベルが聴けました。
Jヴィレッジの下を切り通しで抜けると、楢葉町に入ります。
楢葉町は 避難指示解除準備区域なので まだ住民は帰ることができないのです!

広野駅前では家々に生活の様子がしっかり感じられたのに、楢葉町に入るや 町は死んでました。

竜田駅に着くと、乗っていた 鉄、約10人程が降り、そのまわりを撮影して走っていましたが、全員が 折り返しの電車で戻っていきました。鉄には 人のいない家々が目に入っいないようで、なんか複雑な気分になりました。

私は駅から約20分程歩いた、天神岬へ行きました。
途中の家々は、除染作業が行われた庭に 時には汚染された土がそのままビニール袋に入ったまま残っていたり、そのような空き家の連続は まさに異様な風景の極みでした。



サイクリングターミナルやキャンプ場、日帰り温泉、宿泊施設のある、大きな公園の天神岬。
ビックリしたのは、そのまわりの本来 駐車場の場所などに、プレハブの簡素な建物がたくさんあったこと。原発関連で働きに来た人たちの宿泊施設でした。



公園を歩くと、遊具には黄色い立ち入り禁止のテープが貼られていたりと、異様な光景。



芝生がやたらフカフカ。松林の中のテント場には松の幼樹が顔を出して 自然に戻ろうとしていました。
また誰もいない公園にそびえる展望台だけは新しくなっていて、大震災のあと、新しいエネルギー源としての風力発電を20km太平洋沖の海上に建設。それを解説した真新しいパネルに、それを見るための大きな望遠鏡が置かれており、それがあまりに寂しかったのが印象的でした。



後編に続きます。