フェスタサマーミューザ:日本フィルハーモニー交響楽団 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

この数日、湘南~横浜の空気の透明度が高く、昨日の夕方から夜にかけての空のきれいだったこと!
今日も快晴だけど、ちょっぴり夏の空気になってきました。

そんな気持ち良い空気の中、午後から休んで 川崎へ。

フェスタサマーミューザ
日本フィルハーモニー交響楽団
「ドイツ音楽の神髄! その継承の歴史が今宵紐解かれる。」
というタイトルの演奏会。
指揮:マックス・ポンマー

ピアノ:小山実稚恵



夏休みの格安演奏会にはもったいないような布陣。

開場の15時に少し遅れて到着。
15時30分からの公開リハーサルから入りました。

今日のプログラムは
🎵C.P.E.バッハ:交響曲ニ長調 Wq.183-1(エマニュエル・バッハ生誕300年記念)
🎵ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
🎵ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
の3曲。

ゲネプロは
🎵ベートーヴェン
🎵E.バッハ
🎵ブラームスの順
リハは自由席なので オケの真後ろの1列目で見ました。

東ドイツ出身で バロックから現代まで 録音を通して誠実な演奏が気になっていた ポンマーさん、数年前から札幌交響楽団に客演され チェックはしていたものの、なかなか実演に出会えなかった指揮者。今日はリハから見れて嬉しい限り!


プログラムによると 日本フィルとポンマーさんの組み合わせは 今日が初めてとのこと。
今日のコンマスは田野倉雅秋さん。名古屋と大阪のオケのコンマスの印象が強いのですが、日本フィルには特別の客演?

最初は小山さんとのベートーヴェン。オケが10型と小さな編成にちょっぴりビックリ!
冒頭の繊細なピアノから引き継ぐオケも柔らかく丁寧。ただ木管が一本調子は ポンマーさんの指揮との齟齬がありそう。
止めずに最後までやり、数ヶ所の合わせを確認しておしまい。
もう少し リハーサルをやりたかったのでは?って感じが…

E.バッハは8-8-6-4-2の編成。先日の神奈川フィルで強烈な演奏を聴いた曲。
鈴木さんと神奈川フィルの攻撃的な表現に対して、ポンマーさんはテーマ流れるように繋いで 美しい仕上げに向けた演奏。

ブラームスは12型。
これも楽章ごとに一気に通して。第1楽章は冒頭のフレーズを丁寧にやり直していきました。
この曲はスコアも見たことないし、CDも積極的に聴かない曲なので、単純に楽しんだだけ!

次の開場まで1時間半のインターバル。チケットセンターで次回のチケットを買い、外で夕食。



19時~ 本番。
座席は1階5列の中央。文句なしの私の好みの位置。
最初は
🎵E.バッハ
ゲネプロと違って、バランスがいい。やっぱり正面だ!
落ちついた演奏は第2楽章が白眉。過激さを控えた 流れる音楽 そのまま。
素敵なE.バッハが聴けました。

🎵ベートーヴェン

室内楽を弾いているかの如くの第1、第2楽章。5列目で大きな音!って感じたのは、第3楽章のカデンツァの最初の音だったのですから!

緻密で丁寧な音作り。冒頭の響きを存分に生かしたテンポから それは伝わってきました。
そんな音楽づくりが生きたのが第2楽章。間奏曲、あるいは序奏とも思えるこの楽章が、室内楽みたいにピアノとオケの楽しい語らいの場になりました。オケの表情も様々に変わっていくのが とっても印象的でした。

そして小山さんはアンコールを弾いてくれました✨
🎵エリーゼのために←本当はテレーゼ❗
絹のような光沢のある、しなやかな手触りの音楽は 工芸品をみるような美しさでした。最後の主題に戻る直前、ペダルをしっかり踏んで すべての弦が共鳴した瞬間の虹色のような煌めきは ゾクゾクしちゃいました🌈

休憩のあとは
🎵ブラームス
しっかりと第1楽章の呈示部を反復する 丁寧な演奏。安価なビギナー向けの音楽会としては 果たしてそこまで…とも感じるくらい。
美しい旋律を存分に鳴らした演奏は 渋いブラームスとは対極。第1楽章の第2主題、第3楽章が極めつけでした。

8割以上入った大きな拍手に応えて、第3楽章をアンコール(楽譜を準備していたから織り込み済み)。綺麗でした。


ちょっぴり指揮者とオケ(特にヴィオラパート)との呼吸が微妙だったのが残念。一番期待したE.バッハで気になったのは 曲を一番知っていたかもしれません。
来年4月から札響の首席指揮者に就任とのこと。札幌に行って聴きたいかも です。

横浜の夜、空には高積雲が白くやわらかい光を反射していました。空は早くも秋の装い🌰
そういえば、今日は立秋ですね❗