小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーアのある部屋:ボッケリーニ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

真夏の首都圏。代休の今日はゆっくりスタート。
図書館に寄ったあと、お友達と馬車道でランチ。周さんのお店のちょっぴり濃い味は夏には良い󾮟今日は空いていたから お茶をお代わりしてのんびり 喫茶代が浮いた󾌳

その後、神保町で 登山屋さん巡りをしていたら、あっという間に3時間。チロリアンシューズが予定の半額程度で売っていたりすると、安いけど…と危惧をするも、価格にひかれて考えてしまい またまた購入を保留。そんなことをしていたらCD屋と本屋に寄る時間がなくなりました。


神保町から初台に移動。


近江楽堂で
19時~
小倉貴久子のモーツァルト クラヴィーアのある部屋《第13回》
に 行ってきました。
今回のゲスト作曲家は、ルイージ・ボッケリーニ[1743-1805]


私にしてみれば、12曲のチェロ協奏曲と幾つかの弦楽合奏曲を好んで聴いている イタリアの作曲家。ここで取り上げるからピアノ独奏曲があるのかと思いきや、やっぱり純粋なピアノ曲はないらしい。


今日のメンバーは
小倉 貴久子(クラヴィーア)
杉田 せつ子(ヴァイオリン)
懸田 貴嗣(チェロ)
の3人。

今日の小倉さんのクラヴィーアはワルターのフォルテピアノのコピーを使用。

まずは小倉さんのソロで

🎵モーツァルト:〈ロンドンのスケッチブック〉より小品 ヘ長調 K.15a

いつものように最初は 可愛い曲を反復するたびに おしゃれな装飾を加えて素敵に聴かせてくれます。

🎵ボッケリーニ:ヴァイオリン伴奏つきチェンバロソナタ ハ長調 Op.5-2

モーツァルトの初期のヴァイオリンソナタと同じ、ヴァイオリンが無くても大丈夫なソナタ。でも、このボッケリーニの曲はヴァイオリンがピアノの右手から独立する場面も多かったのが印象的。
太陽の輝く南の明るさがいっぱいつまった第1楽章からピアノの明るさが素敵でした。
ボッケリーニがピアノ独奏曲らしき作品を書いていたことにビックリでした。

🎵ボッケリーニ:チェロソナタ ト長調

こちらはチェロのボッケリーニの王道をいく 堂々たる曲。
チェロの技術を駆使した作品でした。
協奏曲ばかり聴いていたことを 反省。

後半は

󾠓🎵モーツァルト:クラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 K.303

これはヴァイオリンが主役のソナタ。
柔らかな序奏から芳しい。アレグロの主部では、ピアノのダイナミックな演奏が生きていました。
優雅なメヌエットはロココの絵画の世界の様でした󾠄

🎵ボッケリーニ:ヴァイオリンとチェロの伴奏つきクラヴィーアソナタ第6番 ト短調

小倉さんのお話によると、この曲はボッケリーニの真作か、良くわからない作品。ヴァイオリンとチェロ共々 ピアノの伴奏的に書かれているのは、ピアノソナタに第三者がヴァイオリンとチェロのパートを加筆した可能性も!
そんなことも考えつつ耳にするも、色鮮やかな転調がハッとさせられる第1楽章を聴けば 音楽そのものに魅了されました。

可愛い第2楽章とあわせて、小さいながら キラリと光る魅力的な作品を知ることができて、大満足。


🎵モーツァルト:クラヴィーア三重奏曲 ト長調 K.496

最後は堂々たるモーツァルトの作品。
規模からして、今までとの違いが明らか。 格の違いが明らかになる充実した曲でした。
終楽章の変奏曲は表情の変化がはっきりと また愉しく伝わってくる演奏が良かったです。

今日はボッケリーニ再発見ができた 素敵な演奏会。80人くらいの小さなホールでの贅沢な音楽会は イタリアやスペインからの南の風が心地よい 日本の夏の極めつけの清涼剤でした。

唯一、ヴァイオリンの杉田さんの音程が微妙に感じられたのが残念だったかも。

暑くて湿度の高い日本でのガット弦は大変です。          

それにしても帰りの京急の冷房、寒い。阪急の蒸し暑い冷房よりはいいかもしれませんが…