卵巣内PRP注入について外来でお問い合わせが多いので、(リプロダクションクリニックで実施する場合の)概要について説明します。なお、適応や詳細については、外来で医師とご相談となります。

 

①準備について

 血小板から成長因子を取り出して製剤化するために採血を約50mL行います。なお、この時に担当会社の方針により必ず感染症検査を行いますが、この費用の大半は採血費用に含まれます。

 

 血液は製剤化され、3週間後にバイアル2本になって返ってきます。この時点で使用可能になります。つまり使用する3週間前には採血しておく必要がありますのでご注意ください。

 

 なお、PRPは反復着床不全や内膜菲薄に対する子宮内注入と、卵巣機能改善のための卵巣内注入の2つの目的がありますが、検体作成は共通であり、どちらにでも使うことができます。採血実施日に特に制限・制約はありません(月経中でも採血可能、絶飲食不要、どの周期中でも採血可能)。

 

 使用期限は、検体作成から約半年となっています。詳しくは担当医にご相談ください。

 

②使用について

 卵巣内注入の場合は原則として採卵時に行うことにしています。

 効果は2~3か月かかりますが、注入した瞬間から効くわけではないので、1周期前の採卵時に注入し、翌周期が始まる頃には効き始めるだろうという考えです。なかなか採卵に至らない場合等は、別途外来で実施することもできます。なお、卵巣内注入は、両側に注入する場合も片側のみにしか注入できない場合でも共通で1バイアルのみ使用予定としております。1回の採血で、1回注入あたり効果2~3か月×2回分となります。

 

 子宮内注入は原則として1周期あたり2回実施(2バイアル使用)となりますが、絶対的なものではないので、卵巣内注入で十分な効果が得られて受精卵が得られた場合、余ったPRPを移植周期で子宮内に注入することも可能です。

 

 

なお、PRP療法は現在、リプロダクションクリニックで不妊治療を受ける方のみに限らせていただいております。すでに東京・大阪ともに採血を開始しておりますが、卵巣内注入の詳細や具体的なスケジュール等については、恐れ入りますが東京・大阪各クリニックの外来を受診して医師とご相談をお願いいたします。

 

 

卵巣内PRP療法についての一般的概要については、松林ブログをご参照ください。

PRP卵巣注入による卵子形成促進 

PRP卵巣注入による卵子形成促進 その2