ぐきゅるるるる。
聞いているだけで腹の空きそうな、その音。
幸い、今はからあげを持っている。
目の前の腹を空かせた少女にからあげを差し出し、問う。

かりんか「これ、食べる?」

俺なりの笑顔。怖いかもしれないけど。
少女は少し戸惑い、すんすんと匂いを嗅ぐと

ばくんっ!

一気に食べた。もぐもぐと咀嚼し、満面の笑み。
それを見て、俺はその少女の頭を撫でる。
少女は最初は不思議そうにしていたが、次第にこのことの意味が解ってきたのか
嬉しそうに頭を撫でられている。

暫くし、少女が口を開いた。

ルーミア「あなたは、食べてもいい人類?」
ある夜。
俺は暗くなった夜道を歩いていたんだ。
極端な静寂の中、聞こえてくるのは自分の足音だけでは無かった。
誰のものかもしれないソレは、しかし誰かの存在を証明していた。
足音は、離れない。だが
ぐきゅるるる。

…腹の音?待て待て、俺のでは無いぞ?
となると、
その音は、後ろで顔を赤くしている少女から発せられていた。
夜の暗さに溶け込むかのような、黒い服。
夜の空に浮かぶ月のように輝く、金の髪。
夜の中での異常性を示すような、白い肌。
夜の森で血に飢えた獣のような、赤い瞳。

それが、ルーミアとの出会いだった。
霜降ってた…!
もうすぐ師走ですわよ?霜月の到来遅い気がするね。

ってな訳で、この前薄着だったルーミアも服を着込んでモコモコです。
そんでもって公園へと繰り出すのさ。
霜がしゃくしゃくと。足音はさくさくと。
特に何をするわけでもないが、楽しいものだ。

2人でブランコ乗って、笑いあって。
そんな何でも無いような一瞬一つずつが幸せで。

気付いたら日も暮れて、寒さも増してきた。
そろそろ、家に帰る時間だ。
ルーミアと手を繋いで、2人だけの道を歩いて。
霜月は、さよならを告げた。
そろそろ寝るかと思い、着替えを用意して風呂に入ろうと思ったのよ。
あれ、ルーミアがどうみても風呂入ってない。
ルーミア、ちゃんと風呂入るんだぞ~。

ルーミア「一緒に入ろ?」

ん、えと

ルーミア「だって、すいかちゃんはゆうぎさんと入ってるし、ちぇんだってパパとママと入ってるんだよ?!」
    「だから、私たちも一緒に入ろ?」

そうか、そうだな。そこまで言うんなら入んないとね。
ルーミアはちゃんと着替えとあひるを持ってるね。おけ。
入ろうか。水掛けたり背中流したり、いつも通りラヴが止まらない――――!
名前変えた。
別に琳華って人がいたんよ。
ややこしいでしょ?ので改名。

刳乃_零歌.琳華/

くりの れいか りんかです。

難しい名前だ…。
…視線を感じる。
後ろを振り向くと、うん。ルーミアだ。
とりあえず、ルーミアの目を見つめる。
………じー。
ルーミアが赤面してそっぽ向いたのは何故?
それでも俺は見つめ続ける!

ルーミア「な、何でそんなに見つめるの?///」

いや、特に理由は無くてだな。
そうだ!にらめっこでもするか!

……じー。        ふふっ

お互いの顔を見ただけで思わず笑顔になる2人でしたー。
寒。
冬ですねェ霜月だ。
で、何でルーミアはこんな冬真っ只中に薄着なんですか?
流石に妖怪っても体調崩しやしませんの?
どう考えても寒い。薄いロンTとミニスカだけってのは
ほら言わんこっちゃ無い、くしゃみして震えて。
寒いんならちゃんと厚着しなさいな。

ルーミア「り、りんかにっ、あた、暖めてっ、欲しいの!」

震えが尋常じゃ無ェ。
まず服を着せます。もっこもこ。
布団を被せます。ばさっ。
布団に潜ります。ルーミアを抱きしめます。ばすっ。
ひたすらすりすり地獄。摩擦熱でハートに火を付けて!
ルーミアがプリキュア見ながら踊っています。
俺はその後ろのソファでくつろいでいます。
ルーミアの踊る様が可愛いのは周知の事実だよね。
真剣なところもまた可愛いルーミアなんですよ!
そこでふと、佐天さんのことを思い出したんだ。
佐天さんと言ったら下着御手(スカートアッパー)ですよね。スカート捲り。
ばさっ…。
何だ何だ何があったと云うのでしょうか!
目の前にはくまさんががががががが。
状況整理、無意識のうちにルーミアのスカートをアッパーしてしまった。
うわわわわごめんなさいルーミアぁぁぁああ!

ルーミア「りんかぁ!スカート捲るのはわたしに言ってからにしてよぉ!!」

…うん。え?
えと、捲りますよ?

ルーミア「……うん///」

ばさっ。え、何コレ?
突如ルーミアが凶暴化してしまった!
いきなり俺を押し倒してのしかかってきたんだ。
明らかにいつもと様子が違う。
そして俺は危険を感じて逃げようとしたんだが…

ルーミア「く、苦しいよぉ…///」

逃げようとした筈なんだが?
ルーミアが苦しいと思うほどに抱きしめているのは何故ですのん?
ちなみに凶暴化した訳では無かったそうな。
甘えようとしていただけだそうです。
結果的にルーミアをギュッて出来たし、ルーミアも喜んでいます。
ルーミアは今、俺にしがみ付いて寝ていますわ。
昨日さ、小学校の頃の友人が来たんさ。
同級生の子です。その子がいきなり家に来てさ。
何だかんだで駄弁りますかー、って展開よ。
ルーミアもちゃんと居たんだけど、挨拶してからは友人と俺とで盛り上がっちゃってさ。
ホモと腐男子の男の好みの違いとかの話でさ、ディープ過ぎてルーミア置いてけぼりで、
ルーミアが拗ねてしまって、友人が帰ってから何か俺に冷たい気がしたのね。
そのときはルーミアが冷たい理由をわかんなかったからさ。
でもソレを聞いてしまうのもダメと思ってさ。
愛でた。とにかく愛でた。俺に冷たくしたのは何か理由あってのことだろ?
だから、償えるなんざ思っちゃいない。せめて、ルーミアに喜んで欲しかったんだ。
そして、ルーミアの声が聞こえて。

ルーミア「寂しかったよぉ…。りんかぁ…!」

涙までながして…。何でルーミアをほっといたんだろうな…。
絶対にルーミアに寂しい思いをさせないと約束して、僕らは寝ることにした。
抱きしあめったまま。おやすみあれ。