みなさまこんにちは(^○^)
冬アニメは良作が多く、とても盛り上がったと思います。
なぜか逆の評価をしている人もいるようですが、間違いなく質量とも充実したクールでした。
選者が楽しんで視聴した作品についてまとめておきたいと思います。
手始めに、冬アニメの”異端の極致”といっていい、奇抜な作品からいってみましょう。
魔法少女にあこがれて、略称は”まほあこ”です。
「フリーレン」「薬屋」「ダンジョン飯」という優秀な2クール作品に囲まれた中でひときわ異彩を放ちました。
ちなみに、選者はAT-Xで”あこがれVer”を視聴済みです。
いやはや、ほんとうに妙ちくりんな怪作でしたね。
しかし、どうしてこんなにおもしろいのか、少し深掘りしておこうと思います。
まずは前半部のまとめからご覧ください。
では、いってみましょう!
もくじ
本作の感想など
意外性に富んだストーリーに脱帽です。
やはり、あらぬ方向に進んでしまいました。
なんと、うてな(マジアベーゼ)は、ついに悪の組織エノルミータの総帥に登りつめました。
しかし総帥としての活動方針「そう、われわれは、全力で魔法少女と戦い、いい感じで苦しめつつ、よきところで撤退とかして、悪役ムーブをかまそうと思います」(12話)
いったい、どういうことなんでしょうか。
本作のおすすめ度はやはり大きなクエスチョンマークあるいはエックスであるとしかいいようがありません。
みだりに人にすすめていいものではないようにも思えますし、いや大人のアニメファンにはこういうのもおもしろいでしょうね、とも思うのです。
選者もアニメ視聴歴は長いと思いますが、とてつもなく変てこなのに、こんなにおもしろい作品は初めてです。
本作にはストーリーらしきものはありますが、主人公うてながいつも成り行きまかせなので、いきあたりばったりに何となく進んでいきます。
やる気を見せたのは魔法少女狩りをしていたロード団との一戦ぐらいでしょう。
魔法少女のライバルを演じこそしますが、勝つ気はまったくないのでいつも堂々巡りとなるわけです。
この堂々巡りのどこがおもしろいのか知るために、本作の見どころであるプレイ内容と名言を各話ごとにメモしておこうと思います。
本作をご覧の紳士諸姉諸兄におかれましては適宜お役立てください。
プレイの一覧・1話から4話
序盤はうてなの悪役デビューとトレスマジアとのバトル(いや戯れか)が描かれます。
うてなの仲間としてキウィ(レオパルト)が登場。
トレスマジアのメンバーと一対一のバトルも。
・うてなの恥ずかしい変身バンク (1話プロローグ)
・うてな、魔法少女トレスマジアとの初戦。花を魔物化して拘束。お尻が赤くなるまでスパンキング(1話Aパート)
・トレスマジアのフル変身バンク、決めポーズをとりますが前日、叩かれたお尻が痛い(1話Bパート)
・うてな、トレスマジアとの2戦目。マネキンを魔物化し、くすぐり責め(1話Bパート)
・うてな、教室で魔法少女との妄想にふける(2話アバン)
・うてな、マジアアズールと対戦。お面を魔物化して拘束し、もてあそぶ(2話Aパート)
・うてな、マジアサルファと対戦し拘束。ローソク責めを加えるも反撃されて逃亡。はじめてマジアベーゼと名乗る(2話Bパート)
・レオパルト登場、戦闘となったものの、うてなは電球を魔物化し、レオパルトを監禁し電気ショック責め。観念したキウィと仲間になる(3話Aパート)
・トレスマジアとの3戦目。初めてのチーム戦となる。そのさ中、花の魔物でマジアアズールを拘束し胸にスパンキング(3話Bパート)
・トレスマジアとの4戦目。触手で捕え、あられもない状態を高みの見物(4話アバン)
・マジアアゼンタ、マジアベーゼに一騎打ちを挑む。はさみを魔物化したベーゼに服を切り裂かれてしまう。テスト勉強のためそそくさと退却するマジアベーゼ(4話Aパート)
・マジアアゼンタ、マジアベーゼに再戦を挑む。ベーゼははさみの魔物で奇襲。服を失うが大事なところだけシールで守っている。そんなマゼンタを”全力で推せる”と鼻血を出すベーゼ(4話Bパート)
・トレスマジアとの5戦目、マジアサルファの攻撃形態にベーゼたちは苦戦しながらも全力でバトル(4話Cパート)
プレイの一覧・5話から8話
5話からこりす(ネロアリス)が加入し、魔力を込めたドールハウスをつかった新戦法が登場し表現の幅が一気に広がりました。
こりすにとっては、楽しいままごと遊びです。
こりすのドールハウスは強力ですが、こりすが眠くなると終了します。
マジアアズールは、ベーゼのたび重なる責めに被虐の悦びを開花させていくのでした。
・トレスマジアとの6戦目、新加入ネロアリスのドールハウスの中に取り込まれる魔法少女たち。操られておもちゃにされるマジアアズール(5話Bパート)
・こりす(ネロアリス)が大切にしているぬいぐるみを繕ってあげたうてなでしたがカゼをひいて苦しそう。こりすは、ドールハウスの中にウテナを取り込み、お医者さんになってうてなを治すのでした(5話Cパート)
・トレスマジアとの7戦目、とりもちのような粘液で攻撃するベーゼ。そこには服だけ溶かす成分が含まれていてあられもない姿となる魔法少女たち(6話Aパート)
・悪の組織の気配を感じて急行するマジアアゼンタ。そこにはネロアリスが待ち構えていて、たやすくドールハウスに取り込まれてしまいます。気付くとアゼンタは赤ちゃんになっており、ママ(ネロアリス)と過ごすことに。おむつ替えシーンが見どころ(6話Bパート)
・トレスマジアとの8戦目、マネキンに捕まりくすぐり責めを受けるマジアアズール(7話Aパート)
・マジアアズールの入浴シーン(7話Bパート)
・マジアアズールは単騎でマジアベーゼに挑戦する。しかし拘束され、三角パンダの上で責められたあげく、ついに完全屈伏してしまうのでした。このエピソードは本作の極北ともいっていい到達点です(7話Cパート)
・悪の組織エノルミータ内部で反乱を起こしたロード団との対決。魔法少女狩りが行われていたことに激怒するうてな(8話Aパート)
・ロード団の刺客として送り込まれたロコムジカとレオパルトが対決。押され気味になるレオパルトをネロアリスが救う(8話Bパート)
・討伐失敗によりロードエノルメから鞭打ちのおしおきを受けるロコムジカ(8話Cパート)
プレイの一覧・9話から最終話
ロード団とマジアベーゼたちの戦いが描かれます。
最終話でのマジアアズールの覚醒も見どころ。
・ロコムジカとルブルブルーメに再戦をいどむベーゼたち。影に潜むルブルブルーメの精神操作攻撃に押されるが、3人の連携で逆転勝利。うてなはロコムジカに恥ずかしい罰ゲームを命じますが、これがロコムジカの意外な進歩をもたらすのでした(9話Bパート)
・ロコムジカとルベルブルーメが投降。しかしうてなは魔法少女狩りが許せず、”みそぎ”を強要するのでした。二人の百合の濡れ場に満足してほっこりするうてな。このエピソードも表現の限界に挑戦しました(10話Aパート)
・シスターギガントと対決するレオパルト。彼女の真の能力が開放されます(10話Bパート)
・シスターギガントとの対決に決着をつけるレオパルト(11話Aパート)
・ロードエノルメに一騎打ちを挑むマジアベーゼ。イメージを操作し敵を少女化するという大技を繰り出します。ロードエノルメのお尻にスパンキングのおしおきを加えるベーゼ(11話Bパート)
マジアベーゼ名言「ロードさん、わたしが正義に目覚めたといいましたね。か弱き人々を守り平和のために戦う、それは魔法少女の役目、そうあるべき、、、だからわたしはマジアベーゼなんです」
・うてなはマジアアズールの背中から臀部をマッサージ。うてなの指がついに局部に達し、アズールも興奮を隠せないようです(12話Bパート)
・トレスマジアとの9戦目、ネロアリスの魔力で巨大化させられたマジアアゼンタ。服の中からくすぐるベーゼとレオパルト。それを追ってきた魔法少女たちはアゼンタの下着の中まで入ってしまうのでした(12話Cパート)
マジアマゼンタ名言「巨大化して、かじられて、くすぐられて、エノルミータって何がしたいの!?」
・キウィがうてなのために用意した紐ビキニが際どすぎました(13話アバン)
・トレスマジアとの10戦目、タコが苦手なマジアサルファに触手責め。なぜか味方もタコの足に捕まってしまいサービスタイムです(13話Bパート)
・タコの魔物を一掃したのは薄氷巫女(うすらいのみこ)に進化したマジアアズールでした。しかしその進化は痛みなどの被虐の快感を力に変えるものだったのです(13話Cパート)
マジアサルファ名言「ええふうに言うても、変態と変態が楽しんでるだけやろ!」
本作の特異性について
本作の特異性は、ヒロインの柊うてな=マジアベーゼの風変りなキャラ設定に由来しています。
おとなしい外見と性格をもち、魔法少女トレスマジアの”推し活”をしていましたが、隠された独自の嗜好を、ヴェナリータに見いだされ、マジアベーゼとして覚醒していく様子を描くストーリー。
それに、ヴェナリータは謎の存在であり、その正体も目的も不明です。
魔法少女サイドにも、色違いのヴァーツという存在がいるのがヒントでしょうね。
頭文字もVで揃っていますし、何の関係もないとは思えません。
さらに、その姿はどうしてもまどマギのQBをほうふつとさせ、まさかとは思いますが、宇宙エネルギーのエントロピーを防ぐためにうてなたちの魔力から膨大なエネルギーを回収!しようとしているのではないでしょうね。
(画像は、うてなの母。やさしそうなお母さんのもとでふつうに育ったうてなでしたが・・・)
悪の組織エノルミータの戦闘員たち(うてな他4名)は魔力の強さに応じて肌に星形の模様が浮かびます。
ウテナの場合は目尻に一つずつの星2つという設定のようですが、じつは瞳も星形に変わっておりますので特別な力をもっていることの暗示かもしれません。
ちなみに、こりすはひたいに、キウィは服の下の秘密の場所にあります。
本作のOP「My dream girls」の一節、サビの部分ですが
「あこがれるだけじゃなくて
夢にみるだけじゃなくて
なりたい変わりたい
好きがわたしの源(みなもと)
瞳の奥が奪われてしまった日からずっと
色あせない
My dream girls」
瞳の奥が奪われたのは、目に焼き付いてはなれない魔法少女の姿と解釈するのが自然でしょうが、うてなの”瞳の奥”を奪ったのはヴェナリータではないのかと思うのです。
悪の組織の一員になるように、なんらかの改変なり改造を施したことを意味しているような気がします。
魔法少女は強いライバルがいてこそ輝くもの。
ライバル側(うてなたち)にも強い動機が必要。
それは世界征服などではなく、魔法少女への強い愛情、好きだという気持ちで戦うのがマジアベーゼなのです。
うてな名言「きょうはここまでですから、また、楽しいこと、しましょうね」(2話)
「戦いたくなんてないんです。みんなかわいくて強いから、、、可愛いからぁ、、、めちゃくちゃにしたいだけなんです」(3話)
一つの論拠として、世界征服をもくろみ強者による支配を正当化するロードエノルメに対しては、
「だめだぁ、ずっと何言ってんだこの人。つまらなぁいつまらないつまらないつまらない。何一つテンション上がらない」(11話)
まったく理解を示さないのです。
マジアベーゼのSMチックな責めの元ネタは、ヴェナリータがうてなに提供したSM誌(エロ本)です。
拾ったそれを見るだけでなく、自宅にも持ち込んでしまって暇さえあればながめているようです。
そんな本を見ているうてなが変わっているのか、それとも女子でも見ている人がいるのかは不明ですが、珍しい設定だと思います。
うてなの性癖と本による学習が、7話でのマジアアズールへの三角木馬責め(作中では三角パンダ!)へとつながっているのでしょう。
予備知識がなければそんな責め方できないはずですものね。
マジアベーゼ名言「へらへらするんじゃありません。
もしかしてあなた、闇落ちしようとしてますか。
正義のヒロイン、トレスマジア、すべての女の子のあこがれ、そのあなたが、、
悪の組織に媚びへつらう、、
いけませんいけませんいけませんいけません、、
解釈違いにもほどがある!
ヒロインとしての矜持をもちなさい!」
いきなりすごい説教をするものだとのけぞった人が多いのではないでしょうか!
被虐性向のマジアアズールを完全に屈服させたことよりも、魔法少女を闇落ちさせることがめちゃくちゃ嫌だったのですね。
「解釈違いにもほどがある!」というパワーワードをもってアズールのみならず視聴者をも説諭していると思われます。
本作をただのエロ作品として見るなよ!と。
つまり、マジアベーゼの魔法少女に対するSMプレイは、魔法少女を戦いに駆り立てるため、本気を出して戦ってもらうための悪役ムーブにすぎないといいたいのでしょう。
ぶっちゃけますと、マジアベーゼとして真剣に悪役を演じているのに、マジアアズールが戦いを放棄して快感に屈服するなど言語道断だと怒ってしまったのだと思います。
それにしては、うてな本人もだいぶ愉しんでいるように見えますけどね。
うてなが魔法少女を愛好し、あこがれをもって追いかけているのは確実なのですが、「めちゃくちゃにしたいだけ」と叩き、くすぐり、恥ずかしいめに遭わせているのはどうしてでしょうか。
その答えは、うてながほんとうに好きなのは、魔法少女というコンセプトあるいはストラクチャーであって、その中身である少女そのもの(の肉体)にはさして興味がないからではないかと考えます。
それは、うてな本人も少女であって、自身と同じ少女を愛好しているわけではないからでしょう。
なので、うてなに百合属性はないものと思うわけです。
ちなみに、ホテルに誘いまくるキウィや、ロコムジカ×ルベルブルーメという百合カップルも作中にはおりますので、本作を百合アニメの一つとカウントすることを否定するものではありません。
うてなの魔法少女に対する考え方をよく表わしているシーンがありました。
ロード団が各地の魔法少女を倒してしまったことを知り激怒、ヴェナリータに向かって思いのたけをまくしたてたところ(8話、12分56秒~13分30秒)
うてな「それよりです。魔法少女狩りって、なんですかぁ!
そういう作戦があるならなぜ事前に教えてくれないんですか?
そもそも、魔法少女を狩るっていうのが理解できないんですけど、どう考えているんですか?
何もわかってないみたいですが、魔法少女っていうのがどれだけ大切な存在なのかもう少し考えてくださいっ!
わたし怒ってるんです!
ロードさんたちにも、ヴェナさんにもです。
魔法少女をもっと大事にしてもらえませんか!
わたしの話聞いてますか?
おそらくヴェナさんのなんらかの思惑どおりに動いているのは不服ですが、ロードさんたちは絶対に倒しますのでっ!はい」
ヴェナリータ「君って、元気だよね」
これによると、魔法少女はとても大切な存在であり、みんなで大事にしなければならない人間国宝のようなものと考えているようです。
一つの反論としてうてなが、ロコ×ルベルの百合の営みを半ば強制し、ほっこりしながら観戦していた(10話)のはどういうことなのでしょうか。
それは、「マジアベーゼが満足するまで出られない部屋」に二人を閉じ込めた際に、変身させたことにヒントがあります。
悪の組織の少女たちも変身をへて戦いに挑むという点で、魔法少女と似ているのです。
うてなの嗜好はそういった、変身するキャラクター全部に広範囲に及んでいる可能性があると思われます。
うてな(こりすの変身を見て)「は?かわいいかよ。ちょ、ちょ、しゅごい!かわいいー!アリスモチーフは女の子のあこがれよ。お、お、お持ち帰りしたい~」
キウィ(レオパルト)「うてなちゃん、あたしのほうが(かわいいでしょ)」
うてな「もちろん、キウィちゃんもかわいいでしょ!軍服モチーフも最高。えもーい!百億点満点!変身ヒロインはみんな神!」(5話)
変身ヒロインを見て、いちいち興奮するうてななのでした。
本作のおすすめ度と評価
本作のアニメーションは過不足なく動いていたと思いますが、作画をいいという人はあまりいないのではないでしょうか。
しかし、ダメなものではなく、味のあるものだったといえそうです。
いわゆる、ヘタウマな表現というか、アニメらしい表現というかなんというか。
ただ、あまり精巧な作画にしなかった理由もわかります。
それは、肌色の多い場面が刺激的になりすぎるからでしょうね。
本作の制作は老舗、旭プロダクションが担当。
異端ともいえる本作で表現の限界に挑んでくれました。
そのチャレンジングな姿勢に拍手を送りたいと思います。
本作の良くない点は、主人公サイドが悪の組織であり、悪行をはたらくわけではないものの、やはり”不道徳な感じ”はつねに漂っていたこと。
魔法少女をいやらしい方法で責める表現に拒否反応をされてもいたしかたありません。
小学生のこりす(ネロアリス)を登場させドールハウスを用いた、ごっこ遊びやイメージプレイもかなりグレーゾーンまで表現していました。
これもうまいキャラ設定で、かりにこりすがうてなたちの同級生だったと仮定すると、もはや収拾のつかないものになっていたことでしょう。
本作の良い点は、魔法少女をテーマとした作品でありながら、今までになかったまったく見たことのないストーリーを見せてくれたこと。
ほんとうに、驚きの連続でした。
そして、笑いを含んだシナリオもよかったですし、明るい作風もいいと思います。
うてな=マジアベーゼというひじょうに興味深く、超個性的なキャラクターを生み出したことは高く評したいと思います。