23年秋アニメ備忘録① 薬屋のひとりごと など | コアラのブログ

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アニメまとめ・好きなこと

みなさまこんにちは(^○^)

2024年もよろしくお願いいたします。

新年早々、お見舞いを申し上げなければならない天災や事故があって暗いスタートでした。

いずれもまだ決着にはほど遠いので、頑張っていただきたいと思います。

秋アニメはたいへん盛況のうちに幕を閉じました。

選者が楽しんで視聴した作品について簡単に述べたいと思います。

本記事でもっともおすすめは「薬屋」と「ひきこまり」となります。

その他の作品の見どころやおすすめ度についても述べました。

お気に入り作品を発見してもらえたら幸いです。

なおはじめての試みとして、記事「秋アニメあれこれ」との連続性を重んじ、記事の並びを統一しております。

以下のリンクからたどれますので、参照してみてください。

 

 

では、いってみましょう!

 

もくじ

  1. 魔法使いの嫁 SEASON2 第2クール
  2. ひきこまり吸血姫の悶々
  3. 薬屋のひとりごと
  4. ゴブリンスレイヤーⅡ
  5. 盾の勇者の成り上がり 第3シリーズ
  6. 豚のレバーは加熱しろ

 

 

 

魔法使いの嫁 SEASON2 第2クール

 

本作の印象は、ホッとするエンディングではありましたが、全体に暗く、終盤の盛り上がりに欠けるきらいがあったという印象です。

フィロメラを救うというストーリーに収れんしたとはいえ、謎や課題は残りました。

次章が明確に示されましたのでSeason3に期待したいと思います。

本作のおすすめ度は、条件付きで高いと申しておきましょう。

それはSeason2の1話あるいはSeason1まで遡ってみてもらえる人ならおすすめという意味です。
本作のストーリーはカレッジで起きた大事件、「禁書紛失事件」「魔力強奪事件」の一部解決と、チセの友人フィロメラの救済までを描きました。

禁書は回収できそうでしたが、再び真の首謀者に奪われたようです。

とにかくフィロメラを助けることができたのは良かったと思います。

本作の名シーンとして、魔術書(禁書)に浸食されたフィロメラを追いたい(助けたい)というチセたちを学長先生が完全論破したところ(19話)

学長先生「諦めなさい。アレは(フィロメラのこと)見るからに魔術書の中にいるものの浸食をうけすぎている。

人間ではなくなり始めているのさ。

じき、体も精神も崩壊して終わるはずだ」

チセ「だから彼女を(カレッジの封鎖を解いて外部に逃亡させることによって、結果として)殺してもよかったということですか。

(フィロメラの逃亡を)抑える気なんてなかったのは分かります」

学長先生「わたしはこのカレッジの責任者だ。生徒たち、教師たちの安全と健康を優先しなければならない。自滅することが分かり切った者に時間を割くことは賢い選択ではない。

それとも、ここにいる全員の命を天秤にかけて、彼女ひとりを助けるべきだと?」

チセ「それは・・」

学長先生「あるいは、君ならどうにかできると?その蛮勇で今まで難問を解決してきたかもしれないが、残ったのが(竜の呪いを引き受けた)その腕ならば、愚かとしか言いようがない。

チセ・ハトリ。君の友人を守りたいなら、、、みじめったらしく己の満足をなでるだけの情愛を引っ込めなさい!

ほんとうの大人なら、ときに若者をこてんぱんにして矯正することも必要な教育だと知っています。

その後、エリアスの機転で学長先生に反抗し、フィロメラを追うまでのシーンも見どころです。


本作のシナリオはしっかりしているものの、後半部はやや丁寧に進めすぎたようにも思えます。

事件の実行役が判明してから解決まで7話分の尺を使いましたが、5話程度にまとめることもできたと思います。

主人公チセともう一人のヒロイン・フィロメラについては十分に表現できていたと思いますが、友人たち、とくにリアンとアイザックについてはいま一つで終わってしまったようです。


本作のキャラデザで特に観ていただきたいのは、人間よりも妖精や古き神、獣人などです。

ひじょうに手の込んだデザインでいつも感心させられますし、何度も観てしまいます。
本作の作画は素晴らしい上質さを維持しています。

ただ、バトルシーンの明度がかなり低く何がどうなっているのか良く分からない場面がありました。

見えなくていい、グログロしい部分なのかもしれませんけどね。
本作のアニメーションも素晴らしく、登場人物の多いシーンや人間以外の異形が動くシーンの素晴らしさを堪能しました。

本作の演技はチセを演じた種崎さんとフィロメラを演じた河瀬さんがたいへん良かったと思います。

フィロメラは懊悩と苦悶のキャラクターでしたのでたいへんだったと思いますが、見事に演じ切ったことに拍手。

本作の良い点は、アニメ作品としての総合力が高いことです。

本作専業のスタジオカフカによる手抜きのない作り込みにスキはありません。

芸術作品と呼べる水準に達している作品は多くないのが現実ですので、本作の存在は貴重です。

本作の良くない点は特にありませんが、ちょっとだけ再登場するキャラがけっこういますので、Season1を知っていると視聴がもっと楽しくなるかもしれません。

もう一つあげるとすると、もっと宣伝なり紹介なりもっとメディアに出した方がいいということでしょうか。

本作の存在をもっと多くの人に知ってほしいものです。


さて、Season3は「獣殺し編」とのことで、思いつくのはチセの左腕に宿る「赤い竜」ですかね。

期待しながら待ちたいと思います。

 

ひきこまり吸血姫の悶々

本作の印象は、ほどほどのおもしろさと、可愛いキャラクターが印象に残り、どちらかと問われれば、続きがあるなら観たいという感じです。

笑える部分もあり、ガールズアニメ要素もあるのですがかなりハードなバトルシーンもあります。

普段は専属メイドに甘やかされていますが、いざとなると主人公のコマリが最強ですのでバトル展開はシンプルです。

ところで、外国の人が本作のタイトルを翻訳したものを、さらに日本語に戻したんだとおもいますが「ひきこもり吸血鬼の煩悩」というのがありました。

いや、それは違うだろう!

そりゃ、コマリンにも煩悩はあるのでしょうけどね。

インドア派ではありますが引きこもってもいませんし・・・

もしかしたら、間違った意味で本作のタイトルが外国に伝わっているのかもしれませんね。

やはりタイトルというのは大切なものだなと思いました。


本作のおすすめ度は、やや高めで一見の価値はあると思います。

”死”に二種類あるという世界設定がなかなかユニークでおもしろくバトル展開も大胆です。

ちなみに、転生・召喚系ではありません。


本作のストーリーは、帝国の七紅天(しちぐてん、将軍)を務める主人公がテロリストや隣国の刺客と戦うというものですが、ふだんは非力で引きこもりがちな主人公の覚醒とその強さには秘密があって・・・といいう感じです。

その間に、主人公を慕うサブヒロインが登場します。

主人公隷下の第7部隊は個性的な面々ですが、そろいもそろって主人公が大好きという軍団です。

戦いでもけっこう強いようでが、そのモチベーションときたら・・・
本作のシナリオはほどほどにまとまっていて不満はないのですが、独特の世界観や用語にひっかかりを感じることがありました。

本作のキャラデザは可愛らしさ重視。

主人公はもちろん、サブヒロインたちの造形に力が入っており好感が持てます。

その分、男性キャラは一般的なわかりやすいものになっていて差をつけましたね。

本作のキャラ設定では、吸血鬼なのに血液が苦手という主人公の設定が面白く感じました。

吸血するシーンもありますが、その表現もなかなか奥ゆかしいというか、キャラどうしの関係を深めるものとなっているのもいいと思います。


本作の作画は比較的良い方ですし、かわいいキャラクターをよく動かしており、本作の見どころになっています。

色づかいも明るめで良いと思いました。
本作のアニメーションは日常シーン・バトルシーンとも違和感なく動いていたので支障はありません。

本作の演技は女性陣はもちろん、軍団員の男性声優も個性を発揮してがんばっています。

主人公の楠木さん、専属メイドの鈴代さんはもちろん、サクナ役の石見さんの熱演がナイスでした。


本作の良い点は、独自の世界観によりバトルに緊張感があることに加え、覚醒後の主人公が頼もしいぐらい強いので爽快。

そしてキャラが可愛いし、演技もいいですね。

本作の良くない点は、やや説明不足だったところ。

主人公が何と戦っているのかわかりやすくしてもらいたいと思いました。

本作の評価は、独自の世界観とキャラ設定、そして可愛らしいキャラデザに、しっかりした演技がついておりおもしろい作品だと思いますので高めの評価となります。
 

 

 

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薬屋のひとりごと

本作の印象は後宮で起きる争いや事件を、”毒薬”をキーワードに説き明かすミステリーであり、そこに女性ならでは愛憎をからめての悲哀を表現した作品だったなと思います。

身分の高低・財力の強弱はともかく、後宮特有の価値観、皇帝の寵愛という第三の要素を奪い合っていました。

特に10~11話は謎解き回で、笑いやドタバタ要素少な目でじっくり描いていました。

まさに名探偵猫猫(マオマオ)でした。

本作のおすすめ度は、高めです。

作画がキレイですし、悪趣味なシーンもありませんので視聴しやすいと思います。

主人公猫猫(マオマオ)を悠木あおちゃんが演じていますので飽きさせません。

なお、本作は冬クールに続いていますので、今からでも新作を視聴できますし、1話から追い上げ視聴するのも楽だと思います。

本作のストーリーは、主人公が毒薬や医術の知識を用いて、いくつかの事件を解決し人助けをしていきます。

しかし、とある毒殺未遂事件に関して、主人公のあずかり知らぬところで犯人との関係が指摘され、後宮を追われることとなって前半クールが終わっております。

主人公は復権できるのか、上司とも相棒ともいえる高官・壬氏(じんし)との関係はどうなっていくのか、などなど期待できる展開です。

本作のシナリオは後宮の華やかさと、陰惨な権力争いの光と闇をうまく描いていると思います。

落ち着いた雰囲気の台詞回しで、情報量も適切であり良いシナリオです。

本作の作画はかなりがんばっている印象を受けます。

動きを極力少なくしているかもしれませんが、その分建物の外装及び内装を詳細に描いており、かなりの労作だと思います。
本作のアニメーションは良くも悪くもありませんが、華やかさやきれいさを違和感なく表現しており、技術を感じさせる仕上がりです。

本作の演技は、主人公役のあおちゃんの演技力が光っているだけでなく、要所に実力派を配し、聴きごたえのあるドラマに仕上げています。

本作の制作はTOHO animation STUDIO。

比較的新進の制作会社ですが、本作の出来栄えからすると今後も期待できそうです。

本作の良い点は、ドラマのおもしろさが第一にあげられると思います。

天才声優悠木あおちゃんの演技の幅の広さ。

後宮の内外の作画に見どころが多いことなどですね。
本作の良くない点について、特筆すべき点はありません。

あえて申せば、登場人物などの名称が覚えづらいことぐらいでしょうか。

本作の前半クールの評価は、やや高め。

ドラマがおもしろいのでつい引き込まれます。

あおちゃんの演技に聴き入ってしまいますし、後半クールも期待できそうだと思います。

 

 

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ゴブリンスレイヤーⅡ

本作の印象はⅠ期とはかなり雰囲気が変わったなと思いました。

制作会社が交代したせいもあり作り手によって作品への解釈は変わるのでしょうが、大幅なイメージチェンジは議論を呼びそうです。
本作のおすすめ度は、Ⅰ期や劇場版を観た人ならどうぞ、という感じです。

Ⅱ期が初見の人にはおススメしづらいかもしれません。

対ゴブリンに特化したバトル・アニメというジャンルに変更はないものの、肝心な対ゴブリン戦の描写が正直に申してパッとしなかったと思うからです。

ピンチに陥っても何となくクリアしてしまうし、基本的に通常タイプのゴブリンは弱小ですので、それをプチプチとつぶしている作業ゲームのような感じでした。

また、本作ではゴブリン以外の敵とのバトルもあるのですが、おまけ要素的なものにしか見えなかったのは残念。

本作のストーリーは、10-12話での王族の救出が目的の「死の迷宮」探索がハイライト。

勇者パーティーやら、王族やらも登場しにぎやかなものですが、主人公たちの冒険は少し地味なものだったかもしれません。

本作のシナリオは、つまらないわけではないのですが、おもしろいとか、ワクワクするという水準には届いていない印象。

やや雑然としているし、視聴後の満足感も不足ぎみでした。

本作の女性キャラのキャラデザこそ意欲的に作り込まれていたと思いますが、男性キャラのほうはいま一つではなかったでしょうか。

ゴブスレさんは仮面なのでいいのですが、ドワーフや蜥蜴僧侶については最後まで違和感が抜けませんでした。

そういうわけで、本作のキャラ設定はしっかりした作り込みがなされているキャラとそうでないキャラの格差が大きく、見直しが必要かもしれません。

さらに、敵方のゴブリンの設定も表情豊かになっているのはおもしろいのですが、ゴブリンにはもっと悪賢く、小憎らしいことをもっともっとしてもらいたかったと思います。

本作の作画・アニメーションは比較的良好だったと思います。

丁寧に作られている印象は受けました。

しかしバトルシーンでの、特に剣を振るう動作がどうもしっくりきていないような気がしましたし、”そうはならんだろう”と思うところもありましたね。

本作の演技は、ベテランと中堅の組み合わせでまとまりがよく楽しめました。

特に、妖精弓手役のなおぼうの演技がのびのびハツラツとしていて、たいへん気分がよいものだったと思います。

本作の制作はライデンフィルム。

エンドロールで気付くと思いますが、監督始め女性スタッフが多く、サラリとした風合いで丁寧に作られていたところは好感が持てます。
本作の良い点は、女性キャラの表現がたいへん可愛らしく、表情の動きがとてもよくなっていることですね。

特に、女神官、妖精弓手、牛飼い娘には作り手の思いが込められているのか、活き活きと動いておりとても良いなと思いました。

また、(多分)お風呂が大好きな女性の視点で描かれていると思われる健康的な入浴シーン(10話)には感心させられました。

本作の良くない点は、バトルシーンへの理解度が問われるような描写が目立ったこと。

中でも、ゴブリンというやっかいな敵への過小評価というか、理解不足があったと思います。

控え目な暴力描写は本作の美点の一つですが、もう一工夫、ゴブリンの脅威を数の多さだけでなく、狡猾で嫌味な害悪であることを表現すべきでした。

本作の評価は、ちょっと微妙な作品になってしまったかなという印象です。

とはいえ、観るべき点もなくはないですし、今後Ⅲ期を期待するなら、いちおう観ておいてもいいのかなと思います。

 

 

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盾の勇者の成り上がり 第3シリーズ

とてもおもしろかったという感想です。

第1はもちろん第2シリーズよりグンっとおもしろくなった印象です。

本作のおすすめ度は少し悩みますが、長編の異世界召喚系作品でこのスケール感はめずらしいといえますし、記事内の画像から何かお感じになった人には一見の価値ありと申しておきましょう。

適切な表現かどうかわかりませんが、選者はこの第3シリーズで本作の主人公尚文をようやく信頼する気持ちになりました。

なぜかというと、ヒロインたちを見事に育て上げているし、領主としても大きな器でしっかり経営しているからですね。

失礼ついでにもう一ついうと、本作のタイトルが嫌だったのですよね、みすぼらしくて。

でも、英訳すると「The Rising of the Shield Hero」だそうです。

おぉこれは、けっこうカッコイイなと思ったのは事実。

本作のストーリーは、”霊亀”につづく”鳳凰”復活までの幕間と準備を兼ねて四聖勇者の集結。

加えて、新しい仲間との出会いと関係を深めること、終盤で意外な真実の暴露とそれによる新たな戦いへの出発といった流れで進行しました。

リーシアの強さにびっくりするとともに、弓の勇者への一途な思いを遂げたのは感動。

今後のストーリーのかぎとなりそうなハクコ種の少女アトラ、及び竜つかいのウィンディアの成長は大きな伏線となるでしょうね。

(ヒロインたちとの出会いのほとんどが奴隷商というのが本作のちょっとイヤな部分ではありますが・・・)

本作のシナリオは多くの登場人物をうまくさばいていますし、分かりやすいですし、盛り上げ方もいいですね。
本作のキャラデザは多彩な個性を良く表現できていますし、女性キャラは可愛らしさや愛嬌重視。

また、悪役の表現もほど良く強く、悪役に徹していていいですね。

ラフタリアの体毛いや毛髪から生成された、常に主人公ラブの式神ラフちゃん(2期9話で登場)が可愛い。

本作の作画は全般にかなり良いのですが、後半やや息切れしたのかキャラの顔が変わってしまうなどの傷みが見られました。
本作のアニメーションはバトルシーンを中心に良く動かしている方だと思いますし、可愛らしいキャラの可愛い表情をより引き立てるアニメーションも多数。

見どころが多い作品に仕上がっていますね。

本作のOPは今季観た作品の中でもっとも気に入りました。

楽曲とアニメーションがほど良く合致しており、端的にいってかっこいいです。

下のリンクからぜひご覧になってみてください。

 

 

特に気に入ったのはタイトルバックにかぶせながら、シルエットとモーションでヒロインたちを表現したシーン(6秒から16秒)

雪の街道をいく一行。フィーロちゃんの息が白く出ているところ(18秒)

あ、体温があるんだな、あったかいんだろうなと感動。

水平線に昇る朝日に笑顔を向けるラフちゃん(26秒)

闘技場での戦いを前に、モーニングスターを振り回すフィーロちゃん(39秒)

バトル大好きなんでしょうね。

ビッチの悪い顔ときたら・・・(1分15秒)

そして強烈な敵の攻撃を身を寄せ合ってしのぐ主人公トリオの強い視線がかっこいいです(1分25秒)

本作の制作はキネマシトラス。

良い仕事をしていると思いますし、(選者が)好きな絵をたくさん見せてくれる、好意のもてる制作会社ですね。

予備知識のない新作でも、キネマシトラスなら観てみようかと思います。


本作の良い点は、登場するキャラの成長や進化を丁寧に取り扱っている点。

バトルの表現がおもしろいところ。

特に、主人公が盾の能力で戦う点が目新しいと思います。

しかも本作では四聖勇者の共闘という新しい展開に期待を持たせてくれました。


本作の良くない点は、キャラがかなり多いところ。

ストーリーの転換がやや唐突に感じるところなどです。


本作の評価として、第3シリーズは過去シリーズの中で最もおもしろいし、次のシリーズへの期待感がありますので、高めの評価をしております。

第1第2シリーズの振り返りも楽しみです。

 

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豚のレバーは加熱しろ

本作の印象は、とても悲しい冒険譚であり、豚になるという大変身をしてまで成し遂げた純愛ストーリーだったなと思います。

ただ、本作は制作サイドの力量不足により、最終話が放映されておりませんので最終話を観て印象が大きく変わるようなら記事を追加するつもりです。(追記:24年2月5日から各局で最終話が公開されます)

次はどうなる?という冒険要素や謎の多いヒロインについての種明かしが徐々に進み、視聴者を引き付ける力を持った作品、いや、そういう作品になるはずだったと思います。


本作のおすすめ度は低めです。

アニメ作品としての完成度の低さはいかんともしがたいと思います。

特に9話以降の作画崩れやテキトーなアニメーションはひどいといわなければなりません。

ヒロインはじめ女性キャラのデザインは良かったのですが、それすらもあやしくなり情けない状態。


本作のストーリーは悲しい境遇のヒロインが”転生者の豚”と心を通わせながら、運命に立ち向かうというもの。

10話でついに目的地に到達します。

しかし、11話で明かされたヒロインたちイェスマの成り立ちと秘密は、希望の持てるものではありませんでした。

むしろあまりのひどさにあ然とするレベル。

最終話では、ヒロイン・ジェス(CV楠木さん)と豚(CV松岡くん)の運命に抗うアクションが期待されます。

豚の名言「やはり、この豚足では(ジェスの)あたまをなでてやることはできない」(10話)


本作のシナリオはしっかりと物語を紡いでおりました。

しかし、シナリオによって作画やアニメーションが決まるのなら、まだまだ工夫の余地はあったものといわざるをえません。

作画がほんとうにダサすぎでした。

本作のキャラデザは、ヒロインと数人登場するイェスマたちはまだしも、その他のキャラクターのそれはいいとはいえません。

主人公たる”豚”のデザインもまるまるとしすぎてブタとは呼べないだけでなく、終盤では明らかに変形して得体のしれない塊りのような感じでした。

ブタを主要な登場キャラとして作画で表現した例として、本作と比べるべくもないですが、ホーク(七つの大罪、CV久野ちゃん)がありますね(”紅の豚”を持ち出すのは畏れ多いので控えます)


本作の作画・アニメーションは旅立ちまでは”並み”な感じでしたが、旅立ち後は同じような野山を延々と歩くだけのまったくつまらない描写が続きました。

しかもその歩き方も独特でした。

本作のハイライトとなるべきバトルシーンが9話なのですが、”ブラックジョークですか?”と笑うくらいしかできないようなひどいものでした。

本来なら、作画崩壊で記憶に残すような作品ではないと思うのですけどね。

とても残念です。


本作の演技はしっかりした達者なもので、視聴を継続できたのはCVのみなさんのおかげです。

絵の付いたドラマCDを聴いているようなものだと思えばいいんですかね。

特にイェスマ役に楠木さん、富田さん、能登さんを配し、悲しいさだめの彼女たちの生き様を表現していました。


本作の制作はプロ9ですが、オーバーワークを指摘する声がありました。

”ひきこまり”の方にリソースを取られたせいなのかわかりませんが、明らかに未完成のまま本作を放映してしまいました。

このことは、経営判断を誤ったものと認識せざるを得ません。


本作の良い点は、(ヒロインの)キャラデザとCVのみなさんの演技。
本作の良くない点は、制作会社の力量不足と経営判断の誤り。

反省を促したいものです。

現場のスタッフさんたちは悲しくつらい思いをしているのではないかとお察しします。


本作の評価は、残念ですが低評価としなければなりません。

完成度が低いためです。

リメイクしてもらいたいというのはファンの勝手な願望ですが、作品の内容からいってきちんと作ったらすごく売れるというものではないですし、実現は厳しいでしょうね。
 

 

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