23年夏アニメ備忘録②スパイ教室 | コアラのブログ

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みなさまこんにちは(^○^)

2023年も残り2週間ほど。

今年もたくさんの良いアニメ作品を観ることができました。

(見落としている良作もたぶんあるのでしょうが)

なんとか全部カバーしようとすると気ばかり焦るので、切り替えて、観られる範囲で楽しんでいこうと思っています。

見逃した作品も”本物の良作”なら、将来、何かの機会に目にすることになるものと信じていますので。

さて、本記事では「スパイ教室」を取り上げます。

エンタメとしてとても優れているし、視聴していて楽しいと感じる回が多かったと思います。

2クールに渡って展開しましたが、後半クールの方がかなり面白かったので、前半で打ち切ってしまった人にもぜひ観なおしをススメたいですね。

冬休みのお供にぜひお試しください。

では、いってみましょう!

 

もくじ

  1. 本作の総評
  2. 本作のストーリー
  3. 本作の登場人物たち
  4. まとめ

 

 

 

本作の総評

1stシーズンが2023年冬、2ndシーズンが同年夏に各12話合計24話放映されました。

本作の印象は、にぎやかで華やかなキャラクターたちがシビアな任務に挑み、敵の裏の裏をかく痛快な活躍を見せてくれる特殊工作とアクションを楽しむ作品です。
スパイと言っても、本作の主人公たちのチーム「灯(ともしび)」は攻性の工作員集団であり、やることはけっこう派手です。

本作の公式キャッチフレーズは「世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!」

本作のおすすめ度には条件があり、一般の人には普通です。

しかし、24話まで投げ出さずに視聴できる人に限っては、おすすめ度はかなり高いといえます。

と申しますのは、あとで本作の問題点でも触れますが、ストーリーが時系列順に並んでいないため、序盤のおもしろみに欠けるきらいがあるのです。

もし選者が知り合いに本作をすすめるなら、”11話まで確実に観てくれるなら、おススメ作品だよ”というでしょう。
視聴すればするほど、しり上がりにおもしろくなっていくことは確かです。

振り返って視聴するといろいろ合点がいっておもしろさは倍増しますし(しかし、そこまでの時間をいただくのは気が引けますが)

 

本作のストーリー

本作のストーリーを公式のイントロダクションから引用します。

『――各国がスパイによる"影の戦争"を繰り広げる世界。
任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、
死亡率九割を超える『不可能任務』に挑む機関―灯―を創設する。
しかし、選出されたメンバーは実践経験のない7人の少女たち。
毒殺、トラップ、色仕掛け――任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、
クラウスに騙しあいで打ち勝つことだった!?』(引用終わり)

本記事においては、1stシーズンでもっともおもしろいエピソード、”MISSION 《愛娘》(まなむすめ)”を紹介しましょう。

視聴メモ「(1stシーズンの)後半はグレーテ(CV伊藤美来さん)が主役。
”愛娘”のエピソードに入ったら急におもしろくなった」

このミッションはスパイを狙う暗殺者”屍”の排除。

クラウス(CV梅原さん=ゴブスレさん)本人はともかく、灯のメンバーが戦力になるのか、”屍”に返り討ち”されることはないのか、クラウスは悩むのでした。

グレーテはそんなボスを癒そうとあの手この手を使いますが拒否されてしまいます。

クラウスはリリィ(CV天ちゃん)を伴って小さな別ミッションに出発、たやすく完了。

その機を、見逃さなかったグレーテは得意の変装を駆使してクラウスに毒針攻撃を命中させ動きを封じることに成功するのでした。

キーワードは”善意の毒針”

このトリックも手の込んだものなのですが、この計画を思いつくまでに”たった2秒”というグレーテ。

教え子たちの成長を実感したクラウスは”灯”メンバーと力を合わせ、難敵”屍”に立ち向かうことを決断するのでした(8話)

リリィ・グレーテ・ジビア(CVなおぼう)がメイドのアルバイトとして”屍”に狙われそうな政治家の屋敷に潜入。

敵を迎え撃つ計画です。

サラ(CVあやねる)は使役する動物たちとともに監視と連絡。

クラウス及びモニカ(CVあおちゃん)他メンバーは”屍”との直接対決に赴いています。

リリィたちの任務は、政治家の警護と”屍”の仲間ないし協力者のあぶり出しだったのです(9話)

政治家に対する未遂ではあったものの狙撃事件が発生。

政治家も銃で反撃、なかなかの腕前(これが大きな伏線になります)

やはり、日笠さん演じるメイド長があやしいのでしょうか。

”屍”の仲間が現れ、リリィたちに先制攻撃を仕掛けてくるのでした(10話)

4人だけで敵と戦うことになりますが、クラウスはこの4人を「仲間を頼り、協力し合う能力の高さ」で選抜したわけですから、チームワークは最高です。

敵は殺意を感じ取る能力に優れ、回避能力が異常に高いのですが、どうやって仕留めるのでしょうか。

グレーテがクラウスにまっすぐに向けた恋心はどうなるのでしょうか。

11話ですべてが決着しますので、ぜひ、ご覧ください。

視聴メモ「グレーテの素顔の秘密がなかなか深い」

クラウス「ぼくは彼女の素顔を見た瞬間に理解した。

その少女が愛を勝ち取るために、どれだけの技術を身に着けたか。

どれだけ自らを鍛え続けたか。

輝くばかりの極上の心のあり方を感じさせる、その顔に惚れ惚れした。

だからぼくは思わずつぶやいたんだ、”美しいな”と」

本作のシナリオは、”MISSION 《○○》”と”File 《△△》”で構成されています。

○○や△△の部分にコードネーム、例えばグレーテのコードネームなら「愛娘」が入ります。

MISSIONは、”灯”全員でかかるような大仕事(不可能任務)で4話程度の尺でじっくり描きます。

Fileは小事件や隊員の人柄や身の上を紹介するエピソードで基本、1話完結となっています。

さて、本作のシナリオの問題点は時系列を飛び越えてしまって、良く分からなくなる部分があるところです。

特に1話から3話は大切な導入部分であり、もっと整理されたシナリオで進めたかったところでしょう。

そうでなくても、登場人物が多いのですから、3話までに振り落とされてしまった人も多く、シナリオの構成に難があったものと思います。

せめて、1~2話は”File 《△△》”を見せてから”MISSION 《花園》”へとつないでほしかったと考えます。

メンバー紹介を兼ねながら本作のおもしろさをもっと表現できたのではないでしょうか。

本作のキャラデザは可愛らしさと、各キャラの得意技や性格を表している、優れたデザインだと思います。

特に、グレーテのキャラデザは念入りに造形されており素晴らしいものといえます。

ぜひ、8話からの”MISSION 《愛娘》”をご確認ください。

とはいえ、(クラウスはともかく)やはりメンバー7名は多いので、もう一工夫の改善がほしかったようです。

選者はキャラを覚えるのが遅い方でもあるのですが、正直に申して、9話あたりまでメンバーの名前と顔とCVが一致しませんでした。

メンバーの個性を理解してから視聴し直すと、とても楽しい作品だなと実感できます。

本作の作画・アニメーションは、日常パートからバトルシーンまでストレスを感じさせないものです。

ものすごく素早いとかはありませんでしたが、堅実で安定した作風で良かったと思います。

老舗 feel. が良い仕事をしてくれたのではないでしょうか。

本作のOP/EDはキャラソンを多数織り交ぜ、力の入ったものといえます。

おしゃれな作品からかわいい歌声、しっとりしたものまでバラエティー豊富。

アニソンファンの人は、要チェックでしょう。

 

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本作の登場人物たち

本作の演技は、豪華声優陣が揃っており、ほんとうに楽しませてもらいました。

視聴メモをもとに少し詳しく紹介していきましょう。

まず”灯”リーダーのリリィ(コードネーム”花園”、CV天ちゃん)

とにかく、おもしろいです。

ポンコツに見えて、実はそうでもないしたたかさも持つ、個性派集団をまとめるのに最適なキャラをほんとうに上手にこなした印象です。

おもしろいだけでなく、毒薬の専門家でありクラウスに止めを刺した?こともあります。

視聴メモ「「(アネットの)見張り二人ができない子になっている。天ちゃんがおもしろすぎる」(19話)

「天ちゃんがおもしろい」(20話)

参謀役のグレーテ(コードネーム”愛娘”)についてはストーリーで触れましたが、伊藤美来さんの演技がほんとうに良かったと思いました。

視聴メモ「シナリオはちょっとアレだが演技がいいのでとりあえず鑑賞できそう。

伊藤さんの演技もいいな。」(2話)

伊藤さんといえば、三玖(五等分の花嫁)、しまむら(安達としまむら)、コッコロちゃん(プリコネR)が親しまれていると思います。

ここに、本作のグレーテを加え、伊藤美来さん4大ハマり役としてはいかがでしょうか。

もちろん、異論は認めます。

武闘派で前衛担当のジビア(コードネーム”百鬼”、CVなおぼう)

格闘に加え、スリの名手でもあります。

東山さんには珍しい男勝りのキャラでした。

「なおぼうの演技は明るさと善良さがあっていいな。

ジビアとクラウスは、ゴブスレ(妖精弓手とゴブリンスレイヤー)でもコンビなのか」(6話)

「周囲の個性が強すぎて、なおぼうがいくらか埋没気味だな。このキャラとと合ってないのかもな」(21話)

”灯”のエース格、オールマイティである上に切り札的存在、モニカ(コードネーム”氷刃”、CVあおちゃん)

クールでボーイッシュな仕上がり。

キノ(キノの旅)を思い出しましたが、モニカはもっと華麗でおしゃれです。

生まれ育ちも良く、才能にあふれたモニカの悩みを、天才声優あおちゃんならではの解釈で表現していました。

ぜひ17話をご覧ください。

視聴メモ「(17話の)EDはモニカのキャラソン。歌唱にも定評のあるあおちゃん。そう来たかという感じの意外な歌声だ。」(17話)

副隊長格のティア(コードネーム”夢語(ゆめがたり)”、CV上坂さん)

得意技は、大人びたプロポーションと雰囲気を活かした色仕掛けですが、ほんとうの固有スキルは常人の域を超えた”魅了”でした。

20話からの”MISSION 《夢語》”を楽しんでいただきたいと思います。

視聴メモ「15話ではティア対モニカのぶつかり合いがすごかった。

すみれ(の演技)が上手くなっているのか。

あおちゃんと堂々と対峙していた」(15話)

「どう作っても、すみれはすみれだなと分からせるところがいいのかも。

男性声優に近い魅力かもしれない」(18話)

「ティアに上坂さん、グレーテに伊藤さんというキャスティングでこの作品は勝利したな」(23話)

動物と心を通わせ、動物たちの力を借りることができるという特殊能力を持つサラ(コードネーム”草原”、CVあやねる)

気弱だけど、まじめな常識人というこのチームでは貴重な存在です。

あやねるの演技はサラというキャラを最大限、でもはみ出すことなく表現できており、さすがというしかありません。

サラの活躍を観るには7話と18話がおススメです。

武器・爆弾・スパイ道具等の製作に強みをもち、いつも左目に眼帯をしているアネット(コードネーム”忘我”、CV楠木さん)

チーム”灯”の最終兵器といわれています。

見た目の可愛らしさとは裏腹に、一人称は”俺様”、ムカつく敵には容赦ない攻撃を加えます。

19話の”File 《忘我》のアネット”から抜粋してみます。

(実は敵国スパイの)敵「その傘で俺を殴る気ですか」

(雨も降っていない夜の裏路地で無言のまま自らに傘をさすアネット)

敵「かかってくるならいつでもどうぞ。」

(アネットは無言のまま、頭上の街灯を爆破。敵にガラス片が降り注ぎます。顔と目をやられる敵、アネットの右眼がらんらんと輝きます)

敵「このガキ!同業者でしたか!くそ!目さえ開けられれば」

(拳銃を取出し乱射する敵、弾を撃ち尽くします)

敵「どうして?俺に不審な点はなかった。なぜ?」

アネット「俺様は、ムカついたから、発信器を付けただけです」

敵「はぁ!?あなたは、酒をかけられ腹が立ったというだけで発信器を付けたんですか。

たまたまおれがスパイだったから襲っているだけ、とでも?

じゃあ、あなたは迷惑な客がいるだけで発信器を取り付け、いつでも殺せる準備を整えていたんですか!」

アネット「コードネーム”忘我”組み上げる時間にしましょう」

(スタンガンのような武器をバチバチいわせるアネット)

敵「間違っている。あなたは、人として何もかもが間違っている!」

(敵の背後からスタンガンを押し当てようと手を伸ばすアネットを、寸前でクラウスが止める)

クラウス「もういい。いちおう尋ねるが、動機はバイト先を守るためか?」

アネット「はい。こいつのせいで明日は臨時休業になりました」

(ため息をつくクラウス)

クラウス「伝えておくが、べつに、迷惑な客の排除はウェイトレスの仕事の範疇じゃないからな」

(少し驚いた表情を見せるアネット)

アネット「(笑顔で)俺様、知らなかったです」

19話のEDはアネットのキャラソンでとても可愛いので、一度ご覧ください。

ところで、楠木さんといえば、マキマさん(チェンソーマン)の演技がすごすぎて度肝を抜かれた人も多かったのではないでしょうか。

アネットのキャラクターはマキマさんには及ばないとはいえ、ひじょうに特異なものといえますので、興味を持ってくれた人は13話や19話をご覧ください。

また、楠木さんは秋クールで、コマリ(ひきこまり)、ジェス(豚レバ)も演じており、変幻自在の演技力を発揮している注目の若手実力派声優さんです。

本ブログでは、今後も楠木さんを応援していきます。

本作に話を戻しますと、アネットの左目の眼帯や幼ないときの記憶を失っていることなどについて、13話からの”MISSION 《忘我》”でとんでもないことが明らかにされます。

ゲストCVに斎藤千和さんを迎え、メンバーどうし(特に、ティアとモニカ)の葛藤も描きつつ、最後は爆弾を仕掛け合う血みどろ展開となります。

一見、敵の殺害をも辞さない空恐ろしい狂気のキャラクターかと思いきや、そう単純なキャラではありません。

アネットにとっては、敵への攻撃は理論的に突き詰め追及した合目的的な結果にすぎないのですね。

しかし、大好きなクラウス(のアニキ)やティア(の姉貴)と一緒にいる限り、可愛い娘であり妹です。

美しい人形のような外見のエルナ(コードネーム”愚人”CV水瀬さん)

引っ込み思案でおとなしく、チームでも最年少のため、皆からかわいがられる存在です。

しかし、チーム”灯”の秘密兵器といわれています。

なんと、敵を不幸な目に遭わせるというオカルト的な特殊能力をもっているからです。

エルナがフィーチャーされるのは4話。

 

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まとめ

本作の良い点は、キャラクターがしっかり作り込まれており、視聴するほど味が出てくるので面白く感じます。

また、シナリオも二転三転させるひねりが効いており、スリリングでもあるので、楽しく視聴できるでしょう。
メンバーが大ケガをするなどの暗いシナリオにならないことも本作の良いところでしょう。

本作の良くない点は、シナリオが時系列順でないこともあり、初見では混乱を生じること。

設定やギミックに、ややグロテスクなものやショッキングなものがあり悪趣味であること(そういうB級感がいいという人もいるとは思いますが)


本作の評価は、シナリオの進行にもう一工夫ほしかったという憾みはありますが、豪華声優陣の演技を聴いているだけでも楽しいです。

キャラクターを理解すればするほど、二度三度と楽しめる作品であるといえます。

 

 

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23年夏アニメ備忘録①贄姫と獣の王

 

 

 

 

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