23年夏アニメ備忘録①贄姫と獣の王 | コアラのブログ

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アニメまとめ・好きなこと

みなさまこんにちは(^○^)

かなり間をあけてしまいましたね。

残暑でバテるわ、季節の変わり目で病気にかかるわでなかなかたいへんでした。

でもアニメは観ております。

秋アニメも華やかに進行していますね。

楽しみに視聴しているのは以下の作品。

「ゴブスレⅡ」「まほよめ2」「ひきこまり」「豚レバ」

いちおう観ているのは、「ウマ娘3」「フリーレン」「スパイファミリー2」「聖女の魔力2」「盾の勇者3」など。

この記事では「贄姫と獣の王」についてまとめています。

実にいい作品です。

今後、名優・花澤香奈が演じた不朽の代表作となるでしょう。

では、さっそくいってみましょう。

もくじ

  1. 本作の総評
  2. 本作のストーリー
  3. 名優・花澤香奈
  4. まとめ

 

 

 

 

本作の総評

名シーンと呼べる感動的なシーンがいくつもあり、とても大切にしたくなる作品です。

2クールに渡り、堂々とファンタジー世界の動乱や内乱を表現。

本作は魔族の姿を借り、人種間・民族間の相克と争い、そして和平への道を追求した作品といえます。

独特の作画が目に優しく、親しみやすいキャラデザもあって作品への感情移入、没入感があります。

主人公サリフィのキャラデザはボカシが効果的でいて、はかなげな存在をアピールしていますね。

本作は演技面がすばらしく、名優・花澤香奈の新境地といってもいいものです。


本作のおすすめ度は高く、”アニメっていいな”と思わせてくれる作品といえます。

本作をおすすめしたいのは、①花澤さんのボイスや演技が好きな人

②ストーリー重視でアニメを楽しみたい人

③少女漫画が好きな人(原作は「花とゆめ」で完結)

④サリフィのキャラデザがいいと思った人

(5話あたりまでのまとめ)

 

 

 

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本作のストーリー

本作のストーリーは大まかに、1話から12話がサリフィの登場と王妃への試練。
8話から14話がサリフィの外交。
16話から18話がフェンリルの乱。
21話から最終24話が王の出生の秘密とセトの変、という構成になっています。
名場面・名シーンが多い本作ですので詳しく紹介したいのですが、ネタバレにもなりますし、なるべくコンパクトにまとめたいと思います。

王妃への試練その1が聖獣を使役できるようになること。
魔力を持たないサリフィには至難のチャレンジでした。


命を捧げる覚悟で儀式に臨むサリフィでしたが、呪文詠唱の途中で何度も弾き飛ばされてしまいます。
王の支えもあり不死鳥と呼ばれた上位の聖獣ベンヌを召喚することに成功。
視聴メモ「回復能力が高いため戦場で使い尽くされた聖獣。
弱り、飛ぶ練習が必要な不死鳥というのもおもしろい。
サリフィの献身のおかげでベンヌが復活に至る場面は名シーンといえそう」(5話)

王妃への試練その2は”海神”ガロワ公爵をもてなすこと。
魚竜族の一団が王城にやってきます。
視聴メモ「ガロワ軍団の作画がユニークでおもしろい」
ガロワ公爵はサメのような大柄な魔族で、サリフィを威圧しようとします。
視聴メモ「お付きの醜い老いぼれ家臣はなんだ。
でも、この人がキーポイントになりそう。
CV(大塚)芳忠(ほうちゅう)さん。
筋立てがわかってから観るとガロワがうまく描かれている」(8話)


特に、醜い家臣とサリフィがダンスをするシーンが見どころです。
魔族と人間の遺恨と相克がさりげなく語られますし、サリフィの好ましいヒューマニズムが表現されているからです。
おもてなしは無事に成功。
公爵を味方に付けることになりました。
視聴メモ「芳忠さん、かっこいい演技だな。
熱い物語だった。すてきなエンディング。
8話の法則大発動だ。」(8話)

最後の試練は、王妃代理として1年間政務を務めること。
サリフィをなんとかして王から遠ざけたい宰相アヌビスでしたが、サリフィ(と王)は難題を次々とクリア。
アヌビスとはどういうキャラなのか、単なる人間嫌いではないことを幼少期のエピソードを交えながら説き明かします(9話)
視聴メモ「子ども王様がかわいい。むくむくしている。
子どもシリウス(アヌビスの本名)のCVはくぎゅうか。
実力派ゲストをたびたび招くのも本作の良い所」
試練は達成されたものと認めると方針転換したアヌビス。
サリフィを本気で見定めると決めたようです。
視聴メモ「だいぶ前向きになったな。」

王妃代理となることに悩むサリフィでしたが、聖獣ベンヌがアドバイスします。
ベンヌ「何ぐずぐず悩んでやがんだ。答えは一つしかねぇだろ」
視聴メモ「ベンヌちゃん(CV吉野さん)がいい味を出してる」
サリフィ「王様、わたしやる。
王妃代理、がんばるから。
いっしょにいさせて!」
視聴メモ「このあたりからCV陣のまとまりがすばらしく、”花澤香奈一座”になっていったようだ。
(レオ役の)日野さんの演技もぐっと良くなった気がする」(10話)

宰相アヌビスに認められたサリフィの公式な初仕事は、サーブル国の第一王子への祝福でした。
サリフィの外交の始まりです。
王に同行しお祝いムードの中、行事が進みます。
視聴メモ「サリフィの新衣装がかわいい」


しかし、サーブル王妃は、”可愛い王子を人間になど触れさせてなるものか”と敵意を燃やしていました。
サーブル王妃から冷たい視線を向けられたサリフィは、冷酷だった養父母の眼差しを思い出し激しく動揺します。
それに気づいた王がサリフィをかばい、なぐさめるシーンが見どころです。

いよいよ祝福の儀式となったところ、王子(赤ちゃん、CVえーでちゃん)が激しく泣き出すというハプニングが発生。
儀式は中断されてしまうのでした。
王どうしは首脳会談に入り、戸惑うサリフィに城内の案内を申し出たのは第四王女のテトラ(CVちゃんりな)
利発で可愛らしいプリンセスです。

しかし、サリフィにいきなり”ブス”といいお付きのキュクとロプスを”黒だま”と罵倒するのでした。
視聴メモ「ちゃんりなの意地悪演技はかわいい。まったく動じないサリフィと次第に打ち解けていくテトラ王女の聡明さよ」


テトラは”最後に最大の迷惑を(母に)かけてやる”といって塔の上から飛び降りようとします。
”また一緒に遊びたい”と説得するサリフィ。
テトラ「わたしが生まれたことを喜んでくれた人なんて、だれ一人、いなかった」
思いがけず母が現れ、テトラに歩み寄ろうとしますが、テトラは動揺して足を踏み外してしまいます。
落ちていくテトラをためらわずに追うサリフィ。


視聴メモ「サリフィに抱き留められたテトラは、思わず爪を出してサリフィの左ほほを引っかいてしまう。細かい演出だがとてもいいと思う」
落下する二人を王の聖獣グイバーが救助。
サリフィ「怖かった?もうこんなことしないよね」


テトラは事の重大さに動揺が収まらないようです。
そんなテトラを高く抱き上げ、
サリフィ「汝、天使の子。
その高潔なる命と生の旅路に平穏と数多(あまた)の幸福があらんことを」
祝福を授けたのでした。
視聴メモ「聖なる詞や、詠唱に抜群の強みを発揮する花澤さんがすごい」
サリフィはテトラに”生まれて来てくれて本当にうれしい”と慈しむのでした。


大きな声で泣いてしまうテトラを心を込めて抱きしめるサリフィ。
地上に降り立ったテトラに、王妃は駆け寄って詫びるのでした。
サリフィにお礼をいう王妃。
王子カルカラに祝福を授けてほしいと自ら申し出るのでした。

曲折はあったもののサーブル王国との公式行事をサリフィはクリアしました。
これにより武勇に名高いガロワ公国と、高貴な血統を誇るサーブル国の支持を得ることに成功したサリフィ。


魔族間にも種族間に差別感情があり、下位に位置する魚竜族のガロワ公国と、上位に位置するサーブル国を両方とも味方にするマルチな活躍といえましょう。
2か国との親善友好はストーリー最終盤に大きな効果を発揮します。

12話のBパートも本作のハイライトです。
王は、厳しかった先代王(CV土師孝也さん)のことをサリフィに話すのでした。
ほめられたことも甘やかされたこともないばかりか、父は死に際に、”無念だ、忌まわしい”と幼いレオに呪いの言葉を残して死んだのです。
先代王は心を病んでいたとはいえひどい仕打ちですね。

視聴メモ「日野さんの長台詞はすこし珍しいかも。かなりがんばってました。これも座長・花澤さんの牽引力か。豪華ゲストが集まった12話はすごい」
サリフィは”レオの人間の部分は呪いなんだ”と深く傷ついた王を想い涙します。


しかし、王は(先代王が残した呪いの言葉に対する)怖れを(テトラ王女の出来事から)過去のものとすることができたというのです。
そして、”お前(サリフィ)を選ぶことができた”ことが祝福なのだから、(二人の間に)生まれてくる命ならレオンハートの名にかけて全身全霊で守り抜くと誓うと言い切るのでした。

13話では、辺境の地、マーセアに駐留する軍団の慰問を託されます。
王の都合がつかずサリフィ単独で行かねばならないとう難しい条件です。
視聴メモ「新OP。作画すばらしい」


王と離れるのが不安なサリフィでしたが、王妃へ一歩近づけると前向きに考えなおすのでした。
13話の見どころは新たに結成される王妃親衛隊。


ハイエナ族出身のラントベルト(CV畠中君)が無事に親衛隊長となれるのかじっくりと描きます。


もう一つは、軍団の前で王の言葉を伝えるなど公式行事でのサリフィの頼もしい表現力です。
視聴メモ「演説の上手さに定評のある花澤さん。格調の高さと安定感がすごい」

16話からはオズマルゴと王レオンハートに敵意を募らせた狼王フェンリル(CV中村さん)が辺境各地で反乱を起こします。
このエピソードでは、サリフィが敵王のフェンリルに連行されるという波乱の幕開け。


離れ々々となったレオとサリフィが、それぞれの立場に従って戦い抜くことができるかがテーマです。
サリフィの身を案じるあまり、荒れまくるレオでしたが、連行される直前のサリフィの言葉が伝わり、ようやく己を取り戻します。
サリフィ「わたしのことは助けに来ないで(=王としての役目を果たして)」


各地で続発した反乱に不安を覚えた民衆が王宮に集まってきます。
民衆を前に感動的な演説をする王レオンハート。
視聴メモ「民衆の前に立ち、民を鼓舞する王。すごい気迫だ。
”王であれ”というサリフィの心が伝わったようだ。
日野さんの演技が熱くてすごい。なんか涙が出る。」(16話)

17話から18話でサリフィの救出劇や、レオンハートとフェンリルの直接対決が描かれます。


ほぼ互角の実力者どうしの戦いの勝敗を分けたものとはなんだったのでしょうか。


ぜひ、本編でお楽しみください。
熱いセリフの応酬が見どころです。

19話から最終24話までに、王レオンハートの出生の秘密が明かされます。
サリフィが人間の国ヨワナへオズマルゴ王国の使節として赴きます。
魔族ではない聖獣ベンヌがお供です。


ヨワナとの和平を進め、生贄を出すことを求めない関係にしたいというレオンハートの外交方針。
ヨワナにて、魔族文字の研究者であるアナスタシア(CVはやみん)と出会い交流するサリフィ。
彼女は王レオンハートの母の末裔だったのです。

そのためか、レオの人間形態と面差しが似ているのでしょうか。


サリフィは、重要な証拠となる日記を託されてオズマルゴに帰還しました。

視聴メモ「はやみんは息を入れない発声で役作り。
クレジットを見るまでまったく気づかんかった。
花澤さんとかぶらせないためかもしれない。
花澤さんとはやみんの共演はもう少し見てみたかった」

21話で、法官セト(CV鳥海さん)がオズマルゴを揺るがす大事件を起こします。
ある仕掛けを用いて、王レオンハートのもう一つの姿を聴衆の前で暴露。
サリフィは、とっさに聖獣ベンヌを召喚し王を救出するのでした。


セトは、王レオンハートを王都から追放したとしてオズマルゴ王位を簒奪。
国々に号令を発するのでした。
魔族間の種族を階級のように区別し厳格化する、選民主義による恐怖政治です。


一方、王都を脱出したサリフィとレオンハートのもとに、ラントベルトとヨルムンガンド(とアミト姫)の両隊長が参集。
秘密が暴露された王に、不変の忠誠を誓うのでした。


しかし、肝心の王レオンハートが弱気になってしまいます。
レオ「もう、民を、いやお前さえも守ってやることができない。この国はわたしの生きる国ではなくなってしまった。」
一緒にヨワナに行こうという王。
レオ「わたしにはお前だけでいい。お前さえいてくれれば」


サリフィは、レオの頬を叩いて激励します。
サリフィ「嘘。そんなの嘘だよ。
今まで必死に守ってきたオズマルゴを捨てて、絶対この先後悔しないって思える?
この国の人たちを、あなたのそばにいてくれたみんなを忘れて心から笑える日が来る?」
レオ「・・・」
サリフィ「そんなはずないでしょう!
わたしはレオが行くところに、行く!
何があってもいっしょにいるよ。
だから、自分にだけは嘘をつかないで!
わたしを、逃げるための理由にしないで」


視聴メモ「サリフィに励まされ、立ちあがったもののレオの手の震えが止まらない。
こういう細かい演出が本作の見どころ。
22話は名シーン連発です」

23~24話で秘密の解明と最終決着がはかられます。
そこはぜひ、本編でお確かめください。


サリフィの交渉力、説得力がすごいです。
今までのサリフィの外交の成果が発揮され感動的ですよ。

 

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名優・花澤香奈


本作の演技は、本作の素晴らしさを語るに忘れてはならない重要な部分です。
ヒロインと王を中心としたレギュラー陣に実力あるゲストが参加するスタイル。
中でも、ヒロインサリフィを演じた花澤香奈さんの演技が光り輝いていて、ほんとうに名演といってよいものでした。


まずは、花澤さんの演技についての視聴メモを見ていきましょう。
「はなしは割とおもしろいが、ざーさんの演技がしっくりきていない気がする」(2話)
実は、最初のうちはサリフィという特異なキャラクターを捉えきれていなかったと思えるのです。
このことは、花澤さんの誰にもまねのできない澄んだ声質に起因しています。
本邦アニメ界の至宝といっていいボイスなので、本人ですら、簡単に変質させたりできないもろ刃の剣でもあるのです。
なので、小手先のテクニックでなく、花澤さん本人がサリフィというキャラクターをどれだけ深く理解できるかに本作の成否がかかっていたはずです。
本作では、この葛藤をみごとに克服しております。

「ざーさん、この役をつかんできたな。とても耳にやさしい」(6話)
「すっかりサリフィをつかんだなざーさん。すばらしい。
この人の本領は悩みながら役をつかむところだな。
近年ではもっとも高いトーンだろう。
本作こそ名優・花澤香奈の実力を堪能できる作品。
個人で、いい演技をするだけでなく、座長として周りを引き上げている。すごい。」(7話)


サリフィというキャラクターに命が吹き込まれたように感じるすばらしい演技ですね。
「このあたりから声優陣のまとまりがよくなり”花澤香奈一座”になっていったようだ。日野さん(レオ役)の演技もぐっと良くなった気がする。」(10話)

王妃候補からほんものの王妃へと演技の質を変えていくのが感じられました。
「演説のうまさは定評があるざーさん。」(13話)
「公式行事に強いざーさん。安定感と格調が違いすぎる。」(14話)
花澤さんの演技の強みとして、多数に語りかける場面、代表として語る場面に無類の強さを発揮します。

「魔力合戦の迫力がすごい。それを見つめるサリフィ。王様!サリフィの声援がすごい。」(18話)
「弱気になったレオを励ますシーン。ざーさんの演技がすごいな。」(22話)
王妃として、オズマルゴの危機を救おうと自らの強い意志を示すシーンが印象に残りました。

「ざーさんとの直接のからみはなかったが久野ちゃんとの共演をはたした。」(15話)
完全に余談となりますが、花澤さんと久野ちゃんの共演で思い出すのは「ハッピーシュガーライフ」(18年夏)の”さとう”役。
狂気の一族(さとうの叔母役の井上喜久子さんの演技がすごい)に生まれ、愛するしおのためならどんなことでもしてしまうというキャラでした。


これは、まったくのミスキャストだったと今でも思いますが、実は、しお役の久野ちゃんのほうも適役ではなかったと思います(ついでにいえば、しおの兄あさひ役も合っていなかった)
なぜなら、しおも見かけとは違い恐ろしい狂気を感じるキャラだったからです。

もう一つ、印象に残っているのに花澤さんでよかったかどうか分からないキャラは「アカメが斬る」(14年夏)のセリューです。
こちらは、政府軍の高潔な軍人でしたが、正義の名のもとに執行される暴力行為そのものに次第に魅了され狂っていくというキャラでした。

さて、ここは選者の私見になりますが花澤さんの4大ハマり役
シュタゲの”椎名まゆり(まゆしぃ)”


凪のあすからの”まなか”


サイコパスの”常守 朱”


純潔のマリアの”エゼキエル”


ここに、贄姫と獣の王の”サリフィ”を加え、花澤さんの新5大ハマり役とします。
どうです?輝かしいキャラクターばかりだと思いませんか?(異論はもちろん認めます)
花澤さんが演じるキャラに狂気や悪意は似合わないのです。
当ブログでは、花澤香奈さんをこれからも応援していきます。

 

 

 

 

 

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まとめ

本作のシナリオは感動的な名シーン・名セリフを効果的に配置し、2クールの尺を生かしたしっかりした構成でした。
原作を読んではいませんが、おそらくアニオリは控えながら堅実に作っているのでは、と思います。

本作のキャラデザはサリフィという、ヒロインの造形に成功したことで優れているといえます。
サリフィのキャラデザの特徴として、可憐であり親しみやすさと儚さを具現化していること。
どこにでもいそうな親しみやすさと、唯一無二の天から舞い降りたような聖なるもののような雰囲気が特徴です。


瘴気に満ちた魔族の世界に降り立った一輪の花というイメージです。
王様であるレオンハートの魔族形態については前の記事で書きましたので、人間形態について。
イケメンですが、ひじょうにナイーブな線の細い青年であり、豪胆な王と同一人物とは思えないところがおもしろいところでしょう。

魔族のキャラデザは哺乳族、爬虫族など多くのタイプがおり、細かい描き分けは労作であったといえますし、多民族が共存するオズマルゴ王国をキャラデザでみごとに表現していました。
王のように猛獣をベースとしたデザインから、ワニのような爬虫族、カエルのような両性族など様々ですが、いずれも2本足で立ち、衣服をまとっていますし、衣食住にわたり人間に近しい文化を持っているようです。


サリフィもたびたび「いろんな人」「やさしい人」など魔族を人間と同様のものと扱っていますね。
本作の作画は、キャラクターの動かし方にこだわりの感じられる優れものです。
魔族世界の描写も世界観が確立されており、見ごたえのあるもの。

本作のアニメーションは高い技術に支えられており、バトルシーンのみならず、とてもスムーズです。
本作のOP/EDはドラマチックでストーリー性のある楽曲が採用され印象的。
さらにアニメーションも力が入っており、作品の質を高めていると思いました。
サリフィの表情を微細な表現で見せてくれます。
毎回観てしまいます。

本作の制作はJ.C.STAFF。
本邦を代表する老舗アニメ制作会社の一つです。
独自のファンタジー描写が持ち味と言っていいでしょう。
ここ3年ほどの作品は粒ぞろいです。
アニメ作品を選ぶときの一つのポイントに制作会社をチェックするといいでしょう。
「イイと思ったらJCじゃん」とか「JCなら観るか」となることが多いです。

本作の良い点は、やはりストーリーがおもしろく、素晴らしい演技に毎回感心させられること。
本稿をまとめるにあたって、振り返り視聴しましたが、まったく飽きさせません。
それだけ、作画にも見どころが多いということです。
本作の良くない点は、ほとんど人気がなく、話題にのぼらないところ、ぐらいでしょう。
しかしそれは、本作の価値にまったく関係のないもので、昨今の放送作品過多に原因があります。
この記事をお読みいただいたみなさまに、本作のおもしろさを知ってほしいと願ってやみません。

 

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23年夏アニメ備忘録②スパイ教室