恋愛手帳 -32ページ目

恋人という名前の力、イイヒトなんかじゃない!

近所の道でデートしているのをクラスメートに見つかった。
当時、中学生でお付き合いをしている子と言うのは、とてもカワイイ子か不良か、とにかく余りにも少ないので、とても特別な存在に移った。よく、ノートの切れ端に
「誰々さんと誰々さん」みたいなリストを付き合っていない子達が集まって作っては、
「いいなあ~私たちもこのリストに載りたい~音符
なんて、部活の空き時間に目を輝かせていたものだった。

でも、ひょんなことから私もその仲間入りになってしまった。少し前に部活の仲間と喧嘩をしてから、部活をサボるようになってしまってその後どうなったか分からない。でも、一つ分かることは、恐らく、他校とお付き合いしている幽霊部員の私は不良グループだと見なされているのだろう。

生活は荒れてはいないが、妙に浮き足立っていた。でも以前の私と何ら代わりはない。何故ならデート中、彼からでる言葉はいつも
「良い人だね~。」
だったから。どうせなら「カワイイ」とか言ってくれてもいいのに。
そのくらい私はガードが固かった。好きじゃない訳じゃないのに、彼に許したのはキス一回だけ。それも゛お試し゛のだったから。私のファーストキスは彼のもの。でも、その後は続かない。遊びに行ったり、話したりする方が楽しくて、でも、最初に悪巧みするための付き合いと言う風に考えてたのも、情が湧いていつの間にか本気で大切になっていた。
だから彼の一番好きな人である友人と話しているのを見ると嫉妬した。私の方だけなんだなあ、本気なの。
ずーっと塾の自習室に籠もって待っていたけれど、彼が来ない日があった。何も言ってなかったのにおかしいなあ。その時友人が
「今日はバレーの大会なんだって。」
と言った。唐突で、ショックを受けた。それからとても頭にきた。
「もう別れよう!」
自分から別れを言うのもしゃくだし、向こうから別れさせよう。そう思って、私は考えた。幸いに、彼より私は成績がいい。
勉強でいびることにしよう。

恋から恨みへと変わった気持ちは凄まじかった。私は勉強した。クラス分けの時に上のクラスに言った時に彼に
「惜しかったね~。」と笑いながら嫌みを言った。
彼は物凄く怒った。
「そんな奴とは思わなかった!もう絶好だ!。」
クラスが騒然となった。

自転車に乗って物凄い勢いで帰っていく彼。せいせいした。でもなんだか悲しい。涙が出た。

友人が怒っていた。あれは酷すぎると。何も言えなかった

ホワイトデー

片思い仲間も無事にバレンタインにチョコを渡せたようで、ホワイトデー当日は妙に落ち着かない。

「どうしよ~。私帰れないよ。帰りたくない!」

二人で塾が終わっても、片思いの相手が下で待っていてくれている、その事実だけで嬉しくて、はしゃぎながらずーっと教室に残り続けた。もしかしたら、向こうとしてはただの義理のお返しも渡せずにただの迷惑だったかも知れないけど。でも嬉しくて、二人で結局相手が帰るまでずーっと残ってしまった。

どうやら、人づてに聞くと、お返しを用意してくれていたらしい。他の義理の人からはお返しを受け取ることは何でもなかったのに、何でだろう、恋って複雑だなあって思った。

それから帰り道、お返しを眺めながら、スゴく嬉しいなあって思った。たとえ義理だとしても、プレゼントするのもされるのもとってもいい気分で、中でも「自分で選んできたんだよ!」って言ってくれた子に、かすかな淡い感情を抱いた。普段友達だったけど、いい奴だなあって。
そのうちのひとりがなぜか私たちの帰るグループに入ってくるようになった。いつも家の途中まで送ってくれるようになった。
「恋って辛いよね。一番好きな人に気持ちを伝えるのは大変だけど、友達になら簡単に気持ちを言えるんだよね。」
「あれ?好きな人いるんだ。だれだれ~?」
「言えないよ。日本にいる人。」
「そりゃこっちも日本だよ。」
「何区でしょ」
「それから何街でしょ。」
「学校言ったら分かっちゃうよね~。」それから言い合戦になったら、
「二番目に好きなのは?」
「せーので言おうよ!」
そこで二人はお互いにお互いの名前を呼んだ。
「じゃ~付き合っちゃおうか。」
そんな単純でいいのか~。ビックリしながらも次の日からは晴れてお付き合いを始める二人。でもこれはよくマンガに出てくるような悪巧みみたいなもので、最初はお互いに好きな人を振り向かせるための作戦でもあった。

クリスマス

私のマフラーは完成した。毎日うちに帰るとき、そしてたま~に中学の休み時間、汚れると困るので慎重に。
その甲斐あって、既製品には叶わないが、シンプルだけど、綺麗に出来た。

してくれるかどうかは疑問だけど、まあ、私にしては十分な出来だな。

刻々とクリスマスが迫ってきて、ラッピングも済ませ、後は渡すだけとなった。
片思い友達はその子と仲良いので、待ち合わせの場所と時間を取り付けて来てくれる。クリスマスイブの塾が終わる時間になった。

私はもう後に引けないぞと思った。でもすごくワクワクした。
時間になって誰もいない場所に二人になった。玄関から少し離れたどこかの駐車場なので、とても静かだ。
彼は私を見て驚いたけど、笑ってた。

私は嬉しいのと何て言ったらいいのか困って自分の気持ちを伝えるつもりが緊張で逆に聞いてしまった。

「好きな人いますか?」

その答えに彼は明るく笑って答えた。
「いますよ。」

誰だ?でも私は聞く勇気がなかった。それが誰だとしても、私が好きな事に変わりはなかったし。
「これ、プレゼント。貰って下さい。」「ありがとう。」

恥ずかしくなって私は駆け出した。それでも十分、渡せたのだし。

ずっと、思っていた気持ちが言えてスッキリした。彼が片思い仲間と遊びに言ったと聞いた時は密かに嫉妬したこともある。それから、ちょっと前に塾のみんなでディズニーランド行った時なんか、夢のようで幸せだった。それの結果が今日で終わってしまってほしくないなあと。
帰り道友人達に慰められた。伝えただけでも偉かったねと。
それでも、お馬鹿な私はまだ現実を直視出来なくて、
「あのマフラーしてきてくれないかなあ」と夢のような事を暫く続けている。

そうして直ぐに訪れる彼の誕生日にスポーツタオルを送る。これはどう渡したか記憶がないけど、どさくさに紛れて渡したに違いない。

その後、バレンタインのときに片思い仲間と集まってチョコレートを作った。今度は友人が経験者で危ないものは作らずに済んだ。

そして運命のバレンタインデー。この日は何故だか男子がなかなか帰らない。渡したいのにみんなで受験参考書や資料を見て玄関ロビーにたまっている。
しっかり義理はみんなにあげた。友人と二三百円の物を分担してあげた。だけどもまだ残ってる人も多かった。三年生の人達は受験間近だったからだ。好きな人はOBである友達のお兄さんと話していた。チョコをそっと置いた