
ポーランドに降る雪が少し止んだ隙を見計らい、
『クラクフ』を出て、どこか雪の無い場所へと逃げる。
この季節は既に周囲は雪に囲まれ、
狭い道路を自転車で走行するのは危険すぎる。
バスか列車に自転車を載せてクラクフを脱出し、
雪が積もっていない町まで移動する事にした。
しかし出発直前まで何処へ行くか決めておらず、
何処へ行けばよいのか?一旦クロアチアに戻るか?
あまり近くの町で降りても雪が降ってるのではないか?
色々と考え、天気予報を調べたりしていたのだが、
途中で面倒臭くなってしまい。
「とりあえず駅まで行って、適当な電車に乗ろう。」
と、行き当たりばったりの旅を楽しむ事にした。
夜のクラクフ駅は閑散としており、
数人のホームレスが金をせがんでくる。
何処の国でも駅周辺の治安は悪いので、
荷物と自転車には常に注意しながら、
時刻表と行き先をしばらく眺め行き先を探した。
プラハ行きの夜行列車がちょうど良く出ているので、
プラハの手前「オロモウツ」までのチケットを買った。
自転車を乗せれるでしょうか?
と、聞くと「ダメだよ。」と、言われたのだが、
チケットも買ってしまったので、何とかなるだろうと思い。
そのままプラットフォームまで自転車に乗って進む。
電車は出発時間の30分前に到着した。
ブダペスト、ブラチスラヴァ、ウィーン、プラハ行きの車両が連結され、
途中の駅で分かれながら、各々の目的地へと向かうらしく、
先頭の3車両がプラハ行きで、そこまで自転車を押して歩く。
駅員さんに「自転車を積みたいんですけど。なんとかなりますか?」
と、たずねると、二つ返事で「OK!」と、言われ、
荷物運搬専用車両に通されて難なく自転車を積む。
プラハ行きの夜行列車は定刻どおりにクラクフを出発し、
僕はガラガラの2等ボックス席で横になった。
行き先は、予定ルート上の町であり、
本当にちょうど良い列車があったものだ。
と、運の良さを感じる。
行き当たりばったりで進む自転車旅ではあるが、
公共機関を使う移動には慣れてないので、
少しの緊張感と高揚感が入り混じり中々寝付けなかった。

ポーランドとチェコの国境の駅
真っ暗な朝に「オロモウツ」に到着。
雪は積もってないものの、標高が高いせいで、
クラクフよりも寒く、どうしたものか?と、ベンチに座り考える。
『プラハ』までは300km位の距離なので、
2、3日で到着できるだろうと言う計算の元、
『オロモウツ』にも興味があったのだが、
夜が明けるのにも時間がかかりそうで、
じっとしてるのが辛かったこともあり、
そのまま自転車に乗って走り出した。
チェコの農村地帯を走り、山を下り、快調に西へと走り、
寒さの中、なんとかプラハまで走った。
プラハの街にも冬の空気が流れ込み、気温は0度に近い。
ここにも先日初雪が降ったらしく、空には分厚い雲が漂う。

あまりにも美しい街に心を奪われそうになるのだが、
また何時雪が降るか分らず長居は禁物。
しかし、今まで訪れたヨーロッパの街の中でも、
最も趣深く美しく、感性を刺激する街並みに惹かれ、
複雑な路地をうろうろと何時間も歩き、
疲れては、お洒落なカフェでお茶をした。
(複雑すぎる路地は、本当に方向感覚を鈍らせ、
夜に迷った時は、3時間も宿を探して歩いた。)
戦火を逃れたチェコでは、古く美しい街が多く残る。
プラハの街並みは、その中でも群を抜いて優雅であり、
妖艶な淫靡さを含んだ美しさを感じる事が出来る。
石の建物は長い時間をかけて変色し、
平らな壁に様々な表情を見せ、
細かな石畳は凸凹に隆起しながら、
建物の隙間を縫うように細く走る。







もっと暖かい季節にここを訪れていたのなら、
おそらくプラハの虜となり、ここに居座っていただろう。
しかし今は自転車の旅中。
少なくともシェンゲン協定や、冬の到来など、
じっとしていても近づいてくる制約がある。
再びプラハを訪れる事を心に誓い、
毎日、プラハを数時間歩きまくり、
毎晩、バーをはしごしては飲みまくった。
そして散財しながら『プラハ』を精一杯楽しむのだった。


↑モーツァルトも愛したと言われる『プラハ』
あまりケチケチしてると全く楽しめません。
これから何処へ向かうかはまたまた未定。
とりあえずチェスキークロムルフへ!




















