北スペインのリゾート地『サンタンデール』から、
『ポーツマス』までのフェリーが週に一便出る。

曇り空の港に停泊するフェリーに自転車を押して乗り込む。
ユーラシアを横断した後にしばらくスペイン北部を走り、
一時帰国の前に再びロンドンを目指す事にした。


自転車世界横断!!TERU-TERU project-Sailing01

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Sailing02


自転車を預けられる家がある事と、
個人的にやりたい事があった事、
デザインの仕事が入った事、
その他諸々の要因が重なりロンドン行きを決めた。

しばらく走ったユーラシアにも、
まだまだ行ってない場所も多く、
やり残した事は山ほどある。

正直長い期間旅を続けていると、
土地や歴史に対しての感動が薄れる。
心残りがあるのも一興であり、
それが新たな好奇心にも繋がる。


しばらく前から日本でやりたい事も明確にあり、
それは今後の旅に大きく影響を与えるだろう。


自転車世界横断!!TERU-TERU project-Sailing04

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Sailing03


長かったユーラシア編も本当にここで終わり、
10月7日の飛行機でバンコクへ向かう。

帰国は11月初旬になる予定だが、
それも予定なのでどうなるかは分からない。


ロンドンにいる間に、今までの記録を整理して見直し、
自分の中で反復しては辿った足取りを確認している。


今思い返してみても驚く程鮮明に旅路を覚えており、
グーグルマップの足取りを眺めると少々疲れてきた。

約一年前にイタリアで鞄と自転車を盗まれた時、
鞄の中に旅ノートも入れてあり、そこにはブログにはない
一行日記と、その日の走った距離、泊まった宿、
食費、宿代などを割と細かく記載していた。

その後はもう二度とノートを付ける事は無くなったのだが、
地図を見直すだけでその日に起きた記憶がリアルに蘇る。


そんな回顧に少々浸りながら、
体験した事は忘れないものだと実感すると共に、
「やはりサボりながらもブログを書いておいて良かった。」
と、あらためて実感するのだった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Sailing05


にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
山がちな地形はサイクリストにとって苦行のようでありながら、
目的地にたどり着いた時の達成感は格別のものがある。

北スペインのバスク地方を巡礼路と逆走して進む。

かつて造船で栄えた『ビルバオ』は一時は衰退したが、
今は街中にアートが目につく芸術都市として返り咲いた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao01

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao04

バスク地方の中心地である『ビルバオ』は、
スペイン有数の都市であり、北部屈指の湾岸都市でもある。
鉄鋼業が盛んで大きな工場が郊外にいくつもある。
芸術を重視した観光業にも力を入れ再開発も続けられており、
グッゲンハイム美術館はその象徴とも言えるだろう。
(ニューヨークグッゲンハイム美術館の分館)

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao06

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao07

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao08

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao12

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao03

本当に驚く程に街中のデザインが洗練されていて、
新しい建築物やオブジェ、河に架かる橋の曲線美、
旧市街と新市街の住み分けなどとても興味深い。

あまり期待しないで訪れた街であったものの、
ビルバオを自転車で一回りする頃には魅力に惹かれ、
結局1一週間程滞在する事となった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao09

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao05

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao02

バスク地方はスペインの中でも料理が美味しい事でも知られ、
バルではワインを飲みながら安値で何品かのタパスを食した。

バスク州はかなり独特な文化をもっており、
住民もスペイン語の他にバスク語を話す。
世界の85%以上の人がRH+の血液に対して、
バスク人は85%がRH-の血液である。
スペイン、フランスのバスク人地区を独立国家として
分離させる事を目的としたETA(バスク祖国と自由)は、
爆弾や暗殺などのテロ活動を国内外で起こしている。

そんな独自性が強い地域には、
革新的な個性を放つアートが似合う。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao14

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao11

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Bilbao13

グッゲンハイム美術館は、景色の中で違和感を感じる事はなく、
街のシンボルとして圧倒的な存在感を放っていた。

スペインを大きくグルッと回った形でバスク地方に辿り着き、
ここでとりあえずユーラシア編の旅が終わった事とする。

このままどうするか?どこへ行こうか?と考えながら時間を費やし、
再び今後の旅程を思案し白地図の上に線を引くのだった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-ビスカヤ橋01
ビルバオ近郊のビスカヤ橋。(世界遺産)
世界初の運搬橋であり、後に建設された運搬橋のモデルとなった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-ビスカヤ橋02

自転車世界横断!!TERU-TERU project-ビスカヤ橋03


にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村


ポルトガル滞在最後の町『ビアナ・ド・カステロ』を後に、
再び国境を超えてスペイン北西部ガリシア州に入る。

国境をまたぐ鉄橋は上部に鉄道が走り、
毎日国を超えて大勢の人々が行き交う。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-tui01
ポルトガル国境
自転車世界横断!!TERU-TERU project-tui02
ポルトガル、スペイン国境をまたぐ鉄橋


スペインの国力が勝っているのは
町並みを見れば明らかなのだが、
文化圏が重なる国境付近の町では、
国が変わっても生活の変化を感じる事はない。


スペイン国境にある辺境の町『トゥイ』は、
想像していたよりも大きく美しい姿で旅人を迎えた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-portgal super
ポルトガルでは散々お世話になったスーパー
自転車世界横断!!TERU-TERU project-tui04

自転車世界横断!!TERU-TERU project-tui03


とりあえずやる事も特にある訳でもないので、
その日に行きたい所まで気のままに進むだけで、
ガイドブックに載っている町にたどり着けたらラッキー。
そうでなければ適当に宿をとって町を見て歩く。

スペインの田舎町は地味でありながら、
赴き深いモノが多く見飽きる事がない。

そんな情景を楽しみながら北上を続け、
キリスト教3大巡礼地の一つである
『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』に着いた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Santiago de Compostela02


巡礼者達はフランス方面から千数百キロにも及ぶ巡礼路を、
巡礼者の証でもあるホタテ貝を首からかけここを目指す。

古くはこのホタテ貝を皿の代わりに
食べ物を恵んでもらっていたそうだ。

この時期は多くの人が訪れるとは聞いていたものの、
町に入ると思っていたよりも巡礼者の数が多いのに驚いた。

宿も目星を付けていたほとんどが満室で、
やっとの事でなんとか一部屋の空きを見つけ、
宿の主人に何でこんなに人が多いのかきいてみたら、
「サンティアゴ・アポストロ」と言われる聖地で最大の祭り
「聖ヤコブ際」の前日と言う事だった。

しかもヤコブ際が日曜日と重なる時は聖年(アノサント)とされ、
普段は閉じられている聖なる門が開かれるらしい。
11月にはローマ教皇ベネディクト16世も訪れるようだ。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Santiago de Compostela04

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Santiago de Compostela05

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Santiago de Compostela01

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Santiago de Compostela03

偶然とは言えクリスチャンでもない自分がいる事を、
少々場違いにも思えるが、幸運な事に間違いはない。


巡礼者であふれる聖地を、
その日は疲れを忘れて歩き回った。
そこで見る人々の顔からは長旅を終えた、
達成感と安堵を見てとる事が出来る。

彼らは長かった巡礼路から
それぞれの家路へと向かうのだろう。

僕もそんな中の一人であり、まだ遠い帰路を思う。


東から歩いてここへと辿り着いた巡礼者とは逆に、
僕はこれから巡礼路を東へと走る事になるのだが、
そんな旅の安全を一人密かに祈った。



にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
キリスト教三大巡礼地は他にローマとエルサレム。
無宗教の僕が何故かその全てに行ってしまいました。