自分は一体何をしているのか?
何でココに居るのだろう?そしてココはどこ?

西サハラの砂漠地帯を走っているとそんな事をよく思う。

戻る事も進む事も同じであれば、タダ前に進むしかなく、
追い風が強く背中を押すのを理由に国境へとペダルをこぐ。

地図に載っていない町が次々に建設されており、
この地域は後数年で驚く程に様変わりするだろう。

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自転車世界横断!!TERU-TERU project-Crossed west Sahara03
砂漠の中に突如表れる立派なレストラン兼ホテル。
地図には載ってないですが本当に助かります。


ダフラから国境までの400kmの道のりは、
ただ無心に走り続け先を急いだ。

国境には2軒のレストラン兼モーテルがあり、
夜に到着した人達はココで一晩を明かす。

質素で清潔とはとても言えない部屋だが、
ココしか宿泊所が無いので値段は高い。

国境は朝9時に開き、国境ゲートの前には
トラックや車やバスが長い列を作っていた。

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モロッコ国境にあるホテル1泊100DH
モーリタニア側には何も無いので要注意。

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列の横を自転車を押しながらゆっくりと入る。

イミグレーションで出国スタンプをもらうのだが、
皆並ばずに大挙として押し寄せるので、
係員に一括され再度列を作らされる。

係員の数は一人で効率も悪く仕事が遅いので、
結局スタンプをもらうだけで1時間も待たされた。

その後に何のチェックか分からない施設で、
何らかのパスポートチェックを受けるのに30分、
1時間半かけてようやくモロッコを出国する。

そしてモーリタニア国境までの緩衝地帯は過酷を極める。

道無き道、岩と砂の上を前方を走るトラックを頼りに進む。

道と呼べるモノではないが、道から外れれば
地雷によって粉々に吹き飛ばされてしまう。


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緩衝地帯。かなり殺伐としています。
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そんなスリリングな緩衝地帯を約3km走りモーリタニアへ。

ここでもビザのチェックとスタンプをもらうのに時間がかかる。

まずはビザと旅程の確認をしてからポリスステーションへ行き、
そこで再度ビザと旅程の確認をされ入国スタンプが押される。
(モーリタニアビザは国境で取得可能とあらゆるネット情報&ロンリープラネットにも掲載されていますが、2011年10月現在は国境でビザの取得は出来ません。それどころかモロッコを出国出来ない可能性が高いです。モロッコ国境にあるモーテルで会ったスウェーデン人女性は、ビザ無しで訪れあえなく返されていました。必ずラバトで取得しておきましょう。)

彼らの仕事っぷりはいい加減で効率が非常に悪く、
見ているだけでイライラしてくるが我慢して待つしか無い。

そして無事モーリタニアへ入国する事が出来た。

「おそらく今まで以上に何も無い風景が続くだろう。」

そんな事を思いながらも、久々の国境越えで気分が高揚する。

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まずは50km先の「ヌアディブ」と言う港町で一泊し、
そこから一気に首都の「ヌアクショット」を目指して走る。

一人当たりのGDPが650ドルのこの国は、最貧国の一つであり、
町を一目見ればその貧しさを一瞬で理解する事が出来る。

モーリタニア第二の都市であるヌアディブであっても、
スラムと町が一体化した様な雰囲気が漂っている。

しかし人々は素朴でホスピタリティーも高く、
親切で何よりも笑顔が素敵な人が多い。

当たり前だが、彼らは彼らなりに日々を楽しみ
それなりに充実した生活をおくっているわけで、
そんな彼らの表情を見る事で緊張も少しほぐれ、
モーリタニアの旅路が楽しみになって来た。

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ヌアディブの町。小さな町ですが活気があります。
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ヌアディブのキャンピングサイト1泊3000ウギア


モーリタニアに長居をするつもりは無く、このままの勢いで
一気にセネガルまで抜けるつもりだ。

南部には熱帯熱マラリアを媒介するハマダラ蚊が大量発生
している地域があるので、かなりの注意が必要である。

モーリタニアと言う日本人には聞き慣れない国に入国し、
コレから本格的な西アフリカの自転車旅が始まるのだった。


宿情報

ダフラから国境まではホテルのある町はありません。地図には無いですが飲み物を補給出来る小さな集落は40~60km毎にありました。自転車の場合は要野宿。
国境から約100km北にガソリンスタンド兼モーテル(安宿)と新しく出来た奇麗なホテル(一泊200DH,wi-fi有り)があります。国境にあるモーテルは2軒でどちらも清潔ではないですが、ココしか無いので我慢するしかない。

モーリタニア ヌアディブ

ロンリープラネットに載っているキャンピングサイトに宿泊。
約1000円位なので悪くない。
現在街の北部にいくつか新しくホテルが建設されています。中級ホテルだと思われるので一泊10000ウギア(約3000円)~くらいだと思われます。ネットカフェは多数ありますが速度は遅いです。特に上げが極端に遅く、仕事データをアップするのに手間取りました。
サハラ砂漠に敷かれた細い線の上を、
小さな点が風に吹かれながら南に下る。

海沿いの砂漠には朝晩真っ白な霧がたちこめ、
現実離れした別世界の中で、疲労感が現実に意識を留める。

いくつかの小さな集落に立寄り体を休めては、
国境線の無い国境をまたいで西サハラへ入る。

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モロッコ南部の西サハラは『サハラ・アラブ民主共和国』と言う、
サハラ独立を目指すポリサリオ戦線が統治しようとしている地域
であり、自称国の中ではかなり大きな分類に入る。

実質はモロッコの統治下にあり、国連でも認可されていないものの、
アフリカ諸国やラテンアメリカの国々58カ国は独立を支持している。
隣国のアルジェリア、リビアもポルサリオ戦線を支持し、
現在はアフリカ連合にも加盟している。

西サハラがアフリカ連合に加盟した事で、独立に反対するモロッコは
アフリカ連合から脱退し現在も加盟をする意志はない。

幾度もモロッコとの抗争を繰り返し1991年には停戦をしているが、
ここはまぎれも無く紛争地帯であり情勢不安定な地域である。

(ポルサリオ戦線は現在亡命政府をアルジェリアに置いている。また古いアラブ式の政治から近代的な民主的な開放路線を目指し、特に教育に重点を置いており、以前は10%程度の識字率だった難民キャンプにおいて、現在は識字率が90%を越えている。アメリカやヨーロッパの国々もポリサリオ戦線の政策を支持している。)

モロッコ政府は西サハラを実効支配するべく、
多くのモロッコ人を入植させ、サハラ人の人口比率を減らしている。
サハラで仕事の無いモロッコ人には、「入植代」とでも言うのか、
一定の生活費を保証しているので、
仕事をせずに暮らしているモロッコ人も居る。

また西サハラのインフラ整備にも多額の投資を続け、
モロッコ内陸部の地方都市よりも街並は美しく、
新しい建物が次々と立ち並んでいる。

そして驚く程多くの軍人と警察が町を徘徊している。

戦争でも始まるのか?と、思える程の軍人の数は異様で、
カメラを持ち歩いているとあっという間に職務質問を受けて、
画像をチェックされては、撮影した写真をその場で消される。

軍人や軍施設の撮影はどの国でも禁止されているが、
街並を撮影しようとしても、あちこちに軍人が立っているので、
風景を撮影するのも困難を極める。

それでも腹が立つので、撮影を続けていると、
警察の車に乗せられ宿泊先のホテルまで連行されてしまった。

とは言うものの、西サハラの治安は決して悪い訳ではなく、
むしろインフラ整備も進み、新しい街並には安心感すらある。

しかしやはり、ココは一触即発の不安定な地域であり、
お勧め出来る様な旅行先である訳ではない。

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沿岸部に多く存在する塩田
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野生かどうか分からないラクダの群れをよく見ます。
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ガソリンスタンドのサイン。よく見ると一番下のアイコンは「モスク」です。流石イスラム教の国ですね。
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ラアユーンの入り口。大きな町です。
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Tan-Tanから西サハラの自称首都『ラアユーン』まで一気に走り、
腰痛が気になったので、『ダフラ』と言う港町まではバス移動した。

途中に何度も検問でパスポートチェックが行われ、
職業と目的、旅程を聞かれ10分程待たされる。

何度も同じ事の繰り返しだが仕方の無い事だ。

腰痛も消えたので、これからモーリタニア国境まで
約500kmの距離を、一気に走りきろうと思う。

風向きは北からの追い風で、力強い見方になってくれる。


早ければ3日、余裕をもって走っても4日で到着出来るはずだ。


『サハラ』と、いう言葉の響きに多くの人は砂漠を連想するだろう。
砂に埋もれた部分に存在する領土問題や民族紛争は、
今後もまだしばらく埋没し続けるのかもしれないと感じる。

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ダフラの朝焼け


宿情報

Sidi Akdfennir

宿:Hotel ???I fogot name. 50DH/1day no internet.

海沿い小さな集落にあるホテル。小さな集落なのにホテルは4軒。
ハイシーズンは海水浴客が集まるのだろう。
町の東側にあり、一階がシーフードレストラン。
部屋はリフォーム済でバスルームもきれい。
オススメだが普通の旅人が来る事は無いでしょう。

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部屋の窓からの街並。
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Tarfaya タルファヤ

宿:Hotel C Juby 150DH/1day no internet

町の入り口にある新しい宿。中心地までは歩いて10分。
町には他にも3軒程あるが安い宿はかなり酷く、とても無理。
ここは宿の主人は野口健さん似。いい奴ですごく親切。
情報ノートも新設されて、英語と日本語で2ページ書いてきました。

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Laayoune ラアユーン(アイウン)

宿:Hotel Rakouara 220DH/1day wi-fi OK.

軍人さん御用達の宿に宿泊、中心地から少し離れた中級ホテル。
仕事が入っていたので少々高いホテルに宿泊しました。
中心部には100DH前後でネット可能な宿もあります。
西サハラを旅する人なら必ず立ち寄る町。町は大きく明るいので
骨休めも含めゆっくりする事をお勧めします。
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Dakfla ダフラ

宿:Hotel Erraha 200DH/1 day wi-fi OK.

立地も部屋の雰囲気も申し分内ですが、安宿ではありません。
100DH程度の宿は他に数件存在します。結構いい町ですが、
軍人が多く、カメラをぶら下げて歩くのは止めた方が良いです。
腰痛が続いたので海沿いの静かな町までバスで移動しました。

夜中に出たバスは明け方に『ダフラ』と言う港町に着き、
ホテルを探す前にカフェでお茶をしながらネットを見た時、
突然の衝撃に時間が止まりました。

ロンドンで約一ヶ月間一緒だった友人夫妻が、
アフリカで感染した熱帯熱マラリアによって、
南米ボリビアにて夫婦共に亡くなりになりました。

『タビロック』と、題打った、世界を回る新婚旅行の最中でした。
http://ameblo.jp/goooooska/entry-11036766266.html

「西アフリカを回る時にまた会えたらいいね。」と、
ロンドンで話をしていた事がもう叶う事はありません。

数種類あるマラリアの中でも、
熱帯熱マラリアの危険性はよく知られています。

twitterは熱が出てから病院へ行くまでのつぶやきで終わってました。

旅人の死はどこかで付き物だとは思っていましたが、
あんなに仲の良い夫婦が突然亡くなる現実を受け入れる事は至難です。

ご冥福を祈ると共に、彼らが行けなかった土地を見て、
墓前に報告する事を誓います。