去年も産前と比べればほとんど映画は観れませんでしたが、里帰り中にみた映画の中で印象的だったのが、デンマーク・コペンハーゲンにあるノーマに関する2本「ノーマ 世界を変える料理」「ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た」と、「TSUKIJI WONDERLAND」、そして「二郎は鮨の夢を見る」です。
いずれもドキュメンタリー映画で、食に関するものばかりです。
築地の映画にもノーマのシェフが出てきたり、同じタイミングで観たのが良かったように思います。
移転してからの市場は出産してからなかなか行けずどうなっているかわかりませんが、以前の築地は色々な思い出があります。
ノーマの映画に関しては、本編とは別に私は心に残ったシーンがありました。
レストランノーマのシェフが初めてミシュランで星を獲得し、自分の父親に報告した際に返された一言です。
彼の父は黙っていた後、「そうか、これで家族が養えるな」と言ったそうです。
世間からの称賛の声を喜ぶより先に、家族をしあわせに出来る、それが自分の幸福につながると我が子の事を父親の角度で思って出た言葉でしょうか。
シェフ自身も、世間の評価に振り回される日々を過ごしていくだけでは疲弊するだけだと語っていました。
それとは距離を置き、自分にしか出来ない料理を突き詰める事を目指す仕事は素敵だと思います。
仕事として好きな事を選ぶと、なかなかそうは出来ず理想と現実の兼ね合いが取れなくなり破滅しそうになる事もしばしば。
そんな時に何が自分にとってしあわせかを見失わないで過ごして行く事はどこで何をしていても必要なのかも知れません。
それともう一つ。
ノーマの映画でのスタッフの言葉。
結局は僕らどこかが変なんです。との台詞はとても分かります。
厨房で働く人間は普通じゃとても続けられない。おかしな自分が料理を作る事で支えられる場所だと感じます。