遺言や相続は家族を結び直す大切な儀式であるはずが、「囲い込み」が絡むと、かえって分断や争いの火種になることがあります。
現場で見てきたさまざまなケースを踏まえ、“親の意思”を守りながら“家族の関係性”も大切にするにはどうしたらいいのか。
そんな視点からこのブログを書きました。
動画で解説
遺言・相続と「囲い込み」の知られざる関係
遺言や相続は、親が子どもたちに遺す「最後の意思表示」。
それが家族の絆を深めるものになるか、分断の原因になるかは、その“プロセス”にかかっています。
特に問題になるのが、「囲い込み」が絡むケース。
囲い込みとは、高齢の親が要介護状態などになったとき、一部の子どもが他の兄弟に親を会わせない状態を指します。面会拒否、連絡遮断、住所非開示などを行い、その結果、他の兄弟姉妹が親と接触できないまま、遺言や贈与の手続きが一方的に進められてしまうのです。
「自由な意思」で書かれていない遺言の危うさ
遺言は基本的に「本人の自由意志」で書かれるものですが、囲い込みのもとでは、その自由がゆがめられてしまうことがあります。
「長男に全財産を相続させる」
「長女だけに遺贈する」
そうした一方的な内容が、認知機能の低下した親から出てきたとき、「本当に自分の意志だったのか?」という疑問が生まれます。
争いを防ぐには「多角的な視点」と「仕組み」が必要
遺言をめぐる争いを防ぐためには、法的・心理的な対策が欠かせません。
【法律・税務の視点】
- 公正証書遺言の活用(第三者の関与で信頼性を高める)
- 成年後見制度の活用(判断力低下に備える)
- 遺留分の理解(奪われた分を一部取り戻す制度)
【家族関係の視点】
- 親が元気なうちに「家族会議」を持つ
- 兄弟姉妹間での関係を保つ努力
- 「親はみんなの親」という共通の価値観を持つこと
最後に
遺言は、愛情と信頼のメッセージであるべきもの。
それが囲い込みによって“分断の手紙”になってしまわないように、私たちひとりひとりが、日ごろから「親子」「兄弟姉妹」の関係性を見つめ直す必要があります。
親の意思を尊重しながら、家族としての絆をどう守っていくのか。
これからもこのテーマについて、情報を発信していきます。
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