このブログでは、「成年後見制度で本当に囲い込みを防げるのか?」というテーマを扱います。
家族間の感情的な対立、法制度の限界、そしてその活用方法について、専門家としての視点からわかりやすく整理しました。
“制度に期待しすぎず、正しく使う”という姿勢が、解決への第一歩になります。
動画でも解説しました。
成年後見制度は囲い込みを防げるのか?
・高齢の親と会えない。
・兄弟に親の所在を隠され、面会も拒まれている。
・財産が勝手に動かされている気がする――。
こうした「囲い込み」問題は、年々深刻さを増しています。
その対策として注目されるのが、成年後見制度です。
果たして、この制度で囲い込みは防げるのでしょうか?
成年後見制度の仕組みと期待できる効果
成年後見制度は、判断能力が低下した高齢者に対し、家庭裁判所が「後見人」を選任する制度です。
後見人は本人に代わって、以下のような役割を担います。
- 預金や不動産の管理
- 契約や施設入所の手続き
- 遺産分割や相続手続きへの関与
この制度を通じて、「勝手な財産処分」などの問題に一定の歯止めがかかるのは事実です。
とくに、弁護士や司法書士といった第三者が後見人になるケースでは、
親族間の情報共有や報告義務も発生し、透明性が保たれやすくなります。
それでも制度には限界がある
とはいえ、成年後見制度にも明確な限界があります。
たとえば次のような点です。
- 後見人に「面会を実現する義務」はない
- 施設や囲い込む家族が協力しなければ、親と会うことは困難
- 親族後見人が囲い込みに加担するリスクもある
つまり、「心の分断」「感情の断絶」までは制度で解決できないのです。
解決の鍵は「制度+人間関係の理解」
囲い込み問題に対処するには、制度の知識と家族心理の両面が必要です。
- 家庭裁判所への申立て時に、専門職後見人を希望する
- 面会交流を求める調停を起こす
- 状況に応じて弁護士や支援団体に相談する
そして何より大切なのは、「親は自分ひとりのものではない」という意識を兄弟姉妹全員が持てるように働きかけることです。
おわりに
成年後見制度はあくまでツールであり、「万能な解決策」ではありません。
しかし、正しく理解し、適切に使えば、囲い込みから親を守る力強い味方にもなり得ます。
制度を活かすかどうかは、私たち次第です。
もし、今まさに囲い込みに悩んでいるなら、一人で抱え込まず、どうか専門家のサポートを活用してください。
「親は家族みんなのもの」
――その想いを形にするために、私はこれからも情報発信を続けていきます。
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