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両親の老いについて 

また私が面した老いについて綴っています。

 

 

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老いを生きる 目次

 

 

 

前回の記事を書いてから

半年経ちました。

 

 

この間に

父は持病の皮膚病が回復して病院通いが終わり

その他服用薬も減薬。

 

母は昨年2月に入所した

特養ホームでの生活にもすっかり慣れて

両親ともに落ち着いて過ごしてました。

 

 

 

 

が 先月中旬

母が背骨の圧迫骨折がわかって

以前いた病院に再入院。

 

 

初めは痛みを訴えていたけれど

私が見舞った時にはもう痛みが引いていて

 

「調子はいいよー!」と。

 

 

2月4日に退院が決まりました。

 

これで一安心。

 

 

 

 

母は糖尿病の他にも慢性心不全など 

4つ病気があるのだけど

なんだかどんどん元気になっているのよね。

 

 

母の身体の状態が

医療的な数値や通例に反して良好な原因には

母の「楽観的な妄想力」が大きく関わっている

と私は思っているの。

 

 

認知症があるのでね

母はかなりぶっ飛んだことをよく話す。

 

 

この間は

 

「山に登ってきたのよー」

 

ときた。

 

 

「1人で山に登って

 いいお天気でね

 すっごく気持ち良かったのよぉ~」

 

だって。

 

 

私は子供の頃 両親に連れられて

よく山登りに行ったのだけれど

その時の思い出がありありと蘇っているようで

リアルに清々しい山の様子を語ってくれた。

 

 

別バージョンの登山記もあって

父が聴いたところによると

 

母がお弁当を作って

子供たち(兄私妹)や孫たちとみんなで

山の頂上でお昼を食べたそうな。

 

 

「私のお弁当 みんなすっごく喜んでね

 楽しかったわぁ~♡」

 

とても嬉しそうに話していたと。

 

 

母はベッドにいながらにして

山に登り 毎日近くを散歩している。

 

季節もちゃんとわかっていて

お花見  お祭り バーベキュー

運動会にも参加。


日々妄想を繰り広げながら

色んな行事を楽しんでいる。

 

 

毎日 色んな人から

「お願いだから来て~!」

とお声がかかるそうで

 

「呼ばれたら行かないわけにはいかないでしょ

 もうほんと忙しいのよ~

 私は人気者だから」

 

ケラケラ笑う母。

 

 

現実でも これまで

看護師さんや介護士さんを

このマイ妄想ワールドに巻きこんできたので

 

「いつもこちらが楽しませてもらってます」

「光子さんの担当の日は嬉しくて」

 

なんて言われてた。

 

 

母の周りは実際に

妄想ワールドを一緒に楽しんでくださる方ばかり。

 

そんな温かい方々に囲まれているので

母は何も心配がなく

夜も安心してぐっすり眠れて

見る夢もいい夢ばかりだそう。

 

 

 

自分が縫製の仕事をしていたことはよく覚えていて

今でも注文を受けて

仕事を続けているつもりでいる。

 

 

ついこの間はお客さんの1人が

母がデザインした洋服を喜んでくれて

 

「その人がまた別のお客さんを連れてきてくれたのよ」

 

なんて喜びながら

過去現実にあった話をしていた。

 

 

現実の母は自分ではベッドから動けないけれど

妄想の中の母は毎日忙しく大勢の人と関わって

幸せと喜びの中に生きているんだよね。

 

 

 

 

母は家族の名前と顔は今でもはっきりわかる。

 

けれど

時間と関係性があやふやになって

息子(孫)の存在は認識していても

娘の私は大抵20代の嫁入り前設定になることが多い。

 

 

会う度に

 

「恵理子 いい人いないの?」

 

と結婚を勧めてくる。

 

 

以前 26歳のイケメン介護士さんと

私をくっつけようとしたこともある。

 

 

いつもは現実を説明すれば

 

「ああ そうだったね」

 

とすぐ「今」に戻ったのだけれど

この間は説明しても

何度も結婚話を進めようとするから

 

「うん 今何人か候補の人がいてね 

 選んでるところ」

 

なんて母に合わせてみたら

 

「そうなんだ!

 そうそう よーく選んだ方がいいよ」

 

と目を輝かせて話にのって来た。

 

 

さらには

 

「実は私もね いい人がいてねぇ

 今度お見合いしようかと思ってるの」

 

なんて言い出した!

 

 

私のみならず 

時間的に自分も20代に飛んでいる模様。

 

 

にしても

81歳の母と恋バナをするとは思わなかったわ。

 

 

 

母は父にも

 

「ずっと1人でいるのもなんだし

 私に言い寄ってくる人がいてね 

 その人いい人だから

 そろそろ結婚しようかなと思ってるの」

 

と相談していたそう。

 

 

父 「それは良かったじゃないか」

 

と受けたそうで。

 

 

「何を言い出すか まったく面白いよ!」

 

父も笑っていた。

 

 

 

母が

ベッドから動けないとか

こんな病気になっちゃってとか

悲観的になったり

痛みが出て苦しむのを見るより

こんな風に楽しい妄想で笑っていてくれると

こっちも楽だよ ありがたい って。

 

 

 

 

現実がどうであれ

自分の想いで

満足して 幸せに過ごすことが出来る

 

 

病気は確かにあるけれど

どんな気持ちでいるか

どんな想いで日々を過ごすかで

症状は違ってくる

 

 

母は意図してそうしてるわけじゃないけれど。

 

 

病は気から

 

母を見ていると本当にそうだなと思います。

 

 

 

母には幻視があって

時々壁際に黒い虫が見えるそう。

 

「黒い虫がほら!そこ飛んでる!」

「みんなは見えないの?」

 

指さしながら言っていた。

 

 

祖父も認知症があったのだけど

 

「黒い糸が天井から下がってきた!」

 

と言っていたそう。

 

 

でも 母も 祖父も

 

黒く見えるものをそんなに気にしていなかった。

 

 

今の母と同じように

祖父も最期の時間を

とても朗らかに過ごしました。

 

 

 

見えても気にしないこと

 

それも大事みたい。

 

 

 

認知症の家族から

色々教えてもらってます。

 

 

 

 

 

魂響書占 たまゆらしょせん 恵理子