これも最近聴いたロックのオリジナル盤。
ブリティッシュ・ロックの一大ジャンルであるカンタベリー系のバンドで活躍したギタリスト、スティーブ・ヒレッジが中心になり結成したバンド、カーンの唯一作。デッカの下位レーベルであるデラムからの発売。
なのでUKオリジナルはデッカ・プレスでマトリックスは両面1W。しかも今回あらためて確認したところ、なんとスタンパー番号が両面「1-B」と判明。何が「なんと」かと解説すると、イギリス・デッカはマザーとスタンパーの管理(つまり製造数の管理)に会社独自のコードを使用。スタンパーに用いられたのは「BUCKINGHAM」という文字列でそれぞれが1⇨0に割り当てられます。(これを「バッキンガム・コード」と呼びます)つまり「1-B」は最初に製造されたスタンパーということで、「鮮度が高いんじゃね?」という妄想の背景に。さて、それではファースト・スタンパーの音とはどんなモノでしょうか?
その前に、もう一つ気にしないとイケナイことが。それは、またしても「イコライザー・カーブ」。UKデッカは独自のイコライザー・カーブを採用していましたが、使われていたのは50年代くらいまでとされてます。実際、クラシックのデッカ盤ではモノラル期はデッカ・カーブですが、ステレオについては60年前後までのいわゆる「ブルーバック」期までくらいかなあ、というのが実感。ですがロックについては、聴いていくと72年くらいまでは怪しいヤツがあるというのが実感。このアルバムもなんだか抜けの悪い音でかつ72年なのでイケるかも、とカーブ設定を変更。すると、まあなんということでしょ〜眼前にはスタジオ・ライヴが。デッカ・カーブは高音もいじるので、RIAAカーヴの盤を聴くと高音がカサカサして不快な音になりますが、そんなこともないのでまあコレでいくか、と。
このバンドはスティーブが60年代に組んでいた伝説バンド、ウリエル(後にアーザケルというバンド名で1枚アルバム発表)の元同僚でカンタベリー系キーボード筆頭重要奏者であるディヴ・スチュアート、元アーサー・ブラウンのバンドのベーシストだったニコラス・グリーンウッドなどが参加。特に後者はファンキーなベース演奏とその粘っこい独特の歌唱によって単純なプログレになっていないところが面白くもあり、アクが強く聴く人を選ぶ面も。
当時はウケてけっこう売れたのか、高いレコードの多いデラムのオリジナル盤の中ではそんなに高くないレコードです。