今週の日曜日、奈良林直先生の講演会を実施します。 | 井上政典のブログ

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 3月4日日曜日15時から電気ビル共創館A会議室で「再生可能エネルギーのまやかし」という演題で北海道大学名誉教授の奈良林直先生の講演会を実施します。

 

 反原発派の人たちは、再生可能エネルギーで日本の電気は足りると無責任なことを言っていますが、どうしてそうなのかを原子炉工学の専門家の立場からお話しいただきます。一方的な講演会ではなく、私とのセッションの時間を設け、できるだけ反対派の人たちが言いそうなことを先生にぶつけ、それに対して反論をしていただく形にしようと思っています。

 

 太陽光発電も、ちょっと深く考えればわかりそうなものですが、最低でも一日のうち半分は発電ができません。さらに雨の日があったり、曇りの日があったりと発電能力がフルに稼働できるのは約12.5%だと言われています。残りの87.5%はどうするのでしょう?

 

 蓄電技術が進歩しています。だから家庭の電力はそれで賄えるかもしれません。ただし太陽光発電パネルの設置や蓄電池の購入など巨額の初期投資が各家庭で必要です。それをそこまで投資できない人たちや、集合住宅に住んでいる人たちが再エネ賦課金として毎月の電気料金から支払っているのです。

 

 この仕組みはドイツで先行していましたが、現在ドイツはこれ以上の負担に耐えられないと今後どうするかの見直しに迫られています。もちろん一般の電気料金も高騰しており、ドイツ国民がそのエネルギー政策に待ったをかけようとしていることは日本ではあまり報道されていません。

 

 しかしエネルギーの問題は産業用の電力の確保が重要となります。

 

 安定した電力供給と、もう一つ重要なのは安定した電圧です。普通の工業製品であればそこまで安定して電圧は要求されないそうですが、付加価値の高い精密機械になるとちょっとした電圧のブレが製品自体の品質を左右してしまうこともあるそうです。

 

 またもし停電などが起こった場合、工場のラインに乗っているすべての原材料が加工途中の中途半端な状態で止まってしまうために、使い物にならなくなり、私の知り合いの工場では一回の停電で数百万の被害が出るそうです。

 

 幸いにも今まで日本は停電などよほどの事故や災害が起きない限りありませんでした。停電してもしばらく待てば復旧しました。

 

 でも、そこには電力マンたちの目に見えない努力が集約されているのですが、電気が来るのが当たり前と思うようになった一部の日本人はその努力や費用やまた士気の維持がどれほど大変かということがわからないようです。

 

 一瞬たりとも電気の供給を止めない、もし止まったら速やかに復旧させる。これに電力マンとしての使命と誇りをかけて日夜メンテナンスをされている苦労をもう少し知ろうではありませんか。

 

 原子力発電の反対派の人と話していると「スィッチをつけると電気がつくのは当たり前」と思っている人ばかりです。

 

 電気は電気料金さえ払えば自由に使えるものだと思っている人ばかりです。

 

 その電気を作るためにどれだけの燃料が必要でそれを確保するためにどれだけの苦労があるかが全然わかっていません。

 

 石油や天然ガスはお金さえ払えばいつでも好きなだけ買えると思い込んでいるようです。

 

 でも、先の大戦で「日本がなぜあの悲惨な戦争を戦わねばならなかったのか?」ということを国際政治的な観点だけでなく、国内のエネルギー事情などを勘案して考察していくと、ほとんどの輸入を頼っていたアメリカからの原油と鉄の原料の禁輸措置が日本を戦争に追い込んでいったことを知らねばなりません。

 

 いろいろな要因はほかにもありますが、もしあの時に日本国内で算出できる石炭ですべてのエネルギーが賄えていれば、日本は戦争に突入する必要はなく、あれだけの全面戦争は起きなかったと言えると思います。

 

 明治維新後の産業革命は、石炭が国内で豊富に取れたものだから人材育成にも成功したために、世界史に誇る経済発展をすることができました。もし、石炭がなかったら、日本はあれだけ急速な工業化は実現できませんでした。

 

 その後石油の時代となり、石炭では国家が成り立っていかなくなった時に、中東の重要性が増し、世界の火薬庫となっていることを考えれば、その意味が分かると思います。もし、中東の石油が枯渇したら、誰もあの砂漠地帯を血を流してまで欲しがる人はいなくなるでしょう。

 

 現在の日本経済において電力が産業の基本となっています。それをどうやって作り出すが政府の重要な仕事の一つです。

 

 それを40年前のオイルショックを契機に原子力の平和利用で賄おうとして現在国内に約50基の原子炉が存在するようになりました。そしてそのために莫大なお金をかけて建設し、3.11後また莫大なお金をかけて安全対策を実施ています。

 

 でも、なぜかそれは国民の目に見えません。実際原子力発電所を訪問し、レクチャーを聞くと様々な安全対策がこれでもかと施されていることが素人の目にも簡単にわかります。それが一般の国民には届きません。

 

 なぜなら、本来それをするのがマスコミの使命なのですが、明らかに故意的な怠慢で報道していないと思っています。

 

 私はいろんな機会があるので、専門家から話を聞いたり実際に見に行ったりして見聞を広め、原子力に対しての理解を深めることができています。だからこうやって日本のエネルギーの安定供給のために原子力を活用しようと啓蒙活動をしているのです。

 

 今回もそういう観点から福岡ですが、原子炉工学の世界的権威の先生から直接お話を聞けるように設営しています。

 

 反対派の方でもきちんと礼節をもって会に参加していただけるのなら、大歓迎です。質問の時間を差し上げます。その時間をご自分の不明なところを解消するためにお使いください。そうであるならば、反対派の意見も大歓迎です。

 

 自分たちの科学的根拠のない一方的な意見を言ったり暴力的な行動をするのであれば、進行役として私は断固とした処置をします。ただ何事も対話をしてお互いの理解を高めることは重要だと思います。

 

 なぜ再生可能エネルギーでは日本は支えられないのか、またなぜいまこそ原子力が必要なのかを考えていこうと思っています。

 

 またひとつ面白いことがわかりました。

 

 この講演会を実施するために実行委員会を開いていたところ、九州原子力委員会のリーダーの所へ、CHINAから原子力関係者へということでメールが送られてきていました。

 

 それは日本の原子力関連の技術者ほぼ全員に行っていると予測していますが、技術協力の要請でした。もちろんその見返りもちゃんと用意されています。うちのリーダーは御年80歳過ぎの方ですが、精力的に学生との対話集会や原子力の啓もう活動に励んでおられるから白羽の矢が立ったのだと思います。

 

 ちょっと考えてみてください。

 

 1.日本国内で原子力に対しての悪い感情を喚起させる。

 2.被爆国としての核アレルギーがあるから、容易に反対派が多くなる。

 3.技術者が自分の仕事の将来的な望みが消える。

 4.そこでCHINAが高額の報酬を用意して技術者を大量に迎え入れる。

 5.東南アジア各地にAIIBを活用して原子力発電所を建設する。もちろん費用も、メンテもCHINA持ち。

 6.電力不足のあえいでいる東南アジア各国はこうして国内のエネルギーをCHINAに握られる。

 7.軍事的介入なしに東南アジア諸国をCHINAの版図に入れることができる。

 

 この3番目4番目の段階に入っているのではないでしょうか。

 

 福島の悲惨な事故を見れば原子力発電が怖いという感情が生まれることもよくわかります。放射能は目に見えないものですから。

 

 でも、人類は100年以上もかかわってきてその知見を蓄えております。事故の対策も幾重にも施してきています。

 

 それを原子力発電の権威から直接話を聞くことはとても重要なことではないでしょうか。

 

 日曜日の午後にそんな堅い話と思わないでください。奈良林先生の語り口はソフトで話も面白く、それを私が精いっぱいコーディネートしていきますので、楽しくわかりやすい原子力講演会にしていきたいと思っています。

 

 3月4日 14時半開場 15時から16時45分まで 電気ビル共創館 A会議室 会費2000円、学生さん1000円

 

 お待ちしております。