チャップリンの街の灯テーマ | 井上政典のブログ

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思い出のある曲 ブログネタ: 参加中
 
 無声映画とバカにしていたのですが、チャップリンの「街の灯」を高校の名画鑑賞会で見に行った時に衝撃を受けました。

 せりふがなく、俳優の演技とストーリーだけで物語が淡々と流れていきます。

 人の息遣いが聞こえてくるような表情と、しぐさが見事でした。

 高校生というまだ未熟な人間がこの映画をみて凄いと思ったのです。

 最後に流れる街の灯のテーマ曲を聴くと今でもその感動が蘇ってきます。

 最近、ふとしたことでこの映画を見る機会がありました。

 やはりすばらしい映画でした。以前よりもっと人の優しさが伝わってきます。

 この映画が作られた当時は大不況の直後で巷には失業者が溢れて、殺伐とした時代背景があったはずです。

 だからこそ、人間のやさしさが大きな価値を持った時代だと思います。

 30年以上経ってみたら、もっと理解ができて得した気分になりました。

 そして、もう一つ大きな事に気付きました。

 この映画を生徒に見せようと選んだ学校側の配慮です。

 どんな過程を経てこの映画を選んだのでしょう?すぐに決まったのでしょうか?

 きっと先生たちが何を生徒に見せたら、将来の思い出になるのか?人生の肥やしになるのかを一所懸命に考えてくれて決めたのだと思いました。

 それを考えながらこの映画を見て、ラストシーンで街の灯のテーマ曲が流れてきた時には、どうしようもなく、人の優しさや思いやりを感じることができ、涙が止まりませんでした。

 年齢を重ねると、たくさんのことが見えてくるようになりますが、その反面、まったく忘れて去っていたことを思い出すことがあるのです。

 映画とその音楽、うれしい思い出です。