昨日に引き続き、佐藤僖良子先生の話を元にお箸のタブーを書きます。
その前に、昨日マレーシアの大ショッピングセンターパビリオンの日本の代理人にお会いしました。
その時の一言。
「日本のおもてなしの心はコンテンツとして売れる!」でした。
細やかな決まりの元に長年かけて積み上げられてきた作法。それは、宗教的な意味合いはなく、相手を不愉快にさせないという思いやりの心で出来上がったものです。誰に対しても優しい日本のおもてなしの心は、世界中の人々を魅了しているのです。
フランスのレストランでは、日本人が作っているというだけで話題になり、行列ができます。CHINA人や朝鮮人が作っているといったレストランが評判になるでしょうか?
これだけの評価を受けている日本の作法を日本人が知らないことがもったいなくありませんか?
日本的な作法をきちっと知ることは、自分の価値を高めます。ここに箸の使い方を書きながら、私も反省しております。
イ.箸使いのべからず集
①そろえ箸
箸先をそろえる時は、唇でそろえたり、お膳の上や食器の中で立てて揃えたりしてはいけません。両手を使って優雅に揃えましょう。そっちの方がきれいに見えるでしょう。
②迷い箸
どの料理に箸をつけようかなと迷い、料理のあちこちへ迷うこと。男性がすると、優柔不断な男に見られるでしょう。
③空箸
迷った挙句、いったん料理に箸をつけながら『やめた』と離すのが空箸です。箸をつけた料理は食べること。こんなしぐさをする男性は、浮気性と見られても仕方ありませんね。
④移り箸
空箸をしてから別の料理に箸をつけること。
また、菜を食べたらご飯、また菜というように交互に食べるのが作法ですが、菜から菜へ移ることも移り箸といわれます。菜から菜へと食べるとだんだん味が濃くなります。その舌の感覚を元にもどすためにも淡白なご飯を食べるのが健康的です。
⑤込み箸
口一杯になるほど詰め込んで食べること。これは誰が見ても品がないですね。
⑥ねぶり箸
何もはさんでいない箸先をなめること。まあ、女性がすると艶っぽいこともありますが・・・。
⑦横箸
すくって食べること。煮豆などを食べる時にしがちですが、箸には「すくう」という機能はありません。一粒づつつまんで食べましょう。やっぱりこっちの方が上品ですね。
⑧刺し箸
お芋、かぼちゃなどをフォークみたいに突き刺すことです。箸で切って、挟んで食べましょう。
⑨探り箸
器にきれいに盛られている料理を下の方から好きなものを選り出すことです。これも見た目が下品ですね。
今日はここまでにしておきます。
ちょっと、鋭い方はお気づきになられたと思いますが、食事の作法は相手に対して不愉快な思いをさせないという心遣いがあれば、ほとんど防げます。
逆に、無作法な振る舞いは相手に心遣いをしていないと思われるのです。
商談の際に一緒にご飯を食べるのは、親しくなるためとちゃんと相手が心遣いができる人か、つまり信用できる人かを見られているのです。
楽しく食事する時にきちんと作法ができている人はいいのですが、あまりにも無作法であれば信用されないこともあることを知っておくべきだと思います。
その心使いが見えた時は、美しいものです。
日本人は物事を善悪で判断するのではなく、美しいかどうかで判断する民族です。
美しいしぐさが、評価を上げるだけでなく日本の伝統を引き継ぐものだと自覚して楽しく食事できるように私も今後も精進します。
明日は、いよいよ完結編です。