【日本人講座】 第一回 箸の使い方 その1 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 日本文化を語る上で食事の作法を抜きにしては語れません。

 お父さんのお茶碗、お母さんのお茶碗、お兄ちゃん、お姉ちゃんのお茶碗を持っているのは、日本人だけだということをご存知ですか?

 清潔を世界中で一番好む日本人は、それぞれの持ち物にも命や魂が宿ると考えています。それは、箸にも同じことが言えます。

 古事記でスサノオノミコが高天原を追放されて中つ国に来た時、川上から箸が流れてくるのを見て上流に人が住んでいることがわかります。これは、人が使った箸は川へ流すという習慣があったのです。

 つまり、物を使うとその物に使っている人の魂が宿るという考え方があるのです。山川草木悉皆成仏という考え方に通じます。

 皆さんも自分のお箸を持っているでしょう。でも、、どんな裕福なアメリカ人だって、マイフォークや、マイナイフを持っていることはありません。中華料理でも白いお茶碗にご飯を入れて食べますよね。

 マイ箸、マイ茶碗を持っているのは日本民族だけだということを頭に入れると箸の使い方がどれだけ大事かということがわかると思います。

 一緒に食事をしたら、あまりにも相手のマナーの悪さに百年の恋もいっぺんに冷めたということもあるくらいですから、ぜひ下記のことを気をつけて食事をしましょう。

 以下は、礼法講師の佐藤僖良子さまから教えて頂いたものです。

ア.きらい箸
 ①直箸(じかばし)
 二人箸、箸渡しなどは、穢れを忌避し、清浄心を尊ぶ日本人の美意識にもとるものとされます。
 特に箸渡しは、火葬場に行かれた方はご覧になったことがあると思いますが、個人の焼けた骨を骨壷に入れるときに、骨を箸渡しで渡します。それを日常で使うことがどれだけおかしいかわかりますよね。

 ②握り箸、先箸、中箸、天箸、逆さ箸、クロス箸など、正しい持ち方でないものを言います。
 素敵な女性を和食のお店に連れて行ったときに、箸の持ち方がおかしいと恥ずかしく思うのは私が叔父さんだからでしょうか。

 ③込み箸、ねぶり箸のように他人にいやな感じを与えるものは慎むこととして、昔から「箸使いのべからず集」があります。
 ちゃんとした箸使いをしていないといざといった時に大恥をかきます。日ごろからきちんとした箸使いを練習しておきましょう。

 明日のブログでこの「箸使いべからず集」を書きますが、肘を突いて食べる人を最近よく見かけます。これは、西洋のテーブルマナーでも最悪の所作です。ぜひ、食事をする際は背筋を伸ばして、テーブルに肘をつかずに美しく食べたいものです。

 それから食事中にタバコを吸う人がいますが、これは料理人に対しても大変失礼な行為であり、西洋料理でもデザートが出てくるまでは吸うことはマナー違反です。

 座敷の宴会の終わりにみんなで立つことがありますが、座布団の上に立っている人をよく見かけます。これも西洋で言うといすの上に立つようなものですから、おかしいのです。ちゃんと座布団をよけて立つようにしましょう。

 人のマナーのことをとやかく言うように私も完璧ではありませんが、いろんな会合に出てマナーで文句を言われたことはなく、ちゃんとまたそういう正式の会に誘われていますから、最低限のことはできているつもりです。

 よくそういう会に呼ばれるけれど、同じ人からは誘われないあなた、自分のマナーを気をつけたほうがいいと思います。特に和食の箸使いは育ちの良し悪しを見られますから、親御さんの顔で泥を塗る行為です。

 また、この続きは明日書きますので、お楽しみに。