日曜日の夜はテレビから目が離せない! | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 8時からNHKの平清盛、9時からはTBS系列の運命の人と日曜日はテレビに釘付けです。

 おもしろいとか面白くないからではなく、何を言っているのかをチェックするためです。ご存知のように平清盛は「王家」の連発で、朝廷が何かおぞましいような存在として描いてあります。
 
 演出上、公家社会から武家社会へ変わるような時代を描くのであれば、藤原摂関家と源氏と平氏の対立軸に描けばいいことです。でも、上皇を不気味に描き、おどろおどろしい雰囲気をかもし出す必要があるのでしょうか。

 朝廷内の色恋沙汰など一切表に出ない秘め事です。それをいかにも事実のように描くことは、歴史を知らない人から見れば、そんなこともあったのかと思う格好の材料になります。

 この脚本を書いた人は、皇室に対して何の尊敬もみられず、むしろそれより敵意さえ感じられます。

 今回の放送で、清盛の父忠盛が殿上人となり、祝いの宴に清盛も出席する場面で、どうして平服で出席するのでしょうか。小汚い服装で出席することは絶対にありえません。きちんとした式服に着替えるのが、中級貴族としての礼儀であり、常識です。

 それを反体制を演じる清盛らしく汚い格好のまま列席させることにより、貴族の権威を失墜させ武家社会の登場を正当化させるための演出のようですが、清潔さが日本文化大きな特徴であるのにそれを完全否定するような映像は納得できません。

 庶民になればなるほど、風呂や行水で清潔していた日本人は、16世紀に日本に来たフロイスが当時の先進国だと思っていたヨーロッパよりも日本人が清潔だったのを見て、びっくりして書簡を本国に送っています。

 にもかかわらず、もっとも清潔を重要視される貴族の集まりであんな格好した清盛がきちんとした礼法も弁えずにいること自体、おかしいと思います。それを演出上の問題として済まされるのでしょうか。

 こんな番組を作るNHKは一体何をたくらんでいるのでしょうか。

 おかしいぞと思いながらこの番組をみるように周りの人に言ってください。決して鵜呑みにしないようにすることを教えていただくようお願いします。