日本の観光戦略はこれでいいのか?佐賀空港へのLCC乗り入れに思う | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 今朝の妻との会話;
 「上海まで佐賀空港から3000円でいけるんですって、東京なんかに行くよりもずっと安いわね」
 「行きたいと思うの?何しに行くの?」
 「・・・・」

 私は九州歴史敢行戦略研究所を立ち上げ、歴史と観光を結びつけ、地域を活性化しようとしています。でも、安易なCHINAや半島からの観光客を純朴な田舎に招き入れることに反対しています。

 それよりも日本の人に興味を持たせて、こさせるような街づくりや観光資源の開発を町が一体となってしなければならないと思っています。長崎市に行くと歩きながら観光するコースがたくさんあり、その道々で手作りの案内板などが随所に見られます。

 富裕層で知識欲もあり、日本文化に興味をもつ外国人であれば、田舎で日本の原風景と都市部の洗練された和洋の入り混じった発展の差異は、知的好奇心をあおるでしょうし、今後のアジアの国々の発展のモデルをみることができるでしょう。

 しかし、格安の航空機に乗ってきて、ただ安いからといってきた観光客が佐賀の田舎のよさを踏みにじっているように思えてなりません。テレビの画像でも、南京玉簾(なんきんたますだれ)を歓迎の意をこめて披露しているさなかに記念写真を撮ろうとするCHINA人観光客。

 演者はそのたびに芸をとめて写真に応じていましたが、ここいらをきちっとしつけしないと近い将来我が物顔で町を歩く姿が容易に想像できます。

 別府は日本でも有数の温泉地で、その泉質は別府八湯、八種類の温泉がでるという日本で一番の湧出量を誇ります。白濁の硫黄泉や透明なアルカリ泉、鉱泥温泉、砂風呂などしょっちゅう行っても飽きない温泉地です。

 この別府が20年ほど前から、韓国の観光客を誘致し、韓国の温泉ブームとあいまって一時は活況を呈しました。

 ところが、彼らが団体で来ると部屋は荒れるし、汚いし、くさいしマナーを知らないしと言う事で日本人の観光客ががた減りしました。その後、ウォン安などで、以前のような半島からの観光客は戻ってこず、これだけの種類の温泉という観光資源が活用されずに施設も老朽化しています。

 その隣にある湯布院は、しっかりとまちづくりをして日本人観光客が来たくなるような環境を作ったため、いまでも土日には観光客で賑わっています。温泉好きの私には圧倒的に別府のほうが魅力的なのですが、雰囲気や宿泊施設は由布院のほうが趣があり、泉質の多さだとか野趣味にこだわらない人には、大変人気です。

 英語をしゃべる私は、よく外国人を観光地に案内しますが、日本人の観光客にしゃべる十分の一も話せません。それは、言葉の問題ではなく、文化と歴史の共通認識の問題なのです。

 田舎へ行って郷愁を感じるのは日本人であり、その田舎から世界に誇る偉人が出たとなると、どうしてこのような偉人が生まれたのかを考える旅も面白いのです。ところが、外国人にそれを説明しようとしても、その人が何をした人かから伝えなければならないため大変なのです。

 日本の歴史を知っている人に西郷さんがここで何をしたというと大変興味持ちます、西郷さんや徳川家康はCHINAでも日本好きの人は良く知っている名前です、軍神広瀬武夫のことを話しても誰も聞いてくれません。秀吉の話をすると半島の人は怒り出します。

 観光行政に携わっている人が、どれだけ外人を案内したことがあるのでしょう?

 私の友人がマレーシアから来た大切なお客様を屋久島に連れて行って自然を堪能してもらおうと案内したところ、マレーシア人が途中で怒り出しました;
 「私たちの住んでいるところと似ている場所に来ても何にも楽しくない。それより私たちはショッピングや近代的なビルがみたい」といったそうです。

 佐賀空港にCHINA人を呼んで来たらそのまま福岡へ行ってショッピングさせればいいのです。それで福岡の経済が潤ったら、福岡の人に佐賀へ来てもらって田舎生活を体験してもらえばいいのです。それぞれの役割をはたすことで、有機的な観光行政ができると思うのですが、どうしても県境というものにこだわるから始末に終えません。