「Jリーグはチーム数が多すぎ!」は、Jリーグ理念と180度反対の意見である
よくJリーグを知らない人の話題で、出る言葉が「Jリーグはチーム数が多すぎる、もっと少なくすべき」とよく聞かれます。
主に叫ばれる根拠は↓でしょう。
・チーム数が多過ぎて覚えらえない(満遍なくで特定のクラブにスポットが当たり難いという側面も)
・チーム数が増え過ぎて、儲からない(少ないチーム数の方が利益を多く分配できるという意味)
・チーム数が多いと、レベルが下がる
・そのレベルが下がったサッカーに、金を払わせてまで見せて、無理やりプロにしている。果たしてこれをプロと言えるか?
とまあこんなところですかね。
なぜサッカーは、チーム数を増やすのか?
簡潔に理由を言えば、これこそが日本サッカーの最大の悲願だからです。
これをやらなければ、Jリーグの存在意義も怪しいかもしれません。
つまり、「チーム数を減らせ!多過ぎる」という意見はJリーグやJFAの理念の180度反対を行きます。
なぜチーム数を増やすのか、それは日本にサッカーを普及・浸透させるためです。
そして、そのクラブが地元を活性化すれば尚いいでしょう。
今Jリーグは38クラブあります。J1=18クラブ、J2=20クラブ
Jリーグの観客動員は、J1で平均18428人。J2で平均6696人。です
チーム数は増えてますが、その影響のあるJ2平均動員がここ数年あまり変わっていません。
これがどういうことか、わかるでしょうか?
その分だけ、サッカーを観た人が増加しているのです。
J2はちょっと前まで14クラブだったりしてましたが、ここ数年で一気に増加しました。
つまり6クラブ×6696人分、増加したのです。
過去プロスポーツ文化がなかった場所ばかりです。
そこに、サポーターができることはそれだけサッカーが普及したということになります。
増えた分だけ、サッカー文化ができているのです。
それをいまさら減らせますか?サッカー文化ができたのにつぶしますか?
「チーム数を減らせ」ということは、「その地域のサッカー文化を消せ」と言ってるのと同じな訳です。
生観戦とテレビ観戦の差は、言うまでもありません。
目の前で選手が地元の名をつけて試合をする。そのことに意味があるのです。
岡山は、2009年J2に参入しました。そのときサポーターの方は↓のように言ったそうです。
「岡山に、やっとプロスポーツができた。 このときを待っていたんです。 ぼくらが、必ず成功させます」
(ソースはこちら )
地元にプロスポーツができるということ、このことに大きな意味があるわけです。
これこそ、Jリーグ百年構想 です。
それでは、最初に取り上げた「チーム数が多過ぎるという根拠」について回答したいと思います。
・チーム数が多過ぎて覚えらえない(満遍なくで特定のクラブにスポットが当たり難いという側面も)
覚える必要はありません。贔屓チームだけ覚えていればいいです。
あるいは上位チームだけだったり、贔屓チームと順位が近いクラブやJ1だけJ2だけ覚えようと思えばいいのではないでしょうか?
それに無理に覚えなくても、試合を追っていれば勝手に覚えます。
・チーム数が増え過ぎて、儲からない(少ないチーム数の方が利益を多く分配できるという意味)
分配金は、当然弱いチームになるほど減ります。
露出効果という意味でも結局は強豪クラブに露出は集中します。
むしろ強くなれば露出が増えるということで、どのクラブもがんばります。
それでもチーム数が増えると、分配金は減るという問題が少なからずあります。
これは私の案ですが、例えばリーグ戦を活性化する意味でもJ2で16位以下は分配金なしにすれば
特に増えることで問題は言われないかと思います。
・チーム数が多いと、レベルが下がる
チーム数が増えるのは「J2」だけなので、「J1」はレベルが下がりません。
J2も22クラブで固定されるので、もうすぐその心配はなくなります。
それに、レベルが下がるよりサッカーの輪が広がる方が大事かなと思います。
それにプロのレベルとはアマ時代を継続するのとは絶大な差ができるほど、そのうち上がるものでして
例としてJ発足当時は、形はプロでしたがそれこそアマチュアレベルだったと言われています。
(当然ですが、半年前までアマだったのでいきなりプロレベルになるわけありません)
・そのレベルが下がったサッカーに、金を払わせてまで見せて、無理やりプロにしている。果たしてこれをプロと言えるか?
まず、プロの定義を勘違いされている方がいると思います。
プロとは、それでお金をもらっている・生活をしている人のことで。
エキスパートという意味でもなく、マジシャンのように客からお金をもらうからプロというわけではありません。
例えば中東では、観客動員がかなり少なくむしろ観戦のバイトというものがあるぐらいですが、彼らは何億ももらっているプロです。
それに、アマチュアのJFLや高校サッカー・高校野球でも観戦チケット代として取ることがあります。
彼らはプロではありませんよね?
スポンサーや放映権料など他の収入の要素の上で選手に給料が出ているのを分かった上でならいいのですが、
チケット代を取る=プロということではないのです。
最後に、これからのチーム数増加の話を
現在J1で18、J2で20の38クラブです。
今後、J2は22クラブになり次第。翌年からJ2の下のアマチュア最高峰リーグ「JFL」と、昇格降格制度が導入されます。
これ以上が、増やすとなるとJ3とかJ4とかって話になりますが
現状JFLの企業チームを、追い出せるほど「J3予備軍」のクラブは強くありません。
そのため、JFLはプロアマ混合リーグとなると考えられます。
JFL内で実質プロの環境のクラブと企業チーム等が今後共存していくことになります。
無理に「プロリーグ」を増やす必要はなく、「プロクラブ」を地域のニーズに合わせて増やしていくことになります。
実はこれは世界では普通のことでして、3部リーグ以下になるとプロとアマの境が曖昧です。
日本の観点から言うと、プロ・アマは明確に分かれるので違和感はあるかもしれませんが
例えば、ブラジルではプロクラブが600あるといいますが、選手がサッカーだけで生活していると言えるクラブは
その10分の1ぐらいでしょうか。
それ以外は、サッカーで少しの額と他の仕事を掛け持ちしたりしてます。
ブラジルでのプロは、契約がすべてで。このクラブで○○期間サッカーをして金をもらう契約=プロなのです。
額の少なさは関係ありません。少しでも貰えばプロ。だから600あるといわれているのです。
また、日本の企業チーム・実業団も海外から見るとそれはプロでは?とも取れる環境で日本も実はアマプロが曖昧です。