カメラで意図的に思い通りの表現をするためには

①絞り
②シャッタースピード
③ISO感度

この3つの知識が必要不可欠です。


今回はその内のひとつ
『シャッタースピード』について学習します。






これがシャッター幕。
シャッターボタンを押すと、このシャッター幕が開閉し、フィルムカメラの場合はフィルムに、デジタルカメラの場合は撮像素子(センサー)に光が当たり画像を記録します。

シャッタースピードは、この「シャッターを開けている時間」のことを指します。



シャッタースピードの役割は主に
①明るさ(露出)の調整
②被写体の動きのコントロール
の2つを担っています。

シャッタースピードを操作できる撮影モードは
・シャッタースピード優先モード
・マニュアルモード です。



①明るさ(露出)の調整
シャッタースピードは、前回出てきた『絞り』と『ISO感度』とともに明るさを調整します。

前述の通り、シャッタースピードは「シャッターを開けている時間」のことで、
シャッターを開けている時間が長いほど(シャッタースピードが遅いほど)、多くの光を取り込まみます。


シャッタースピードの単位は「秒」で表され、1秒より速いシャッタースピードを1段刻みの数字で表すと
1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500、1/1000、1/2000、1/4000、1/8000
となり、
例えば「1/60」から「1/30」にすると
「1段遅くした」ことになり
取り込む光の量は倍に。

逆に「1/60」から「1/125」にすると
「1段速くした」ことになり
取り込む光の量は半分になります。

※実際のカメラの表示では分母のみ表記されています。






②被写体の動きのコントロール
シャッタースピードは
速いと動いている被写体の動きを止め、
遅いと動いている被写体をブラします。


写真で確認です。

バスのオモチャを走らせ、いろんなシャッタースピードで撮ってみました。

【1/2000秒】

【1/200秒】

【1/50秒】

【1/30秒】

【1/10秒】

一般的に
1/500秒より速いシャッタースピードを
「高速シャッター」といい、(被写体の速さにもよりますが)速く動く被写体でもピタッと止めて瞬間を捉えることが出来ます。



高速シャッター作例①【1/5000秒】
水の動きを止める


高速シャッター作例②【1/4000秒】
鳥の動きを止める



反対に、一般的に
1/10秒より遅いシャッタースピードを
「スローシャッター」といい
動きのある被写体を躍動的に伝えることが出来ます。


スローシャッター作例①【5秒】
滝を流す


スローシャッター作例②【25秒】
車のライトを流す



シャッタースピードを操作することで、人間の目では見ることのできない世界を表現することが出来ますね(^^)









そして『シャッタースピード』は、写真の完成度にも関わってきます。


シャッタースピードが遅いと、

①手ブレ
②被写体ブレ

が起きてしまい、手ブレや意図的でない被写体ブレは一般的に失敗写真とみなされてしまいます。



①手ブレ
シャッターを切った時にカメラが動いて、写真全体がブレてしまうことを手ブレといいます。

【極端な手ブレの例】シャッタースピード1/2秒


手ブレの防止策は、まずしっかりカメラをホールドし構えること。
そして、シャッタースピードを十分に確保することです。


手ブレはレンズの焦点距離の長い方がブレが起きやすい傾向にあり、
シャッタースピードによる手ブレの防止は
「1/(焦点距離)秒」より速いスピード
が目安となっています。

※手ブレ補正機能がある場合は、上記の目安より遅いシャッタースピードでも補助してくれます。
※焦点距離はAPS-Cでは約1.5倍、マイクロフォーサーズでは2倍します。
※高画素のカメラはブレに敏感のため、上記の目安よりさらに速いシャッタースピードが推奨されています。


また、三脚を使って手ブレをなくす方法もあります。

先ほど出てきた「スローシャッター」の撮影では、必ず手ブレの影響が出てしまうので、三脚の使用は必須となります。


※三脚使用時、ブレの影響をさらに軽減させるには
レリーズの使用またはセルフタイマーによる撮影が有効です。
また一眼レフの場合、レリーズ時起きてしまうミラーショックにはミラーアップ撮影が有効です。




②被写体ブレ
シャッターを切った時に、動いている被写体の動きがシャッタースピードより速いと、動いている被写体がブレて写ってしまいます。
これを被写体ブレといいます。

【極端な被写体ブレの例】シャッタースピード1/10秒


被写体ブレはシャッタースピードの確保しか防止する方法がありません。

被写体別の被写体ブレを起こしにくいシャッタースピードの目安は以下の通りです。

歩いている人:1/100秒〜1/200秒
走り回る子供:1/250秒〜1/500秒
動きの速い物:1/1000秒〜1/1500秒
水の流れ  :1/1500秒〜1/2000秒




上記の手ブレや被写体ブレを防止するシャッタースピードの目安は、あくまで目安なので
ブレを防止するには、絞りやISO感度と相談しながら明るさをキープし、なるべく速いシャッタースピードを設定したほうが安心です。









シャッタースピードは、明るさ(露出)や被写体の動きの表現だけでなく、
失敗写真となってしまう「手ブレ」や「被写体ブレ」にも直結するので、撮影中は常に気にしたい数字ですね!

記事作成:ろくまる


「カメ学」は、カメテク運営者が学んだ知識を展開し、記事にしています。
間違った内容等あれば修正しますので、ご一報いただけると幸いです。

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