写真の印象は
①明るさ(露出)
②色(ホワイトバランス)
③色の濃さ(彩度)、明暗差(コントラスト)

によって大きく変わります。


第一回目は『明るさ(露出)』について学習します。





露出とは…
「カメラ(撮像素子)に取り込んだ光の量」のことで、
この光の量により明るさは変化し、
明るさは【F値】【シャッタースピード】【ISO感度】の設定により決定します。

F値=絞り開閉によって入る光の量の値
シャッタースピード=光を取り込む時間
ISO感度=取り込んだ光に対する感度



ほとんどのカメラには露出計がついており、
「オートモード」
「プログラムモード」
「絞り優先モード」
「シャッタースピード優先モード」
では、カメラが「バランスの良い明るさ=標準露出」を決めてくれます。

しかし、このカメラが決める標準露出は
必ずしも撮影者のイメージと合致している訳ではありません。


そこで活用するのが
【露出補正】です。



露出補正とは…
露出補正で設定した値に準じて、カメラが自動で【F値】【シャッタースピード】【ISO感度】のいずれかを変更し、明るさを調節してくれる機能です。
補正といっても、カメラが画像を加工している訳ではありません。



露出補正の設定が出来る撮影モードは
「プログラムモード」
「絞り優先モード」
「シャッタースピード優先モード」
※今までオートモードのみ使用していて、露出補正してみたい方は「プログラムモード」がオススメです。



設定の方法は、カメラにより異なりますが、
サブダイヤルや、[+/-]ボタンを押しながらダイヤルを回して、+方向で明るく、−方向で暗くなり、±0はカメラが判断した標準露出となります。







では、実際に写真で確認です。
(測光はマルチパターン測光)



「±0」SS1/40 F4.0 ISO800
カメラが標準露出と判断した明るさです。
背景の壁が白くカメラは明るいと認識した為、自分がイメージした明るさより暗くなってしまいました。

※カメラが判断する標準露出は、白いものを撮ると実際より暗く、黒いものを撮ると実際より明るくなる傾向にあります。



「+1」SS1/40 F4.0 ISO1600
露出補正+1で、イメージ通りの明るさ(適正露出)になりました。



「+2」SS1/40 F4.0 ISO3200
露出補正+2だと、明るくなりすぎて、露出オーバーになりました。



「-1」SS1/40 F4.0 ISO400
カメラが判断した標準露出でも暗く感じたので、露出補正-1はさらに暗く、露出アンダーと言えます。



「-2」SS1/40 F4.0 ISO200
露出補正-2はあきらかに露出アンダーですね。







露出補正は自分のイメージした明るさに近づける方法です。
明るいイメージの写真にしたい場合はプラス補正、暗いイメージの写真にしたい場合はマイナス補正しましょう!


※マニュアルモードではインジケーター(露出のバーグラフ)を見ながら、絞り、シャッタースピード、ISO感度を設定し、露出を決定します。






『明るさ(露出)』は、写真を自分のイメージに近づける第一歩ですね(^^)




記事作成:ろくまる


2022/1/13 21:00追記

shinnさんからの補足
測光モード(スポット、中央重点、マルチパターン)で適正とされた露出値でも意図した絵に落ち着かない場合があります。
これを補正しながら撮るのも面倒なので、多くの一眼やコンデジの上位機種にはオートブラケットという機能が盛り込まれています。
これは、シャッターボタンを1回押すだけで3段階(ぐらい、メーカーによってまちまちなので興味があれば調べてみてください)の露出値で撮影できるものです。
以前はフィルムの消費がこわくて使いづらかったのですが、デジタルならばそれほど気にならないので、使った方がいい機能です。

※オートブラケットの呼び名はカメラメーカーにより異なります。
Canonだと「AEB(オート・エクスポージャー・ブラケティング)」
最初に搭載したコンタックス167MTではABC機構(オート・ブラケティング・コントロール)
という名称となります。




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