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野ざらし1人旅~漂泊への憧憬~

西行の漂泊の旅に憧れ、主に青春18きっぷを使い、いろいろな景色を巡って1人歩き続ける旅の記録

平泉は、宮城県との県境に近い一ノ関から2駅ほど北へ進んだところにある町です。

 

ここは平安時代後期、奥州藤原氏が4代にわたって支配した土地で、中尊寺金色堂は、当時の栄華の象徴となっています。

 

源頼朝と対立した源義経を庇護したこともあり、日本中世史の中では知名度があり、一度は行って見たいと思っていました。

 

青春18きっぷだと、日帰りはダメでした(始発で東京を出ると14:50に到着し、15:10に平泉を発つ必要あり)。

 

そこで今回は平泉以外にも行ってみたいところをいくつかピックアップして行ってみることにしました

 

●1日目

始発で東京を発ち、東北本線で仙台を超えて小牛田まで進みます。ここから陸羽東線に乗って山形県の堺田に行きます。

 

堺田には太平洋と大西洋に流れが分かれる分水嶺があります。駅のそばにあるためそれを見ます。

 

その後陸羽東線で小牛田に戻り、一ノ関、平泉を超えて花巻まで行きます。

 

駅近くに「未来都市銀河地球鉄道壁画」という夜になると絵が浮き上がる壁画があるのでそれを見るためです。

 

花巻は、宮沢賢治の生まれた町。この壁画は代表作「銀河鉄道の夜」に触発された作品のようです。

 

この後平泉へ戻り、夜明けを待ちます。

 

●2日目

夜が明けたら中尊寺や毛越寺を拝観しますが、12:25には平泉を発つことにしていました。

 

これは、帰りのルートを仙山線や奥羽本線を使おうとしていたことによるものです。

 

このため、8:30の拝観開始時間前に衣川や高館義経堂など見れるものは先に見ておくことにしました。

 

8:30~12:00くらいで中尊寺と毛越寺を拝観しますが、両寺院は少し離れています。

 

果たしてじっくりと見れるのか、足の疲れに耐えきれるか、今回もぎりぎりの行程です。

 

 

 

 

 

今回の乗車記録です。

 

埼京線 普通 川越行き

 池袋 5:00 赤羽 5:10

高崎線 普通 高崎行き

 赤羽 5:23 高崎 6:59

信越本線 普通 横川行き

 高崎 6:58 横川 7:31

JRバス 軽井沢行き

 横川 8:10 軽井沢 8:44

 

帰りは12:55のバスに乗るつもりでしたが、運行日時が決まっている便でこの日は運行なしでした。

 

このため次のバスを待つ間、雲場池に行きました(見ごろは紅葉の時期のようです)。

 

JRバス 横川行き

 軽井沢 14:15 横川 14:49

信越本線 普通 高崎行き

 横川 15:10 高崎 15:41

湘南新宿ライン 快速 小田原行き

 高崎 16:10 池袋 17:54

 

 

 

 

 

話は前後しますが、「堀辰雄の道」別名「フーガの小径」という名所があります。

『美しい村』執筆時、堀辰雄はこの小径を散歩中ふと耳にしたバッハのフーガを作品構成に取り入れようと思ったといいます。

かつて作者自身が歩いた道というと、ちょっとした聖地巡礼感を覚えます。

 

さて今回の旅のメイン目的「幸福の谷」を目指して林道を奥へ奥へと進みましたが、なかなか見当たりません。

 

有名なところなので、看板でも出ているのではないかと思ったのですが、そういうものはありませんでした。

 

そうしているうちに林道を抜け、車道に出てしまいました。しかしそこに手がかりとなる標識がありました。

 

この方向を見るに、今歩いてきた方向を指しているので、どうやら通過してきたようです。

 

仕方なく折り返しましたが、最後の最後までどこがそれにあたるのか、この時点ではわからずじまいでした。

 

帰宅後、再度Webサイトで調べたところ、別荘地が並ぶ苔生す石畳の道が「幸福の谷」と呼ばれているとのことでした。

 

撮った写真を見返して見ると、おそらくこうした小径が「幸福の谷」といえそうです。

Webサイトの説明を読むと、別荘を構えた外国人居住者が自国の雰囲気に似たこの辺りの光景を「幸福の谷」と呼んだようです。

 

堀辰雄もこの辺りにあった川端康成の別荘で『風立ちぬ』の最終章「死のかげの谷」を書いたといいます。

 

婚約者を喪った「私」は「幸福の谷」にいても、最初のうちは「死のかげの谷」としか思えない心境に置かれています。

 

やがて時の流れとともに、喪失感が和らいでいき、作品冒頭の「風立ちぬ、いざ生きめやも(さあ生きようか)」に変わっていきます。

 

歩きまわっていた時は、あちこちの斜面を見ては「これが幸福の谷なのかな」と思っていましたが、とんだ勘違いでした。