同じ結果、異なる考察。 | 零細企業の闘魂日記

【日本人の祖先は「港川人」? 旧石器時代、DNAで解析】
https://www.asahi.com/articles/ASP6F4FX4P6BULBJ016.html
『沖縄県で約2万年前の旧石器時代の遺跡から見つかった港川(みなとがわ)人が、現代の日本人に遺伝的に直接つながる祖先だった可能性がDNA解析からわかった。日本人のルーツは、縄文人や大陸から渡来した弥生人による「混血説」が有力だが、さらに古い港川人までさかのぼることになる。』
 
『港川人は、1970年に沖縄県で人骨が複数発見された。日本では数少ない旧石器時代の人骨で、出土した場所の地名から港川人と呼ばれる。身長は150センチ程度と小柄。肩幅は狭いが、下半身の骨格は丈夫で、荒れた土地を走るのに適していたとされる。』
 
『港川人の遺伝情報を調べることに成功したのは今回が初めて。総研大の五條堀淳講師(自然人類学)は「日本列島のヒトの集団は、旧石器時代から現代に至るまで、遺伝的につながっていそうだとわかった」と話す。今後、研究が進めば、現代日本人の中から港川人の直系の子孫が見つかる可能性もあるという。』

 
 
【旧石器時代の「港川人」、現代日本人と直接つながらず…DNA分析「ルーツ論争」に一石】
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210613-OYT1T50142/
『沖縄本島で出土した旧石器時代の人骨、港川人(約2万2000年前)がDNA分析の結果、遺伝的に縄文人や現代日本人と直接つながらないことがわかった。日本人のルーツを巡る論争に一石を投じる結果だ。』
 
『ミトコンドリアDNAは、塩基配列の違いから母方の祖先をたどることができる。現代日本人の一部は、縄文人に多くみられる遺伝子型のグループ「M7a」、弥生人の「D4」を受け継いでいることが知られている。』
 
『今回の分析の結果、港川人は「M7a」「D4」を含む広義の「M」に分類できるものの、縄文人や弥生人とは特徴が異なり、直接の先祖でないことがわかった。東邦大の水野文月助教(古代ゲノム学)は、「港川人と縄文人は共通の祖先から枝分かれし、港川人の方は直系の子孫を残せず途絶えたとみられる」と分析している。』

同じ研究だが、朝日新聞読売新聞ではほぼ反対の解釈となっている。
すなわち、朝日新聞は港川人が現代日本人の祖先である可能性読売新聞はそれに否定的な見解である。
 
もっともこれらは、新聞社の見解ではなく、朝日は総研大読売は東邦大、それぞれの研究者によるコメントである。
 
そこで、原著論文を読むことを試みたが門外漢の私には理解するのは無理だった。
ただしミトコンドリアハプログループの遺伝子系統樹Results and discussionによれば、湊川人は縄文人、弥生人、さらに代日本人(サンプル数2,062人)とはつながりがないようだ。
すなわち、港川人は絶えたのではないかと推定される。
しかし、絶対とは言い切れない・・・。